横綱という地位は大相撲にしかない。ほかの競技にはみられない特
徴である。横綱はどういう存在か。常勝、安定性、どこからいって
も大丈夫、そんな特別な存在である。
十一月場所、大関琴櫻が優勝した。次の場所は横綱をかける場所に
なるという見方がある。これは横綱審議委員会の2場所連続優勝を
原則とする規定によるものである。はっきりいってこの規定は欠点
がある。まず年6場所で2場所だけを切り取ったものである。わず
か3カ月間で決まるのである。こんな危うい決め方でいいのか。
横綱審議委員会には最初に品格力量抜群という規定がある。本来こ
の項目だけで充分である。力量抜群とは時代を築けるほどの地力で
ある。繰り返すが、横綱は特別な存在である。
琴櫻のここ4場所は次の成績である。11勝-10勝-8勝-14勝優勝
-?これは、品格はともかく力量抜群とはとてもいかない。常勝、
安定性、どこからいっても大丈夫につながらない。玉乃島は9勝-
11勝-12勝-12勝-13勝優勝で横綱を見送られた。
横綱審議委員会はこれまで弱い横綱、物足りない横綱を誕生させて
きた。その反省を聞いたことがない。ということは同じ誤りを繰り
返すことになる。それでできた横綱は強豪横綱、時代を築ける横綱
とはいえない。