角番(かどばん)とは、大関が負け越して、次の場所も負け越せば大関から落ちる、その「降格のかかった場所」のことである。日本相撲協会は「大関は2場所連続して負け越した時は降下する」と定めたうえで、大関が負け越して、降下がかかってしまった場所を通称で「角番」というと説明しており、語源は囲碁や将棋の7番勝負で負けが決まる一局を「角番」と言うことに由来するとしている(大相撲クイズNo.1071・2026年9月20日取得)。
令和8年九月場所(2026年9月)の大関は霧島・琴櫻・安青錦の3人で、3人とも七月場所で負け越していない。したがって角番の大関はいない(協会の番付と力士プロフィールを当サイトが突き合わせたもの・2026年9月20日時点)。
大関には横綱と違って「陥落(降格)」がある。田口の整理では、大関は2場所連続して負け越すと関脇に陥落する。負け越した翌場所、つまり「ここでも負け越せば陥落」という土俵際の場所が角番である。ただし陥落した直後の場所で10勝以上を挙げれば、その場所限りで大関に復帰できる特例がある(昭和44年7月場所から施行)。この記事は、昭和44年以降に大関から落ちた力士を「復帰できたか・その後どうなったか」でタイプ別に整理したものである。
※陥落規定は6場所制で2場所連続負け越し→3場所連続へ緩み、「甘すぎる」として再び2場所連続へ戻り、同時に10勝復帰の付帯条件が加わった(いずれも田口記載)。
角番とは|大関が降格する条件(協会の説明と田口の記述を分けて並べる)
角番と降格をめぐる条件を、協会が公表しているものと、田口 通廣が本文に書いているものに分けて並べる。出典の列を見れば、どこまでが協会の言葉で、どこからが当サイトの記事に載っている記述かが分かる。
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 角番になる条件 | 大関が本場所で負け越すこと。その次の場所が角番になる | 日本相撲協会 大相撲クイズNo.1071(2024年12月14日公開・2026年9月20日取得) |
| 大関が降格する条件 | 大関は2場所連続して負け越した時は降下する | 日本相撲協会 大相撲クイズNo.1071(2024年12月14日公開・2026年9月20日取得) |
| 降格したときの番付 | 関脇(三役の一つ) | 田口 通廣(本記事の本文) |
| 降格した直後の場所の特例 | その場所で10勝以上を挙げれば大関に復帰できる。昭和44年七月場所から施行 | 田口 通廣(本記事の本文)。協会が公表しているページは見つけられなかったため「協会によると」とは書かない |
| この規定が変わった経緯 | 6場所制とともに2場所連続負け越しから3場所連続負け越しに緩み、「甘すぎる」として2場所連続に戻った。このとき10勝復帰の付帯条件が加わった | 田口 通廣(本記事の本文) |
| 横綱の扱い | 横綱だけは、成績が悪くても降格しない | 日本相撲協会 英語版案内「SUMO」(sumo_introduction.pdf・2026年9月20日取得) |
| 関脇・小結の陥落条件 | 協会は公表していない。英語版案内にあるのは「本場所のあと、横綱以外は15日間の成績に応じて番付が上下する」までで、何勝何敗で落ちるかは書かれていない | 日本相撲協会 英語版案内「SUMO」(sumo_introduction.pdf・2026年9月20日取得) |
この表で「協会は公表していない」と書いた行は、当サイトが条件を作らないという意味である。関脇・小結がどういう成績で落ちるかを知りたい場合は、三役という枠そのものの説明を相撲の三役とは|関脇・小結(と大関)の範囲に、大関に上がるときの目安を大関昇進の成績と目安にまとめてある。
なぜ「角番」というのか|語源は囲碁・将棋の7番勝負
「角番」は相撲から生まれた言葉ではない。日本相撲協会は公式サイトの大相撲クイズで、この言葉がどこから来たかを次のように説明している。
角番(カドバン):大相撲のルールとして「大関は2場所連続して負け越した時は降下する」と定められています。
大関が負け越して、降下がかかってしまった場所を通称で「角番」といいます。
それは囲碁や将棋の7番勝負で負けが決まる一局を「角番」と言うことに由来しています。
日本相撲協会 大相撲クイズ No.1071(2024年12月14日公開・2026年9月20日取得)
囲碁や将棋の7番勝負では、あと1敗でシリーズが終わるという一局を角番と呼ぶ。この言い方が大相撲に移り、あと1場所負け越せば大関でなくなるという場所を指すようになった。クイズの選択肢は「囲碁・将棋」「柔道」「書道」で、正解は囲碁・将棋である。当サイトは協会がこの2つを挙げていることだけを書き、ほかの由来説は扱わない。
田口 通廣の見方|昭和44年以降に大関から落ちた力士をタイプ別に
ここから下は、田口 通廣が2024年7月5日に書いた本文である(一字も変えていない)。文中の「霧島」は、当時、大関から陥落した直後の霧島を指す。その霧島は令和8年九月場所(2026年9月)の番付で東大関に戻っている(協会の番付・2026年9月1日取得)。
大関の座を開け渡した霧島が復帰にむけて始動して
いる。首の痛みが引き、優勝を目指すつもりで10勝
以上をあげるという。大関から落ちた直後の場所、
10勝以上で復帰できる規定によるものである。
6場所制とともに大関の陥落規定は2場所連続負け
越しから3場所連続負け越しとなった。しかし、こ
れでは甘すぎると2場所連続負け越しに規定が変わ
った。このとき付帯条件として降格直後10勝以上で
復帰が規定された。昭和44年七月場所から施行され
た。大関降格者をタイプ別にみていこう。

■大関復帰後横綱に昇進
三重ノ海は復帰制度第1号成功者であった。大関と
してはさほどぱっとした成績を残しているわけでは
なかった。それがある日突然強さを発揮し、横綱に
まで上り詰めた。
■2度大関に復帰
栃東は大関から2度降格したが、2度とも復帰に成
功している。こんな例は栃東だけである。

■1度復帰しその後ずっと大関
武双山は新大関の場所全休、翌場所4勝であった。
わずか2場所で大関の座を明け渡した。10勝5敗で
大関に復帰して最後まで務めた。現役の貴景勝は現
時点ではここに入る。
■ゼロから大関復帰
昭和44年七月場所以降、ゼロから大関に復帰したの
は魁傑と照ノ富士である。クリーン魁傑は、休場は
試合放棄として出場し続けた。窮屈な相撲で、大関
はとして短命であった。照ノ富士は説明無用。

■1度復帰し、2度目は失敗
貴ノ浪は大関復帰直後の場所と翌場所負け越し再び
大関を降格した。1度目の降格と2度目の降格の間
は2場所しかなかった。栃ノ心は大関になると不成
績になる不思議な力士であった。1度は10勝5敗で
大関に復帰したもののすぐに降格した。
■大関降格時引退が近かった
千代大海は10勝以上かける場所で引退している。引
退の時期に関して師匠九重(元千代の富士)と行き
違いがあったのか。千代大海としてはもっと早く引
退したかったように映った。

琴風は大関降格後、2場所連続全休した。翌場所1
勝もできずに途中引退している。琴風は大関2ケタ
勝利連続8場所の記録をもっている。琴欧洲は関脇
陥落後2場所目に引退している。
■大関降格後しばらく相撲を取った
前の山
大受
小錦
霧島
出島
雅山
琴奨菊
高安
朝乃山(出場停止による降格)
正代
御嶽海
さて霧島は大関降格後どういう成績をあげられるか。
現在の角番大関|令和8年九月場所(2026年9月)時点ではいない
令和8年九月場所(2026年9月)の大関は3人。角番かどうかは直前の七月場所で大関として負け越したかどうかで決まるので、協会の力士プロフィールに載っている七月場所の番付と成績を並べる。
| 九月場所の番付 | 力士 | 七月場所の番付と成績 | 九月場所は角番か |
|---|---|---|---|
| 東大関 | 霧島 鐵力 | 東大関 12勝3敗 | 角番ではない |
| 西大関 | 琴櫻 将傑 | 西大関 8勝7敗 | 角番ではない |
| 東大関(再大関) | 安青錦 新大 | 西関脇 12勝3敗(幕内優勝・技能賞) | 角番ではない(七月場所は関脇で、大関として負け越していない) |
3人とも七月場所で負け越していないので、角番の大関はいない。九月場所の成績で角番になる大関が出るかどうかは、場所が終わってからでないと決まらない。この節は場所の結果が出た時点で更新する。
安青錦は陥落した直後の場所で12勝を挙げて大関に戻った
3人のうち安青錦は、この記事の主題そのものの経過をたどっている。協会の力士プロフィールにある場所別の成績を並べる。
| 場所 | 番付 | 成績 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 令和8年三月場所 | 東大関 | 7勝8敗 | 負け越し |
| 令和8年五月場所 | 西大関 | 0勝0敗15休 | 全休。三月と合わせて2場所連続で負け越し、翌七月場所の番付は西関脇だった |
| 令和8年七月場所 | 西関脇 | 12勝3敗 | 幕内優勝・技能賞 |
| 令和8年九月場所 | 東大関 | (場所中) | 番付表の肩書きは「再大関」 |
七月場所は、安青錦にとって大関から落ちた直後の場所にあたる。そこで挙げた12勝3敗は、田口が本文で書いている「降格直後10勝以上で復帰」という条件を満たしている。ただし協会は、個々の力士の大関復帰について根拠の規定を示した文書を公表していない。成績と規定を結び付けているのは当サイトの照合であって、協会の説明ではない。九月場所の番付で安青錦に付いた肩書きは「再大関」である(協会の番付表・2026年9月1日取得)。
大関の降格・陥落についてよくある質問
Q. 大関はどうなったら降格(陥落)する?
A. 2場所連続して負け越すと、大関から関脇に陥落する。
Q. 陥落した大関が大関に戻る条件は?
A. 陥落した直後の場所で10勝以上を挙げれば大関に復帰できる(昭和44年7月場所から施行された特例)。
Q. 2度陥落して2度とも復帰した大関は?
A. 栃東。2度降格し2度とも復帰したのは栃東だけである。
Q. 番付を大きく下げてから大関に返り咲いた例は?
A. 昭和44年7月以降では魁傑と照ノ富士の2人。
Q. なぜ「角番」というの?
A. 囲碁や将棋の7番勝負で負けが決まる一局を「角番」と言うことに由来する、と日本相撲協会が説明している(大相撲クイズNo.1071・2026年9月20日取得)。
Q. いま角番の大関はいる?
A. 令和8年九月場所(2026年9月)の大関は霧島・琴櫻・安青錦の3人で、3人とも七月場所で負け越していない。角番の大関はいない(2026年9月20日時点)。
Q. 角番で負け越すと、どこまで落ちる?
A. 田口の記述では関脇に陥落する。陥落した直後の場所で10勝以上を挙げれば大関に復帰できる。
Q. 関脇や小結にも角番はある?
A. 協会が「角番」と説明しているのは大関についてだけ。関脇・小結が何勝何敗で落ちるかという条件を協会は公表していないので、当サイトでは書かない。
出典と取得日
日本相撲協会 大相撲クイズ No.1071(角番の語源と「2場所連続の負け越しで降下」。2024年12月14日公開・2026年9月20日取得)/同 英語版案内「SUMO」(sumo_introduction.pdf)(横綱だけは降格しないこと、横綱以外は15日間の成績で番付が上下すること。2026年9月20日取得)/同 力士プロフィール 霧島・琴櫻・安青錦(七月場所までの場所別成績。2026年9月20日取得)/同 番付表(令和八年九月場所の大関3人。2026年9月1日取得)。
大関の降格規定の変遷、降格先が関脇であること、降格直後の場所で10勝以上なら復帰できることは、いずれも本記事本文の田口 通廣の記述による。協会の静的ページでは確認できなかったため「協会によると」とは書いていない。関脇・小結の陥落条件、角番を経験した大関の人数、復帰の成功率は、一次資料で裏が取れないので書いていない。本文に出てくる力士の人数・回数は田口の地の文にある数字で、当サイトが数え直したものではない。
▶ 番付の昇降ルール:関脇と小結の順番(三役の地位)はこちら | 大関の歴代優勝回数はこちら | 横綱昇進の条件と成績はこちら | 横綱は何歳で昇進し何歳まで取ったかはこちら | 休場が番付・給料にどう響くかはこちら
▶ 協会公式の歴代大関をそのまま並べた一覧は歴代大関一覧|53人の在位・優勝・出身地にまとめている。
▶ 大関から落ちた先の関脇・小結という枠そのものは相撲の三役とは|関脇・小結(と大関)の範囲に、十両以上の「関取」から横綱までの序列は相撲の階級・番付の序列 一覧にまとめている。