現在元大関は高安、朝乃山、御嶽海、正代の4人が
現役である。以前、栃ノ心もいたのだから元大関は
けっこういたことになる。ここ1年以内で3人の大
関が誕生したのだから、新旧交代したともいえる。
しかし、元大関にもう一つ活躍が感じられない面が
あるのも事実である。元大関のその後を検討してみ
よう。
■高安
高安が元大関になって4年以上が経過した。長い期
間になってきた。この間2回優勝決定戦に出場して
いる。だからそこそこ活躍しているかというとそう
もいえない。
さる一月場所は2度の休場があったように休場が目
立つ。2020年にコロナ部屋ごと休場が2場所あった
のは別扱いになる程度である。高安優勝待望論があ
ったが、このところそうした声は薄れてきている。
高安の元大関時代は164勝124敗42休30部屋ごとコロ
ナ休場である。横綱戦は0勝6敗、大関戦は10勝24
敗である。
■朝乃山
朝乃山の大関降格はコロナ外出期間中に外出したこ
とであった。それも口裏あわせがあったことと大関
という立場であったことから出場停止は長期にわた
った。途中休場1場所、全休6場所に及んだ。番付
は三段目まで落ちた。
幕内に復帰したのは2023年五月場所だった。その場
所こそ12勝3敗と活躍した。幕内復帰5場所になる
が3場所が途中休場あるいは途中出場しているのが
気になる。元大関時代の幕内成績は42勝20敗13休で
ある。横綱戦0勝1敗、大関戦2勝5敗である。
■御嶽海
御嶽海はかつて17場所連続小結・関脇在位の記録を
もっていた。また、関脇以下で3回優勝している。
これはほかに例がない。関脇以下最強の時期があっ
た。
だが、元大関となってからは勢いが消えた。たまに
御嶽海らしい相撲を取ることがあるが、全体的には
少ない。元大関となってから8場所になるが、5場
所負け越している。元大関の成績は52勝68敗である。
横綱戦はなく、大関戦は2勝2敗である。幕内上位
に戻れないでいる。
■正代
正代は大関在位13場所中6場所負け越している。大
関の維持は無理だった節があった。むろん大関在位
中優勝争いをしたことはない。
元大関として7場所だから4人のなかで一番短い。
さる一月場所は優勝照ノ富士に勝ちながら4勝11敗
に終わった。食いなれないものを食ったせいかと思
われかねない結果であった。元大関の成績は46勝59
敗。横綱戦2勝(不戦勝あり)1敗、大関戦2勝8
敗であった。
朝乃山はともかく、ほかの元大関はもう一つである。
このまま終わってしまうのだろうか。