三賞とは|殊勲賞・敢闘賞・技能賞の違いと獲得回数ランキング歴代50人

三賞は殊勲賞・敢闘賞・技能賞の3つで、関脇以下の力士に贈られる。横綱や優勝力士を倒した力士に殊勲賞、攻めの相撲で場所を沸かせた力士に敢闘賞、技の切れた力士に技能賞が渡る。始まりは昭和22年秋場所。通算の受賞回数が最も多いのは安芸乃島の19回で、殊勲7・敢闘8・技能4の内訳になる。次いで琴錦18回、魁皇15回。下の一覧で、8回以上を受賞した歴代50人の内訳を確認できる。

※集計=田口道宏。対象は通算8回以上の受賞者(7回は26人にのぼるため8回以上で区切っている)。現役力士の回数は集計時点のもの。

目次

三賞とは|殊勲賞・敢闘賞・技能賞の違い

スポンサーリンク

三賞は本場所の千秋楽に発表される。殊勲賞は横綱や優勝力士を倒すなど殊勲の相撲を取った力士、敢闘賞は攻めの姿勢で土俵を沸かせた力士、技能賞は技のさえた力士が対象になる。優勝と違って1場所に複数の力士が受賞でき、逆に「該当者なし」の場所もある。

そもそもこの賞は、戦後の相撲人気を立て直すために生まれたものだった。

三賞は戦後相撲人気をなんとか盛り返したい協会と記者クラブが共同で考案した。優勝者が限られた力士しか狙えないのに比べ、三賞なら狙えると力士にも好評だった。昭和22年秋場所からスタートした。最初は基準がはっきりしなく、横綱・大関も候補だった。第1回の殊勲賞と敢闘賞が現在の基準と逆の受賞になってしまった。

制定当初は横綱・大関にも受賞の芽があった。いまは関脇以下が対象で、当ブログの集計も「関脇以下でいた場所数」を分母に受賞率を出している。魁皇が幕内で関脇以下にいたのは42場所、そのあいだの受賞が15回だから受賞率は36%になる。

三賞の最多記録

記録力士回数
三賞 通算最多安芸乃島19回(殊勲7・敢闘8・技能4)
同 2位琴錦18回(殊勲7・敢闘3・技能8)
同 3位魁皇15回(殊勲10・敢闘5・技能0)
殊勲賞 最多朝潮・魁皇各10回
敢闘賞 最多貴闘力10回
技能賞 最多鶴ヶ嶺10回
技能賞 連続最多栃錦5場所連続
集計=田口道宏

長らく最高記録だったのは鶴ヶ嶺の14回(殊勲2・敢闘2・技能10)で、朝潮も14回で並んで土俵を去った。これを抜いたのがF1相撲と呼ばれた琴錦の18回、さらに安芸乃島が平成11年九月場所に19回へ伸ばした。この19回が今も破られていない。

技能賞には偏りがある。もろ差し名人の鶴ヶ嶺は昭和31年初場所から10年半かけて10回に到達した。栃錦は制定まもない昭和27年にいきなり9回を受賞している。特定の力士に集まる賞なのである。

三賞獲得回数ランキング|歴代50人の全一覧

順位力士合計殊勲敢闘技能
1安芸乃島19784
2琴錦18738
3魁皇151050
4鶴ヶ嶺142210
4朝潮141031
4貴闘力143101
7武双山13544
7土佐ノ海13751
7琴光喜13247
10栃東(子)12327
10安美錦12426
10高安12462
13高見山11650
13大受11416
13麒麟児11443
13北勝海11335
13豪栄道11533
13栃ノ心11263
19栃錦10109
19北の洋10415
19魁傑10271
19出羽の花10154
19小錦10451
19出島10343
19若の里10442
19豊ノ島10334
19日馬富士10415
19嘉風10244
19御嶽海10613
30大麒麟9504
30貴ノ花9324
30三重ノ海9513
30逆鉾9504
30旭富士9225
30貴乃花9423
303代目若乃花9306
30稀勢の里9531
30鶴竜9207
30照ノ富士9333
40琴ヶ濱8215
40信夫山8116
40柏戸8224
40明武谷8440
40長谷川8332
40黒姫山8431
40富士櫻8233
40鷲羽山8035
40栃赤城8440
40霧島8314
40雅山8251
通算8回以上の受賞者50人。集計=田口道宏。内訳に賞名が挙がっていない欄は0とした(各力士とも内訳の合計が受賞回数と一致する)。

表の霧島は元大関で、現在の陸奥親方にあたる。2026年に大関を務めている霧島(前名霧馬山)とは別人である。貴ノ花は二代目貴ノ花(元大関)、貴乃花は第65代横綱を指す。

受賞回数は関脇以下でいた場所数に左右される。朝潮が関脇以下でいたのは27場所で、そのあいだに14回を受賞した。大関へ上がるのが早い力士ほど、三賞を積む時間は短くなる。

該当者なしと、大盤振る舞いの場所

三賞は毎場所必ず出るわけではない。最初の該当者なしは昭和32年十一月場所で、それまでは毎場所1人ずつ受賞者が出ていた。平成30年九月場所は、制定された昭和22年秋場所から数えて400場所目にあたる記念の場所だったが、殊勲・敢闘・技能のすべてが該当者なしという史上初の結果に終わった。平成21年には殊勲賞が6場所連続で該当者なしになったこともある。

逆に受賞者が最も多かったのは5人で、平成6年三月場所と平成10年五月場所の2度ある。1人で3賞すべてを独占したのは2例。昭和48年七月場所の大受と、その翌場所に新入幕で横綱・大関を倒した大錦である。大錦にとってはこれが最初で最後の三賞になった。

ほかの力士と分け合う形で3賞すべてを受けたのは3例で、平成4年一月場所の貴花田、平成11年七月場所の出島、平成12年十一月場所の琴光喜。貴花田のときは13勝の曙が殊勲賞と敢闘賞、若花田が技能賞を受け、当時出羽海だった元佐田の山が「一人にこんなにやらなくても」ともらしたという。

関連記事

Q. 三賞とは何ですか?
本場所の千秋楽に発表される殊勲賞・敢闘賞・技能賞の3つの賞です。昭和22年秋場所に、協会と記者クラブが共同で考案しました。

スポンサーリンク

Q. 敢闘賞とはどんな賞ですか?
攻めの姿勢で土俵を沸かせた力士に贈られる賞です。三賞のなかでは受賞者の人数が最も多く、1場所に複数の力士が受けることもあります。

Q. 殊勲賞とはどんな賞ですか?
横綱や優勝力士を倒すなど、殊勲の相撲を取った力士に贈られます。近年は優勝者を倒した力士が受ける傾向が強くなっています。

Q. 技能賞とはどんな賞ですか?
技のさえた力士に贈られます。特定の力士に集中しやすく、該当者なしの場所も三賞のなかで最も多い賞です。

Q. 三賞を最も多く受賞した力士は?
安芸乃島の19回(殊勲7・敢闘8・技能4)です。次いで琴錦18回、魁皇15回。殊勲賞の最多は朝潮と魁皇の各10回、敢闘賞は貴闘力の10回、技能賞は鶴ヶ嶺の10回です。

Q. 横綱や大関も三賞をもらえますか?
いまは関脇以下の力士が対象です。制定当初は基準がはっきりせず、横綱・大関も候補になっていました。

ブログランキング

当サイトはブログランキングに参加しております。記事をよんでいただいたら、以下バナーをクリックいただくと、ランキングに反映されます、1日1クリックよろしくおねがいします
にほんブログ村 格闘技ブログ 相撲・大相撲へ
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

日本経済新聞で15年間記者を務め、日経HRの編集者を経て独立。現在は大相撲を専門に取材するフリーライター。ほぼ毎場所、自ら土俵際で撮影している。にほんブログ村 相撲・大相撲カテゴリでランキング1位。

目次