新大関貴景勝は伝達式を終え、記者会見を
済ませた。その後各番組に生出演して精力的
に応えた1日だった。大関の昇進というと
直前の3場所の勝ち数が取り上げられる傾向
がどうしてもある。もう一つの見方は相撲
内容の評価としての三賞受賞である。
そこで大関昇進をめぐる三賞記録を調べて
みた。対象は年間3場所が実施されて3場所
目の昭和24年秋場所以降誕生した吉葉山以降
とした。吉葉山から貴景勝まで69人の大関、
魁傑が2度大関に昇進しているので、昇進
直前3場所の三賞は70例に及んだ。
貴景勝は殊勲・敢闘-技能-技能と3場所
とも受賞している。このように直前3場所
すべて三賞を受賞した力士は25人に及んだ。
70例の38%である。それが以下である。簡単
なことではないことがわかる。
栃錦
柏戸
豊山
玉乃島
前乃山
貴ノ花(父)
大受
若三杉
魁傑(2回目)
増位山
千代の富士
北天佑
北尾
北勝海
旭富士
霧島
若ノ花(3代目)
雅山
朝青龍
琴欧州
日馬富士
豪栄道
高安
栃ノ心
貴景勝
大関直前3場所で三賞の最多受賞は豊山の
6回受賞である。殊勲・敢闘のダブル受賞を
3場所続けたわけである。この記録は長い間
破られなかったが、約10年半後大受が殊勲-
殊勲・技能-殊勲・敢闘・技能と6回タイと
並んだ。なお、栃ノ心が5回受賞と続いて
いる。
魁傑(2回目)は大関昇進直前の3場所を
すべて敢闘賞、増位山はすべて技能賞、豪栄
道はすべて殊勲賞を受賞している。また、
旭富士が技能-技能-敢闘・技能というカタ
チで3場所技能賞を受賞している。
大関昇進直前の3場所を殊勲、敢闘、技能と
3種類すべて受賞している力士が以下である。
大受
北天佑
北勝海
高安
栃ノ心
貴景勝
このうち高安は敢闘-殊勲-技能とダブル
受賞がないから、1場所ずつ違う三賞をそれ
ぞれ受賞している唯一の力士である。
大関昇進直前場所しか三賞を受賞していない
力士がいる。
大内山
松登
若ノ花(初代)
若羽黒
北葉山
佐田の山
三重ノ海
貴ノ浪
出島
琴光喜
もっとも三重ノ海は優勝と殊勲・技能を受賞
している。出島は優勝と殊勲・敢闘・技能
受賞と1場所に集約している。
もっと極端なのが、大関昇進直前場所で三賞
受賞がない力士がいるのである。
吉葉山
大鵬
北の富士
魁傑(1回目)
貴ノ花(子)
4力士は大関昇進2場所前か3場所前、ある
いは両方で三賞を受賞している。大鵬は大関
昇進直前場所で優勝しながら、三賞がなかっ
た。大鵬なら優勝しても不思議ではないほど
の逸材とみられていたのは確かである。
<大鵬>
さらにすごいのが、大関昇進直前3場所すべ
て三賞なしが2例ある。まず、鏡里である。
鏡里は大関直前3場所三賞なしで大関になっ
たわけである。次は朝汐である。もっとも
朝汐は直前の場所で優勝している。それでも
三賞受賞にはいたらなかった。朝汐はこの
とき2回目の優勝であった。関脇以下で優勝
しながら、三賞を受賞できなかったのは、
大鵬と朝汐のみである。現代なら考えられ
ない。
貴景勝は成績だけでなく、内容も評価されて
の大関昇進であったことが改めてわかる。
焼きおにぎりを久々に食べました。
興味深いテーマをこれからもお届けします。
マーク2カ所をクリックして支援して
ください。
よしなに
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
↑↑↑↑↑↑↑↑