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三賞の記録

平成30年九月場所は三賞が制定された昭和
22年秋場所から数えて記念すべき400場所目
にあたっていた。その記念すべき場所の三賞
で史上初の珍事がおきるとは、誰が想像でき
ただろうか。その珍事とは殊勲賞・敢闘賞・
技能賞すべてが該当者なしとなったことで
ある。これという決め手がなかったという
ことなのだろうが、まさかの結果であった。
1705風景 007
<三賞>

該当者なしは九月場所を含め、殊勲賞が59度
目、敢闘賞が14度目、技能賞が73度目であっ
た。平成21年には6場所連続殊勲賞該当者
なしを記録している。技能賞は平成6年九月
場所及び平成26年十一月場所から5場所連続
該当者なしがあった。
該当者なしは安易な妥協をなくし、三賞の
権威を高める効果がある。ある力士が技能賞
候補にあがったことがある。しかし、立ち
合いがずるいほどうまいということで、結局
該当者なしになった。九月場所の三賞すべて
該当者なしは、力士への発奮材料にしていた
だければと思う。
寺尾1
<寺尾>

逆に三賞受賞力士が最も多かったのは何人か。
一人もダブル受賞がなく、5人受賞したこと
が2度ある。それが以下である。
平成6年三月場所
殊勲賞 魁皇 敢闘賞 寺尾・貴闘力 
技能賞 小城錦・琴錦
平成10年五月場所
殊勲賞 小城錦・琴錦 敢闘賞 出島・若の里
技能賞 安芸乃島
一人で殊勲賞・敢闘賞・技能賞を同時に受賞
した力士はいるか。単独では2例ある。まず、
昭和48年七月場所の大受である。ほかの力士
がもう一つ決め手に欠け、大受の独占となっ
た。大受はこの場所後に大関に昇進している。
そしてその翌場所、昭和48年九月場所の大錦
である。大錦は新入幕であった。新入幕で
横綱・大関を倒したのだから驚異の新人で
あった。ただし、大錦はこれが最後の三賞
でもあった。
大受
<大受の記事>

ほかの力士とともに受賞しているが、殊勲賞・
敢闘賞・技能賞を同時に受賞した力士は3例
ある。まず、平成4年一月場所の貴花田で
ある。爆発的人気の貴花田が初優勝したもの
だから日本中がわいた。初優勝の勢いのまま
3賞すべて受賞となった。次が平成11年七月
場所の出島である。この場所関脇出島は横綱
曙に優勝決定戦で勝って初優勝した場所で
ある。最後が平成12年十一月場所の琴光喜で
ある。平幕下位ながら13勝2敗で横綱・大関
を倒しての受賞であった。
殊勲賞・敢闘賞・技能賞を同時に受賞力士は
トータル5人いたことになる。三賞の記録は
まだある。
(この項目続く)

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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