NHK大相撲中継の専属解説者は、舞の海秀平と琴風豪規の2人。ABEMAは第66代横綱の花田虎上が専属を務める。本場所の中継では専属に加えて、幕内の解説を親方が日替わりで担当する。2026年の一月場所と三月場所では、22人の親方が幕内の解説席に座った。うち7人は現役時代に三賞を8回以上受賞している。下の一覧で、顔ぶれと現役時代の四股名・最高位を確認できる。
※親方の現役名・最高位は日本相撲協会公式の年寄一覧で確認(2026年7月時点)。解説の担当は2026年一月場所・三月場所の中継記録による。
専属の解説者|NHK2人・ABEMA1人
協会に属さない立場で解説する人を専属解説者と呼ぶ。放送局と契約し、場所を通して解説席に座る。
| 解説者 | 現役時代 | 最高位 | 担当 |
|---|---|---|---|
| 舞の海秀平 | 舞の海 | 小結 | NHK専属(2000年〜) |
| 琴風豪規 | 琴風 | 大関 | NHK専属(2024年〜) |
| 花田虎上 | 3代目若乃花 | 横綱(第66代) | ABEMA専属(2025年五月場所〜) |
専属が置かれる理由は、話せることの幅にある。当ブログは2019年にこう書いた。
親方による解説は悪くはない。元稀勢の里、元寺尾の解説は好評である。しかし協会員ではどうしても発言に限界がある。
77歳になった相撲解説者
この記事では、当時の専属だった北の富士の後継候補として3代目若乃花の名前を挙げていた。その花田虎上が2025年五月場所からABEMAの専属解説者に就いている。
幕内の解説を務めた親方 22人|2026年一月場所・三月場所
| 親方(年寄名) | 現役時代の四股名 | 最高位 |
|---|---|---|
| 芝田山 | 大乃国 | 横綱(第62代) |
| 伊勢ヶ濱 | 照ノ富士 | 横綱(第73代) |
| 浅香山 | 魁皇 | 大関 |
| 玉ノ井 | 栃東 | 大関 |
| 湊川 | 貴景勝 | 大関 |
| 藤島 | 武双山 | 大関 |
| 春日野 | 栃乃和歌 | 関脇 |
| 西岩 | 若の里 | 関脇 |
| 中村 | 嘉風 | 関脇 |
| 押尾川 | 豪風 | 関脇 |
| 朝日山 | 琴錦 | 関脇 |
| 岩友 | 碧山 | 関脇 |
| 振分 | 妙義龍 | 関脇 |
| 荒磯 | 琴勇輝 | 関脇 |
| 君ヶ濱 | 隠岐の海 | 関脇 |
| 春日山 | 勢 | 関脇 |
| 立浪 | 旭豊 | 小結 |
| 稲川 | 普天王 | 小結 |
| 北陣 | 遠藤 | 小結 |
| 境川 | 両国 | 小結 |
| 常盤山 | 隆三杉 | 小結 |
| 錦島 | 千代鳳 | 小結 |
年寄名は代替わりする。いまの荒磯は元琴勇輝だが、2021年当時の荒磯は元稀勢の里だった。間垣も鳴戸も井筒も同じように中身が入れ替わっている。名前だけで人物を追うと取り違えるので、この表は現役時代の四股名を併記した。全105人の年寄名跡は相撲の親方一覧にまとめている。
解説席に並ぶ三賞の常連
22人のうち7人は、現役時代に三賞を通算8回以上受賞している。浅香山(魁皇)15回、朝日山(琴錦)18回、藤島(武双山)13回、玉ノ井(栃東)12回、中村(嘉風)10回、西岩(若の里)10回、伊勢ヶ濱(照ノ富士)9回。琴錦の18回と魁皇の15回は、歴代でも2位と3位にあたる。
三賞は横綱・大関ではなく関脇以下に贈られる賞である。上位と当たりながら星を挙げ続けた力士が、いま土俵の外から取組を読んでいることになる。受賞回数の全一覧は三賞獲得回数ランキング|歴代50人に置いた。
名解説と呼ばれた人たち
解説の原点は神風正一だった。昭和24年一月場所、NHKの「街頭録音」に出演したときの話しぶりをアナウンサーが買い、昭和27年にゲスト、昭和28年に正式契約となった。四国出身で讃岐弁と関西なまりを気にしていて、「…ね」が多いと指摘されると放送席に「ね」と書いてぺけ印をつけたという。
神風さんの解説は明解であった。わかりやすい解説と滑らかな舌の回転で聞きやすい声だった。大相撲を視聴者に広く知らしめた功績者であった。名調子で、打てば響くというのが、神風さんの解説だった。技術論は天下一品であった。さしたら腕(かいな)を返す、もろ手突きはいけない、右でも左でも四つで取る力士をなまくら四つといって戒めた。
名解説者!神風
その神風が解説者に推したのが玉の海梅吉である。玉の海はことばで場を動かした。横綱玉の海が安定し、横綱北の富士に波があった時期には「これでは北玉時代ではなく、玉玉時代ではないか」と言い、「安念山はなかなか大関になれませんね」と振られると「これじゃ、安念山ではなく、残念山ですなあ」と返した。
玉の海の解説は土俵の心を大相撲ファンに伝えたことである。土俵には、地位も名誉も人間の欲望を満たすあらゆるものが埋まっているという教えがあった。土俵はそういうものを求める場ではない。土俵の中は赤土だけである。
なつかしく思える神風・玉の海の解説
平成10年、高砂一門の理事予備選で推されなかった北の富士が突然協会を退職する。NHKの動きは速く、専属解説者として迎え入れた。境川(元佐田の山)が「なにも辞めなくても」と惜しんだ人が、そのまま四半世紀の解説者人生に入っていった。
言語明瞭で聞きやすい語り口だった。きびしくも暖かく力士を評した。ときにはユーモアをまじえるユニークさがあった。自分の昔話を話すこともあり、知られざる北の富士に触れることがあった。
永眠北の富士 その力士・親方・解説者の一生 5
北の富士が解説席から姿を消したのは2023年三月場所からだった。2024年七月場所の初日にVTRで登場したのが最後になり、十一月場所中に訃報が届いた。追悼は永眠北の富士 その力士・親方・解説者の一生の全5回に書いている。
大相撲中継はどう変わってきたか
大相撲をテレビで見る形が始まったのは昭和28年である。NHKが実験放送を始めたとき、受信契約者は886人しかいなかった。その後、日本テレビ・TBS・フジ・NETを加えた5局が同時に中継する時代があり、協会が放送料の値上げを求めたことで民放が撤退、昭和41年三月場所からNHK1局の体制になった。詳しくはテレビ中継様々へ。
大相撲を見る方は大多数テレビである。それだけに大相撲中継の内容、特に解説者は大切になる。相撲理念、相撲哲学をもっている方は興味深い。あるいは体験した者でなければわからないことを伝えるのもいい。大相撲中継の楽しみは、解説者によるところが大きい。
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Q. NHKの大相撲解説者は誰ですか?
専属解説者は舞の海秀平と琴風豪規の2人です。これに加えて、幕内の解説は親方が日替わりで担当します。2026年の一月場所・三月場所では22人の親方が幕内の解説を務めました。
Q. 今日の解説は誰ですか?
その日の担当は場所ごと・日ごとに変わります。このページには特定の日ではなく、2026年一月場所・三月場所で解説を務めた親方の顔ぶれをまとめています。
Q. ABEMAの大相撲の解説者は?
専属は第66代横綱の花田虎上(現役時代は3代目若乃花)で、2025年五月場所から務めています。
Q. 専属解説者と親方の解説は何が違いますか?
専属は協会に属さない立場で話します。協会員である親方は、立場上どうしても発言に限界が出ます。
Q. 歴代の名解説者は?
解説の原点とされるのが神風正一、ことばで土俵の心を伝えたのが玉の海梅吉、平成10年から四半世紀にわたって解説席に座ったのが第52代横綱の北の富士勝昭です。
出典:親方の年寄名・現役時代の四股名・最高位=日本相撲協会公式の年寄一覧(2026年7月確認)。幕内解説の担当=2026年一月場所・三月場所の中継記録。花田虎上のABEMA専属就任=AbemaTV発表(2025年5月)。神風・玉の海・北の富士に関する記述=当ブログの過去記事。