大相撲の取組はテレビ放送をしているNHK
を通して観戦できる。相撲ファンはテレビを
通してご覧になる方のほうが圧倒的に多い
のは当然である。五月場所は総合テレビ放送
開始(=BS放送終了)が急遽変更になった
ことが複数あり、留守録画しているファン
泣かせとなった。三月場所は高校野球が雨で
中止になり、やはり放送時間が変更になった
ことがあった。
このへんはNHKならではである。ビッグ
ニュースがあればどうなるか予測がつかない。
かつて三原山噴火、阪神淡路大震災などが
あった。NHKの放送時間はあてにならない
と思って、留守録画に取り組まなければ失敗
する。もっともBS4Kなら13時から終了
まで放送される。ただ、画面が暗いという
見方がある。
その大相撲は昭和28年、NHKの実験放送
として開始された。昭和28年は年4場所が
開始された年であり、横綱に千代ノ山、東
富士、照國(引退)、羽黒山、大関に鏡里、
吉葉山、栃錦がいた時代である。受信契約者
は886人であった。もちろん白黒放送であっ
た。大卒の初任給が8000円から9000円に対
してテレビ14インチは17万円、17インチは
23万円もした。人々は街頭テレビに大勢群が
った。
NHKは5月の夏場所から本放送を開始した。
そして日本テレビは秋場所から放送を開始
した。さらにTBSが昭和30年夏場所から、
フジテレビが昭和34年一月場所から、NET
(現テレビ朝日)が昭和34年三月場所から
放送が始まった。五局放送という現代では
考えられないテレビ放送花盛りの時代であっ
た。当然ながら民法は放送時間の延長はでき
ない。ここが泣き所であった。
その後協会が放送料を値上げし、次々に民法
が撤退していった。TBSが昭和41一月場所
限りで、そして日本テレビも続いた。現在の
NHK一局放送となったのは昭和41年三月
場所からであった。
本場所が開催されたにもかかわらずNHKが
大相撲放送をしなかったことが2回ある。
最初は2010年、暴力団がらみの野球賭博後の
七月場所である。ハイライト放送しかなかっ
た。6割以上が実況放送反対という世論だが、
毎場所欠かさず見ている方はこの中にどれ
くらいいるのか疑問であった。大相撲なんて
どうでもいい人の意見は参考数字になるのか。
実況はなし、ハイライトのみだが、世論で
決めるなら、当分実況放送はないという理屈
になる。それが当時の感想だった。
もう一度は八百長発覚を受けての2011年5月
を技量審査場所として無料開催した時である。
NHKは本場所でないとして放映をしない
ことを決定した。しかし、協会はすべての
記録を公式扱いするという。いったいNHK
は何をもって本場所と定義しているのか。
初日は北の富士、舞の海の両解説者も来て
いた。NHKテレビカメラは取組を記録して
いた。
様々な経緯とともに現在の大相撲中継がある。
大相撲観戦は今後も国会中継や高校野球など、
さらに新型コロナウイルスに振り回されなが
ら、テレビとともにある。
ノートパソコンをもたなくなって久しい。
興味深いテーマをこれからもお届けします。