新弟子検査は、力士になるために日本相撲協会が本場所の前に行う検査で、年6回ある。受けられるのは義務教育を終えた健康な男子で、基準は身長167cm以上・体重67kg以上(三月場所の中学校卒業見込者は165cm・65kg以上)、年齢は満23歳未満(条件を満たせば満25歳未満)。体格の基準に届かない人も、新弟子運動能力検査で運動能力が十分と認められれば受けられる(協会「力士になるには」・令和6年9月26日現在の基準・2026年9月27日確認)。
2026年の合格者は、協会の「新弟子検査合格者一覧」を当サイトが数えると一月場所8人・三月場所20人・五月場所11人・七月場所5人・九月場所4人の計48人(うち5人は幕下か三段目の最下位格付出)。いちばん多いのは三月場所で、三月場所にだけ中学校卒業見込者の基準がある。
新弟子検査の基準|身長・体重・年齢・学歴
日本相撲協会の「力士になるには」に書かれている基準を表にした。身長と体重は令和6年9月26日現在の基準で、2026年9月27日に協会のページで確かめた。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 学歴・性別 | 義務教育を修了した 健康な男子 |
| 身長 | 167cm以上 |
| 体重 | 67kg以上 |
| 三月場所の 中学校卒業見込者 | 身長165cm以上 体重65kg以上 |
| 年齢(一般) | 満23歳未満 |
| 年齢(条件つき) | 満25歳未満 |
| 体格の基準に 届かないとき | 新弟子運動能力検査 を受ける |
体格の基準に届かない人は、新弟子運動能力検査を受ける。その運動能力が十分だと認められれば、新弟子検査を受けられる(協会)。
満25歳未満まで受けられるのは、協会が指定する社会人や大学のアマチュア大会で一定の成績を残した人、各競技で高校以上の全国大会に出た経験がある人、新弟子運動能力検査に合格した人である(協会)。協会の事業報告書を見ると、理事会の決議事項に「各競技経験者の年齢制限緩和承認の件」が載っていて、2025年は1月30日・2月21日・5月29日の3回だった(令和7年度 事業報告書)。
23歳を過ぎてから実績のある者の特例で新弟子検査を受けた例には、元公務員の一山本がいる(「一山本は元公務員」)。
受けるには、入りたい部屋の師匠(親方)を通じて、協会に力士検査届を出す。協会が指定する医師の健康診断と新弟子検査に合格して登録されると、はじめて力士として認められる(協会)。身長の基準と今の関取の身長の比べ方は「力士の身長一覧 2026」にある。
いつ受けるのか|本場所の前に年6回
協会の説明は「本場所前に行われている新弟子検査」で(力士になるには)、申し込みは各相撲部屋を通して行う。協会の事業報告書では、新弟子検査を本場所ごとに行った回数が2018年6回・2019年6回・2020年5回・2021年6回・2022年6回・2023年6回・2024年6回・2025年6回になっている。
何人合格するのか|2026年は5場所で48人
協会の「新弟子検査合格者一覧」は、その場所の合格者を氏名・部屋・出身地つきで載せ、次の場所の分が出ると中身が入れ替わる。過ぎた場所の分はインターネットアーカイブの保存版で数えた。このページには人数だけを載せ、合格者の名前は載せていない。
| 場所 | 合格者 | うち付出 |
|---|---|---|
| 一月場所 | 8人 | — |
| 三月場所 | 20人 | 2人 |
| 五月場所 | 11人 | 2人 |
| 七月場所 | 5人 | 1人 |
| 九月場所 | 4人 | — |
| 計 | 48人 | 5人 |
付出の5人は、三月場所2人・五月場所2人・七月場所1人。田口は、初土俵は前相撲のこともあれば、三段目や幕下の格に付け出されることもあると書いている(田口「初土俵番付あれこれ」・2019年1月3日)。
1年の合計は、協会の事業報告書に載っている。2018〜2025年の8年で、新たに登録した力士がいちばん多かったのは2022年の78人、いちばん少なかったのは2023年の45人(当サイトが報告書の数を並べた)。新たに登録した力士が引退した力士を上回ったのは、2018年・2020年・2025年だった。
田口も2025年の入門者と引退者を場所ごとに数え、「入門者数が引退者数を上回ったのである。近年では珍しい。」と書いている(「2025年の引退力士一覧」)。
三月場所がいちばん多い|田口のいう「就職場所」
田口は「人口減少が相撲界に与える影響」(2023年4月27日)で「三月場所は就職場所ともいわれ、多くの新弟子が入門してくる。」と書いた。協会の基準でも、三月場所だけは中学校卒業見込者の身長・体重の基準が別に決められている。
| 年 | 三月場所 | 数えたもの |
|---|---|---|
| 2019年 | 40人 | 田口 |
| 2020年 | 45人 | 田口 |
| 2021年 | 35人 | 田口 |
| 2022年 | 37人 | 田口 |
| 2023年 | 33人 | 田口 |
| 2024年 | 27人 | 田口・協会の一覧 |
| 2025年 | 34人 | 田口・協会の一覧 |
| 2026年 | 20人 | 協会の一覧 |
反対に、新弟子の少ない場所もある。2024年九月場所は、協会の合格者一覧(2024年9月26日の保存版)に載ったのが幕下最下位格付出の1人だけだった。田口はこの場所、通常は中日に行われる新序出世披露が無かったと書き、「それがなかったことは、新弟子ゼロを意味していた。」と続けている(田口「九月場所の異変」・2024年9月26日)。
合格したあと|前相撲・新序出世披露と相撲教習所の6か月
新弟子検査に合格して登録された力士は、相撲教習所に通う。協会は相撲教習所を「新たに相撲協会に登録された力士を六ヶ月間指導教育する施設」と説明していて(協会の使命・組織)、事業報告書にも新規登録力士を6か月間教習すると書いている。教習所で何を学ぶかは「相撲教習所とは」にある。
付出でない新弟子は、前相撲で初土俵を踏む。田口は三月場所について「通常なら一番出世と二番出世と2回新序出世披露が行われる。」と書いている(田口「2021年入門者数と引退者数」・2021年12月3日)。同じ記事には「なお、外国人の入門者はビザの関係で翌場所土俵に上がれないケースが多い。」ともある。

のちの関取も、ここから始まっている。田口は、のちの貴景勝と阿炎の新序出世披露の写真も残している。


体格の基準に届かない人の検査|2001〜2012年の第二検査と、2023年度からの運動能力の検査
体格の基準に届かない人のための検査は、以前にもあった。田口は2020年の記事で、豊ノ島について「新弟子検査では体格が足りず、運動能力の第二検査で合格した。」と書き、「なお、第二検査は2001年から2012年まで実施されたが、現在は行われていない。」と添えている(田口「豊ノ島の相撲人生1」・2020年4月18日)。
協会の事業報告書を年ごとに見ると、2018〜2022年の「新弟子検査基準」の欄は、身長167cm・体重67kg以上と三月場所の中学校卒業見込者の例外だけで、基準に満たない者の検査は書かれていない。令和5年度(2023年)の報告書から、基準に満たない者は「新弟子二次検査」を受け、運動能力が十分であることが要る、という一文が加わった。令和6・7年度は、同じ検査を「新弟子運動能力検査」と呼んでいる(令和4年度・令和5年度・令和7年度)。
令和7年度の報告書は、年齢の基準を「新弟子検査当日に満23歳未満の男子であること。」と書き、その年齢を超える人で附出しの基準や年齢制限の緩和の基準を満たさない人も、運動能力の検査を受けるとしている。いまの協会の「力士になるには」の基準(令和6年9月26日現在)も、運動能力検査に合格した人を満25歳未満の対象に入れている。
新弟子検査についてよくある質問
Q. 新弟子検査の基準は?
A. 身長167cm以上・体重67kg以上(三月場所の中学校卒業見込者は165cm・65kg以上)で、年齢は満23歳未満、義務教育を修了した健康な男子です(協会「力士になるには」・令和6年9月26日現在の基準・2026年9月27日確認)。
Q. 身長や体重が足りなくても受けられますか?
A. 新弟子運動能力検査を受け、運動能力が十分だと認められれば、新弟子検査を受けられます(協会)。協会の事業報告書では、令和5年度(2023年)からこの検査が書かれています。
Q. 何歳まで受けられますか?
A. 一般は満23歳未満です。協会が指定する社会人・大学の大会で一定の成績を残した人、各競技で高校以上の全国大会に出た人、新弟子運動能力検査に合格した人は、満25歳未満まで受けられます(協会)。
Q. 新弟子検査はいつ行われますか?
A. 本場所の前に、場所ごとに行われます(協会)。協会の事業報告書では、2025年は年6回でした。
Q. 毎場所何人くらい合格しますか?
A. 2026年は一月場所8人・三月場所20人・五月場所11人・七月場所5人・九月場所4人の計48人で、三月場所の20人がいちばん多い(協会の合格者一覧を当サイトが数えた・2026年9月27日時点)。1年で新たに登録した力士は、2025年が65人でした(協会の事業報告書)。
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