土俵とは|6.7メートル四方・高さ60センチ、毎場所つくり直す。土俵祭(どひょうまつり)で何をしているか【協会公式の寸法】

土俵は一辺6.7メートル四方、高さ60センチ。特殊な粘土でつくり、表面は薄い砂で覆う。勝負が決まる内円は直径4.55メートルを少し超える。毎場所、表土20センチを取り除いて新しい土を入れ、ならし直す形で部分的につくり直す。初日の前日には土俵祭(どひょうまつり)が行われる。日取りは当サイトの田口が毎場所「初日前日」として書き残しているもので、内容は協会の案内による。立行司が祭主となって祝詞を奏上し、土俵の中央に開けた穴へ塩や昆布、するめなどの縁起物を沈めて、場所中の安全と興行の成功、国家の安泰、五穀豊穣を祈る。

出典: 寸法とつくり直しは日本相撲協会の英語版パンフレット『SUMO』(PDF)、土俵祭の中身は協会が場所ごとに出す「土俵祭」のご案内(協会からのお知らせ)。いずれも2026年9月17日確認。

目次

土俵の寸法|6.7メートル四方・高さ60センチ・内円は4.55メートル少し超

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土俵という名は、各部を区切っている藁の俵から来ている。その俵は、大部分が土の中に固く埋められている。日本相撲協会が英語版の資料で公表している数値を並べると、次のようになる。協会が書いていない項目は載せていない。

項目協会の公表値補足
一辺6.7メートル四方土俵の台そのものの大きさ
高さ60センチ土俵の外は60センチ下になる
勝負が決まる内円直径4.55メートルを少し超える取組はこの円の中に限られる
特殊な粘土固めた表面を薄い砂の層で覆う
藁の俵で各部を区切る俵は大部分が土に埋められている
つくり直し毎場所部分的につくり直す表土20センチを取り、新しい土を入れてならす
吊り屋根天井からケーブルで吊る神社の屋根を模した形
四隅の房4つ四季を表す
日本相撲協会の英語版パンフレット『SUMO』(sumo_introduction.pdf・2026年9月17日取得、HTTP200)より。房の色と俵の本数はこの資料に記載が無いので載せていない

負けの決まり方もこの寸法と結びついている。内円の外へ出されるか、土俵の中で投げられれば負け。膝でも指先でも、髷が土につけばその時点で負けになる。足の指1本、かかとが俵を越えただけでも同じ。土俵の四方には黒紋付の審判5人が座り、行司の判定に疑いがあれば土俵へ上がって話し合う。人数は取組の格に関わらず5人で変わらない。

土俵祭とは|立行司が祭主、土俵の中央に縁起物を埋める

読み方は「どひょうまつり」。協会の表記は「土俵祭」で振り仮名は付いておらず、当サイトの田口は記事で「土俵祭り」と送り仮名を付けて書いている。場所ごとに協会が出す案内には「土俵祭とは?」という節があり、そこに何をする行事なのかが書かれている。

項目協会の説明
祭主立行司が祭主となる
すること祝詞を奏上し、供物を捧げる
祈ること場所中の安全と興行の成功、国家の安泰、五穀豊穣
土俵に埋めるもの土俵の中央に穴を開け、塩、昆布、するめ、勝栗、洗米、かやの実などの縁起物を沈める
出席者理事長、審判部の親方衆、全行司、溜会幹部、協会関係者
力士案内には「力士は出席いたしません」とある
日本相撲協会「大相撲九月場所『土俵祭』のご案内」(/IrohaKyokaiInformation/detail?id=761・2026年9月17日取得、HTTP200)より。協会のお知らせは場所ごとに差し替わり、前場所ぶんの個別URLは同日の時点でトップページへ転送された。最新の回は協会からのお知らせから探せる

五穀豊穣という言葉がここで出てくるのは、行事の来歴と地続きになっている。協会の相撲の歴史は、相撲を「その年の農作物の収穫を占う祭りの儀式として、毎年行われてきた」ものと説明している。取組を始める前に土俵へ塩をまく所作も同じ流れの中にある。

両国国技館の本土俵で行われた土俵祭(2023年9月9日)
土俵祭|2023年9月9日、両国国技館。田口が記事「初日前日」(40631)に載せた1枚。この日は入場が9時30分、田口は「予定は9時半から55分までだったが、実際は9時56分から始まった。おごそかにおこなわれた」と書いている。
写真:田口 通廣(撮影)

土俵祭は誰でも見られるのか|田口が書き残した10年

ここがいちばん誤解されやすい。土俵祭そのものは毎場所必ず行われる。変わってきたのは、一般の人が入れるかどうかのほうだ。当サイトの田口は初日前日の国技館にほぼ毎回足を運び、そのつど見たままを書いてきた。日付順に並べると、公開のあり方が動いてきたことがわかる。

日付記事田口の記述
2015年9月12日17552「土俵祭りはおごそかに静粛におこなわれた。おこなわれる内容は変わらないが、とにかく騒がしさは禁物である」
2020年1月11日19042「土俵祭りは三役以上の力士は出席する」。三役でなかった御嶽海は出席できず、エントランスで待機していた
2021年12月30日32427「土俵祭り・優勝額授与式の公開はなく」(その年の振り返りとして)
2022年12月4日37609「前夜祭、土俵祭などまだまだのモノもある」
2023年5月13日39408「土俵祭りは一般の方を入れての開催はまだない」
2023年9月9日40631「ようやく協会のホームページのお知らせによって公開でおこなわれることが明示された。ただし、三役以上の力士の参加はないとのことだった」
2025年5月10日47664「土俵祭りもあるが、今は三役以上の力士は参加しない。コロナウイルスのときなくなったが、それが今も続いている」
当サイトの記事本文からの引用。日付は各記事の公開日(2026年9月17日に本番の記事データベースを検索して抽出)。田口の観察であって、協会の公式見解ではない

2026年9月の案内には「力士は出席いたしません」と書かれている(2026年9月17日確認)。田口が2025年5月に書いた線と、その点では合っている。見に行くつもりなら、開催日・入場できる時間・公開かどうかを毎場所、協会のお知らせで確かめてほしい。このページに具体的な日時を書かないのは、協会のお知らせが場所ごとに差し替わって過去のURLが開けなくなり、出典として残せないからである。

2018年5月12日の土俵祭に出席した貴乃花親方
貴乃花親方(2018年5月12日の土俵祭)。協会の案内にあるとおり、出席するのは親方衆と行司、協会関係者である。
2010年9月11日、土俵祭と優勝額授与式の日の大山親方(元大飛)
大山親方(元大飛)(2010年9月11日)。土俵祭と同じ日に優勝額の授与式が行われることが多い。

写真:田口 通廣(撮影)。撮影日はファイル名の日付による。

土俵は毎場所つくり直す|表土20センチを入れ替えて部分的に築き直す

同じ土俵をそのまま使い続けるわけではない。協会の資料には、土俵は場所ごとに部分的につくり直され、表土20センチを取り除いて新しい土を入れ、表面をならす、と書かれている。台をまるごと壊して建て直すのではなく、15日間で何番もの取組を受け止めた表面の土を入れ替える、という書き方である。土俵祭で中央に穴を開けて縁起物を埋めるのも、その土に対して行う。

誰がどれだけの日数をかけて築くのかは、ここでは書かない。協会が公表している資料で確かめられるのは「毎場所、部分的につくり直す」「表土20センチを入れ替えてならす」までで、作業の担い手や工程の内訳はその資料に出てこない。裏の取れていない話を足せば、ここに並べた数値ごと疑わしくなる。

その土俵の上に、神社の屋根をかたどった吊り屋根が天井からケーブルで下がる。四隅から垂れる4つの大きな房が四季を表す。チケットが売り切れた日には、この屋根まわりに満員御礼の垂れ幕が下がり、力士や相撲関係者、報道陣に大入袋が配られる。両国国技館そのものの造りと見学のしかたは両国国技館ガイドにまとめてある。

高さ60センチの外側|土俵下への転落を田口はどう見ているか

「土俵 高さ 危ない」と検索する人がいる。協会の資料に書かれているのは60センチという数値だけで、危険についての記述は無い。ただ、土俵の外は60センチ下の平らな床である。その四方には審判が座っている。押し出された力士が、そのまま落ちる。

2024年11月場所6日目、御嶽海が土俵下へ転落して動けなくなり、担架で運ばれた。田口はこの一番を会場で見て、記事「土俵下転落ケガ防止は急務」(45058・2024年11月15日)にこう書いている。「土俵下の転落事故は下位の取組ではしばし目にする。こう何度も起きて対策をしないというのはおかしい」「これ以上土俵下の転落で救急車を呼ばない対策が急務である」。プロレスが四方にマットを敷いていることを引き合いに出し、マットで足を取られるというなら畳でもいい、とも書いた。

これは田口個人の見方である。協会がこの件で何かの対策を取ったかどうかは、このページで使った一次資料では確かめられなかったので、書いていない。

土俵と土俵祭についてよくある質問

Q. 「土俵祭」の読み方は?
「どひょうまつり」です。協会は「土俵祭」と書いていて振り仮名は付けておらず、当サイトの田口は記事で「土俵祭り」と送り仮名を付けています。

Q. 土俵祭では何をするのですか?
立行司が祭主となって祝詞を奏上し、供物を捧げます。土俵の中央に穴を開け、塩、昆布、するめ、勝栗、洗米、かやの実などの縁起物を沈めて、場所中の安全と興行の成功、国家の安泰、五穀豊穣を祈ります(協会の案内・2026年9月17日確認)。

Q. 土俵祭に力士は出ますか?
2026年9月の協会の案内には「力士は出席いたしません」とあります。出席するのは理事長、審判部の親方衆、全行司、溜会幹部、協会関係者です。以前は三役以上の力士が出席していた時期があり、田口は2020年1月の記事にそう書いています。

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Q. 土俵祭は見学できますか?
公開されるかどうかは場所によって変わります。コロナ禍では一般の入場がありませんでしたが、田口は2023年9月に公開で行われた回を見ています。開催日と入場できる時間は協会のお知らせで毎場所確かめてください。このページには日時を載せていません。

Q. 土俵の高さは何センチですか?
60センチです。一辺は6.7メートル四方(協会の英語版パンフレット『SUMO』・2026年9月17日取得)。

Q. 勝負が決まる円の大きさは?
直径4.55メートルを少し超える内円です。取組はこの円の中に限られます。

Q. 土俵は誰がどうやって作るのですか?
協会の資料で確かめられるのは、毎場所そのつど部分的につくり直すこと、表土20センチを取り除いて新しい土を入れ、ならすことまでです。作業の担い手や日数はその資料に書かれていないので、ここでは書きません。

Q. 吊り屋根の四隅の房は何を表していますか?
四季です。吊り屋根は神社の屋根を模した形で、天井からケーブルで吊られています。

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この記事を書いた人

少年漫画雑誌、日経関連の編集者を経て独立。現在は大相撲を専門に取材するライター。ほぼ毎場所、自ら土俵際で撮影している。にほんブログ村 相撲・大相撲カテゴリでランキング1位。

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