いまある相撲部屋の系統を、一門ごとに図でたどる田口 通廣の連載の1回目で、この回は出羽海一門の系統図を載せている(2026年2月)。元舛田山が興した千賀ノ浦部屋は常盤山部屋を経て元貴景勝の湊川部屋になった。2026年2月の時点で二所ノ関一門だが、ルーツは出羽海一門である。
ほかの一門の系統図は下の連載の一覧(全15回)から、全45部屋を一門別に並べた一覧は相撲部屋 一門 相関図から見られる。
出羽海一門の系統図(いまある部屋・2026年2月)
2026年2月の時点で、相撲部屋は45ある。田口は、いまある部屋でみた出羽海一門の系統図をこの回に載せた。2026年9月27日に確認した協会の相撲部屋一覧に載っているのも45部屋である(当サイトが数えた)。

湊川部屋のルーツ|千賀ノ浦部屋から常盤山部屋、湊川部屋へ
田口が書いた2026年2月の時点で、三月場所前に定年を迎える元隆三杉の常盤山部屋は、すでに弟子の元貴景勝が継承し、湊川部屋に改称していた。この部屋は、元舛田山の千賀ノ浦が春日野(元栃乃和歌)部屋から独立した部屋である。
元舛田山の千賀ノ浦の定年にともない、後継者に行き詰まった。出羽海一門に後継者がいなかったため、やむなく一門外の元隆三杉が継ぐことになった。

新たな千賀ノ浦部屋は、貴乃花一門としてスタートした。貴乃花親方が突然協会を離職すると、千賀ノ浦は貴乃花の弟子の貴景勝・貴健斗などを託された。
貴乃花一門の消滅で、部屋は2026年2月の時点で二所ノ関一門に戻っている。2020年11月に常盤山部屋に名を改めたが、部屋のルーツは出羽海一門である、と田口は書いている。
2026年9月27日に確認した協会の年寄一覧では、湊川(元大関貴景勝)が湊川部屋の師匠で、常盤山(元小結隆三杉)も湊川部屋に所属している。所属力士は湊川部屋の力士一覧にある。
※貴乃花親方の離職の時期を、この回の原稿は「2019年9月」と書いている。田口の2023年3月の記事では、2018年七月場所後の一門をめぐる規則を受けて、九月場所後に離職会見を開いたとしている(藤島部屋の歴史)。
九重部屋の破門独立|分家を許さない出羽海部屋から
出羽海部屋には、元両国(前名国岩)の代から元出羽ノ花の代まで、分家独立を許さないという不文律があった。そんななか、横綱佐田の山が元出羽ノ花の市川家に婿入りした。
これで次の出羽海は佐田の山で決定的になり、元千代の山の九重の立場はなくなった。九重は独立を決心し、その旨を秀ノ山(元笠置山)に伝えた。九重が頼りとしたのは、同郷の大関北の富士だった。
親が反対する者3人を除いて、独立は許された。ただし、出羽海一門から外すという破門独立だった。部屋付きの親方のなかには強硬意見もあったが、出羽海は採用しなかった。
出羽海が破門独立を認めた理由(田口の見立て)
- お家騒動になっては相撲人気に大変なマイナスであること
- 認められなければ、九重は力士を連れて脱退する覚悟であったこと
- そうなれば協会裁定で出羽海・九重の両者に謹慎の可能性が出て、醜態を世間にさらしてしまうこと
- 北の富士らの決意は固く、最悪、髷を切る覚悟であったこと
- 新聞に九重とともに行動する力士の名前が出てしまい、出羽海部屋に居づらい流れが出てきたこと
- 将来、佐田の山が出羽海を継ぐにあたり、不満分子を一掃できること
田口は、知恵者出羽海ならではの決断だったと書いている。

独立直後、北の富士は劇的な初優勝を達成した。大鵬が6連覇していた直後だった。燃える要素があるときの北の富士は強く、このときがその始まりだった、と田口は見ている。
連載「現代相撲部屋の系統」全15回
いまある部屋を一門・系統ごとにたどる連載で、田口が2026年2月から4月に書いた。
- 現代相撲部屋の系統1(本稿) 出羽海一門の系統図と、九重部屋の破門独立
- 現代相撲部屋の系統2 出羽海部屋の代々と分家(春日野・玉ノ井・雷ほか)
- 現代相撲部屋の系統3 高砂部屋の系統(初代高砂浦五郎から)
- 現代相撲部屋の系統4 高砂部屋の分家(井筒・高田川・錦戸)
- 現代相撲部屋の系統5 二所ノ関の系統(玉錦・玉ノ海・佐賀ノ花)
- 現代相撲部屋の系統6 本家二所ノ関部屋の後継争いと消滅
- 現代相撲部屋の系統7 本家二所ノ関からの分家(佐渡ヶ嶽・片男波・大嶽)
- 現代相撲部屋の系統8 佐渡ヶ嶽部屋から独立した部屋
- 現代相撲部屋の系統9 大鵬部屋から大嶽部屋へ、ほか
- 現代相撲部屋の系統10 本家二所ノ関系の分家(押尾川・放駒・松ヶ根ほか)
- 現代相撲部屋の系統11 三保ヶ関部屋とその分家
- 現代相撲部屋の系統12 立浪部屋の系統(緑嶋・双葉山・羽黒山)
- 現代相撲部屋の系統13 立浪部屋の継承(元旭豊)と時津風部屋の成り立ち
- 現代相撲部屋の系統14 時津風部屋(元豊山から元双津竜・時津海へ)
- 現代相撲部屋の系統15 元時津海の退職と、時津風・立浪の分家
相撲部屋の系統についてよくある質問
Q. 相撲部屋の系統図はどこで見られますか?
この連載で、いまある部屋からみた一門ごとの系統を回ごとに載せています。この回は出羽海一門の系統図です(2026年2月)。全45部屋を一門別に並べた一覧は、当サイトの相撲部屋の一門相関図のページにあります。
Q. 湊川部屋のルーツは?
元舛田山が春日野部屋から独立して興した千賀ノ浦部屋です。元隆三杉が継いで2020年11月に常盤山部屋と名を改め、元貴景勝が継いで湊川部屋になりました。2026年2月の時点で二所ノ関一門ですが、ルーツは出羽海一門だと田口は書いています。
Q. 九重部屋はなぜ出羽海一門を破門されたのですか?
出羽海部屋には分家独立を許さない不文律があり、佐田の山が次の出羽海に決まって、元千代の山の九重が独立を決めたためです。親が反対する者3人を除いて独立は許されましたが、出羽海一門から外す破門独立でした。
Q. 相撲部屋はいくつありますか?
田口が書いた2026年2月の時点で45部屋です。2026年9月27日に確認した協会の相撲部屋一覧に載っているのも45部屋です(当サイトが数えた)。
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