大相撲の金星ランキング|歴代最多は安芸乃島16個、金星1個は1場所4万円

金星(きんぼし)とは、平幕(前頭)の力士が横綱に勝ったときにつく白星のこと。1個あげると力士褒賞金の支給標準額(持ち給金)が10円上がり、4000倍の4万円が1場所ごとに加算される。歴代でいちばん多いのは安芸乃島の16個である。

※褒賞金の加算は相撲記者・田口 通廣「大相撲マネー事情」「大相撲マネー新事情」、金星の条件は田口の記事、歴代の数は相撲レファレンスの力士データ(2026年9月27日確認。Wikipedia「金星(相撲)」の2026年1月場所時点の一覧とも一致)による。

平幕の力士が横綱を土俵に沈めると、場内には座布団が舞う。この一番でついた白星が金星である。番付の下の者が最高位を倒したという事実は、その力士の給金にまで残り続ける。

目次

歴代金星ランキング|最多は安芸乃島の16個

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歴代で最も多くの金星をあげたのは、関脇として鳴らした安芸乃島の16個。高見山と栃乃洋が12個で並び、土佐ノ海の11個が続く。10個には5人が並ぶ。

順位力士金星
1位安芸乃島16個
2位高見山12個
2位栃乃洋12個
4位土佐ノ海11個
5位北の洋10個
5位出羽錦10個
5位鶴ヶ嶺10個
5位安念山10個
5位巨砲10個
歴代の金星獲得数の上位(出典:相撲レファレンスの力士データ・2026年9月27日確認。Wikipedia「金星(相撲)」の2026年1月場所時点の一覧とも一致)

上位に並ぶのは、平幕と三役で横綱と戦い続けた力士ばかりである。金星の数は、上位陣をどれだけ倒したかの記録でもある。

田口は2018年の記事で、安芸乃島を「金星16個、三賞19回受賞、ともに史上1位の記録保持者である」と書いている(関脇以下の優勝力士キラー8)。千代の富士や北勝海といった昭和末から平成の横綱をどう倒していったかは、強豪関脇安芸乃島を分析(上)と同(中)で場所ごとに追える。

現役力士がいくつ金星を持っているかは、協会の戦歴どおりに並べた現役力士の金星・優勝・三賞 一覧にまとめている。

金星とは|平幕が横綱に勝ったときだけつく

金星がつくのは、平幕(前頭)の力士が横綱と対戦して勝ったときだけ。三役の小結・関脇が横綱を破っても金星にはならず、記録の上ではただの白星になる。本割の取組で、実際に相手を破った一勝に限られる。

こんなとき金星になるか
平幕(前頭)が本割で横綱に勝つなる
小結・関脇が横綱に勝つならない
相手の休場による不戦勝ならない
反則による勝ちならない
優勝決定戦で横綱に勝つならない
平幕が大関に勝つ(俗に「銀星」)ならない
金星になるかどうか(出典:田口 通廣「■名6日目 自滅の両横綱」2014年・「照ノ富士が与えた金星」2023年。銀星は精選版 日本国語大辞典)

平幕の力士が大関を倒したときの勝星は、金星にならって俗に「銀星」という(精選版 日本国語大辞典)。俗称で、田口が挙げる持ち給金の加算(勝ち越し・金星・優勝)にも入っていない。

金星を取るとどうなる|1個で1場所4万円、十両以上にいる限り引退まで

金星を1個あげると、力士褒賞金(持ち給金)の支給標準額が10円上がる。支給額はこれを4000倍して計算するので、1場所あたり4万円の加算になる。本場所は年6場所あるから、年にすると24万円だ。

しかもこの加算は、その場所で負け越しても消えない。十両以上の地位にいる限り、引退するまで受け取り続けられる。一番の勝ちが力士人生の終わりまで給金として残るので、金星は「一生もの」と言われる。

項目内容
加算のかたち力士褒賞金(持ち給金)の支給標準額が10円上がる
1場所あたりの加算額10円 × 4000 = 4万円
1年あたり(年6場所)4万円 × 6場所 = 24万円の計算
負け越したときその場所で負け越しても加算は消えない
続く期間十両以上にいる限り、引退まで
金星1個で加算される褒賞金(出典:田口 通廣「大相撲マネー事情」「大相撲マネー新事情」。当サイト「豊昇龍と大の里の金星配給数」の記述とも一致)

持ち給金が序ノ口からどう積み上がるかは持ち給金(力士褒賞金)とはに、番付別の月給は力士の給料はいくら?に、取組ごとに動く懸賞金は相撲の懸賞金とはにまとめた。

「金星配給」という見方|横綱の側から数える

金星は、平幕にとっては勲章だが、横綱にとっては失点である。当サイトは金星を「もらう側」だけでなく、横綱が「配給した側」からも数えている。平幕に何個の金星を許したか、平幕戦のうちどれだけを落としたか。数字にすると、その横綱の強さと安定感がはっきり出る。

現役の両横綱は豊昇龍と大の里の金星配給数で追っている。2026年3月の記事の時点で、豊昇龍は横綱7場所目で15個、大の里は5場所で11個を配給していた。おじの朝青龍が横綱7場所目までに8個だったのと比べると、いまの両横綱が平幕に食われていることが分かる。

玉錦から輪島までの横綱23人は、平幕戦の勝敗と算出方法をつけて横綱の金星配給率 一覧に表にした。昭和初期までさかのぼった武蔵山・男女ノ川の金星配給率もある。

実例|2026年七月場所(名古屋)の金星

金星の条件がよく分かる場面が、2026年の名古屋場所(7月12日初日)の序盤に続いた。初日、横綱大の里は義ノ富士に敗れたが、これは金星ではない。義ノ富士はこの場所で新小結に昇進した三役力士で、三役が横綱を破っても金星にはならないからだ。もう一人の横綱・豊昇龍は王鵬を退け、初日に金星は出なかった。

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日金星の力士横綱決まり手
2日目藤ノ川(前頭筆頭)大の里突き落とし
3日目藤ノ川豊昇龍—
4日目豪ノ山大の里—
6日目伯乃富士豊昇龍切り返し
2026年七月場所の6日目までの金星(当サイトの場所中の記録。2026年7月17日・6日目終了時点。決まり手は田口の各日の記事に書かれているものだけ)

藤ノ川は2日連続で横綱を倒し、伯乃富士はこの白星で自身5個目の金星を積み上げた。6日目を終えた時点で、この場所の金星は計4個だった。日ごとの星取りは名古屋場所2026 完全ガイドの「場所中の動き」に残している。

金星についてよくある質問

Q. 金星はいくらもらえますか?
A. その場で受け取る一時金はない。力士褒賞金(持ち給金)の支給標準額が10円上がり、これが4000倍されて1場所あたり4万円、年6場所で24万円の加算になる。負け越しても消えない。

Q. 金星の加算は引退するとどうなりますか?
A. 加算を受け取れるのは十両以上の地位にいる間で、続くのは引退するまでである。

Q. 大関に勝っても金星ですか?銀星とは?
A. いいえ。金星は平幕が横綱に勝ったときだけつく。平幕の力士が大関を倒したときの勝星は、金星にならって俗に「銀星」という(精選版 日本国語大辞典)。持ち給金の加算にも入っていない。

Q. 小結や関脇が横綱に勝ったら金星ですか?
A. ならない。金星がつくのは平幕(前頭)だけで、三役の小結・関脇が横綱を破っても、記録の上ではただの白星として扱われる。

Q. 歴代でいちばん金星が多い力士は誰ですか?
A. 安芸乃島の16個(2026年1月場所時点)。2位は高見山と栃乃洋の12個で、土佐ノ海の11個が続く。

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この記事を書いた人

少年漫画雑誌、日経関連の編集者を経て独立。現在は大相撲を専門に取材するライター。ほぼ毎場所、自ら土俵際で撮影している。にほんブログ村 相撲・大相撲カテゴリでランキング1位。

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