2017年4月– date –
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横審誕生以前の横綱の昇進5
昭和14年春場所4日目は安芸ノ海の運命を変えた日だった。双葉山の連勝を69でストップした日である。安芸ノ海は英雄であった。誰もが双葉山の牙城に挑み、誰もがはね返されていた。双葉山が負けることはおよそ考えられなかった。安芸ノ海は一番相撲に強く... -
右往左往の外国人初優勝
今でこそ外国人の優勝は当たり前の時代になっている。いや、それどころか、琴奨菊の平成28年一月場所の優勝は、日本出身の日本人優勝としては10年ぶりであった。その間モンゴル、ブルガリア、エストニアと外国勢の独占であった。そうした外国人の優勝にも... -
横審誕生以前の横綱の昇進4
このテーマはすっかり間が開いてしまって誠に恐縮だが、改めて再開したい。なお、以前どのようなことが書かれていたか、思い出していただくため、下記をクリックして参照していただければ幸いである。横審誕生以前の横綱の昇進1横審誕生以前の横綱の昇進... -
新横綱場所を上回る横綱2場所目の成績
稀勢の里が横綱2場所目を迎える。通常横綱の2場所目は力が発揮しやすく、優勝率も高まる。先人の横綱はどういう成績を残してきたか。15日制が定着した千代の山以降の横綱を調べてみた。それが以下である。新横綱の優勝は15日制で、大鵬、隆の里、貴乃花... -
四股名あれこれ 春日野部屋編
春日野部屋の四股名で誰しも思い浮かべるのは、四股名の頭に「栃」の字がつくことであろう。あるいは一昔前のファンなら、栃錦-栃ノ海-栃東と続く小兵名人の系譜であろうか。春日野部屋の力士の四股名に「栃」がつくのは、出羽海部屋から独立した大正の... -
稀勢の里の変身
今年に入り、稀勢の里は初優勝、横綱初優勝、連続優勝と達成してきた。これまでは、優勝に手が届きそうで届かず、逃してきた、あるいはここ一番に勝てない、といった昨年(平成28年)までの相撲を一掃し、様変わりしてきた。今後目指すとしたら先代師匠の... -
小兵力士の戦法
相撲を面白くする要素に小兵の存在がある。現代なら宇良、石浦、里山、照強などである。今は特に重量級が勢ぞろいしているだけに、小兵の生きる道はひときわ厳しいといえる。135キロの横綱日馬富士さえ小さい部類にはいってしまうほどである。北の富士、玉... -
横綱の休場あけ優勝
白鵬が優勝に苦しんでいる。三月場所は新横綱稀勢の里に立ちふさがるかと思われたが、予想に反して途中休場してしまった。白鵬は元々横綱休場の少ない力士だった。横綱連続皆勤48場所の最高記録をもつ。続くのが北の湖の42場所である。白鵬は横綱になって... -
照ノ富士の全盛期
三月場所優勝同点に終わったが、久々に積極的で元気あふれる相撲を取った照ノ富士。照ノ富士がいたからこそ、稀勢の里の逆転優勝が感動を呼んだともいえる。三月場所は照ノ富士にとって実はカド番であった。それも4度目のカド番であった。昨年(平成28年... -
問題点を探る 大相撲チケット販売のあり方
大相撲は好況が続いている。というより異常とも思える過熱ぶりである。協会員にとっては喜ばしい限りだが、ファンにとっては悪戦苦闘することが多い。悪戦苦闘をこえてギブアップするしかないケースも出ている。特にアナログでしか購入できない方は、八方... -
スーパー力士大鵬
将棋界は、中学生プロ棋士藤井聡太四段の誕生・活躍が話題になっている。頭脳を駆使し、幼少の頃から取り組めばありうることである。といってもこれまで4例しかいないのだから、偉業には違いない。相撲は体作り、稽古の積み重ねが必要だから、こうはいか... -
玉鷲32歳からの急成長
玉鷲といえばこれまで目立つ存在ではなかった。十両には5度転落している。つい最近まで三賞とは無縁であった。横綱・大関にはもしかしたらという恐さを与えられるような相撲ではなかった。このままではインパクトの薄い力士に終わっても不思議はなかった... -
高安の上位戦を分析する
先場所12勝をあげて大活躍した高安。五月場所はいよいよ大関昇進をかける場所になる。それだけ高安が焦点になる。実は、幕内は2つある。横綱・大関全員と対戦(あるいは1番少ない準対戦)するクラスとそうでないクラスの2つである。高安はこれまで上位... -
差がついた御嶽海と正代
三月場所、御嶽海は横綱・大関全員と対戦する小結で9勝6敗と勝ち越した。横綱戦は1勝3敗(1勝は白鵬からの不戦勝)、大関戦は1敗、関脇以下に8勝2敗であった。一方正代は横綱・大関全員と対戦する小結で4勝11敗と大敗した。横綱戦は1勝3敗、大... -
大相撲ポスター余話
五月場所でちょっとした変化があった。それは場所のポスターが稀勢の里の土俵入りであることだ。これまでは奇をてらったようなポスターがメインでずっと続いていた。それだけに目に付いた。思い起こせば1年前も稀勢の里のポスターだった。もっとも七月場... -
栃錦・若乃花(初代)の出世街道
相撲史に類をみないほど拮抗した栃錦と若乃花。それも、ともに小兵で(後年栃錦は体重が増加した)ありながら、大型力士を相手にして、時代を築いた。千代の富士が2人いるようなものだから相撲は面白かった。2人の活躍はよく知られているところだが、出... -
大相撲冬の時代を支えた白鵬
このところ白鵬が弱くなった、衰えたという話ばかり書いてきた。人間照る日があれば曇る日もある。また「白鵬のかちあげ、ダメ押し、懸賞金の取り方が嫌いという方」がいるかもしれないが、人間には功罪がある。ということで白鵬が、実は大変な功労者であ... -
高安大関近しで改めて考えたこと
三月場所は12勝と自己最高タイの成績をあげ、大いに場所を盛り上げ、ファンをわかせた高安。一月場所の11勝に続いての好成績だけに五月場所は、大関昇進をかけた場所になる。最近、「大関昇進は、3場所通算33勝が目安」が一人歩きしている。数字だけで決... -
ライバル差がつくとき 輪島・貴ノ花
貴ノ花が22歳年の離れた兄二子山(元初代若乃花)に入門したのは、昭和40年であった。兄二子山(元初代若乃花)は最初入門に反対した。実の弟若緑で失敗していたし、何より水泳で中学記録を出していたから、将来オリンピックを目指せる逸材であった。なお... -
幕内外国人力士の年寄事情
現代の幕内力士で、外国人はすぐに全部あげられない程、進出は多くなっている。白鵬、鶴竜、日馬富士、照ノ富士、玉鷲、蒼国来、貴ノ岩、荒鷲、碧山、逸ノ城、千代翔馬、魁聖、栃ノ心、旭秀鵬である。元幕内では臥牙丸、大砂嵐、阿夢露、朝赤龍、翔天狼、... -
千秋楽 本割・優勝決定戦連勝しての優勝5
第7号は千代大海である。千代大海は当時(平成11年一月場所)まだ関脇であった。横綱3代目若乃花は横綱4場所目であった。横綱としての優勝はまだなかった。千代大海は7日目土佐ノ海、11日目安芸乃島に負けて2敗で千秋楽の若乃花戦を迎えた。若乃花は... -
宇良8番勝負
三月場所は稀勢の里の負傷をおしてのまさかの逆転優勝のインパクトが強すぎた。もう一つの話題新入幕の宇良がかすんだカタチだが、どんな相撲を取るか本来ならもっと注目が集まっても不思議ではない。奮闘宇良の勝利の8番をふり返ってみよう。初日 佐田... -
平成29年五月場所チケット事情
4月8日土曜10時、五月場所の前売りが始まった。大阪場所、負傷稀勢の里の本割・優勝決定戦を連勝した感動シーンで、いっそう人気は高まることが予想された。大阪場所は、2時間十数分で15日間分のチケットが完売した。大阪府立体育会館が7800人のキャパ... -
千秋楽 本割・優勝決定戦連勝しての優勝4
第6号は曙である。曙と貴乃花は同期の桜だ。2人は激しい出世争いをしてきた。初優勝は貴乃花(当時貴花田)が先行し、2場所後曙が追いかけるカタチで初優勝した。しかし、大関、横綱への昇進は曙が先行し、貴乃花が追いかけるカタチとなった。<曙>&nb... -
巡業での稽古のあり方
春巡業が始まって、巡業の様子が伝えられている。負傷した稀勢の里は休場している。負傷に関して新たな情報がはいると、短期間に直ると考えるのは、楽観的すぎると思えてくる。また、無理に出場しても、百戦錬磨及び若手力士は今度間違いなく稀勢の里の弱... -
千秋楽 本割・優勝決定戦連勝しての優勝3
第4号は大乃国である。北勝海と大乃国はともに北海道出身。横綱に昇進した時期も近かった。北勝海が2場所早い。大乃国は新横綱の場所を8勝7敗、翌場所肝臓機能障害などで途中休場した。横綱として窮地であった。3場所目の昭和63年三月場所大乃国は2... -
大相撲外国人差別問題を考察する
去る三月場所14日目、大関照ノ富士が大関復帰を目指す琴奨菊に変化で勝ったときのことである。観客から「モンゴルに帰れ」という野次がとんだ。これはモンゴル人に対する差別ではないか、というのである。国会で文部科学大臣が「まず、事実関係をしっかり... -
記録遠のく白鵬
三月場所、横綱らしい相撲が取れず、早々と途中休場した白鵬。これで5場所連続優勝なしと、初優勝以降ワースト記録となった。成績もよくない。34勝16敗25休である。勝率6割8分である。記録男白鵬もここへきて急激に衰えが忍び寄っている。<三月場所4... -
千秋楽 本割・優勝決定戦連勝しての優勝2
第3号は横綱輪島である。輪島は昭和48年七月場所に横綱になった。その4場所前、貴ノ花と同日大関に昇進したが、次第に差がついていった。突如輪島に対抗するように出現したのが北の湖であった。昭和49年一月場所、関脇で優勝した北の湖はその勢いのまま... -
稀勢の里の相撲内容を採点する
三月場所は稀勢の里で始まり、稀勢の里で終了した。その間、稀勢の里はどんな相撲を取ったのか。相撲内容を採点してみた。採点の基準は、自分の力をどれくらい土俵で発揮したかである。勝ち負けではない。点数は1点から最高5点までとし、小数点0.5まで区...
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