クンロク大関とは|9勝6敗の意味と、15日制以降で一度も10勝できなかった大関

クンロク大関とは、9勝6敗(クンロク)の成績しかあげられない大関を揶揄した言葉である。田口は2019年の記事で、15日制以降に最高位が大関だった力士のうち、大関在位中に一度も10勝以上をあげられなかったのを松登・前の山・雅山・大受と、大関に復帰する直前だった栃ノ心の5人と数えている。2013年以降に大関になった13人を協会の記録で数えると、大関での9勝6敗が最も多いのは豪栄道の8場所だった。

2013年以降の回数は、日本相撲協会の過去の星取表(2026年9月20日取得)から当サイトが数えた(2026年七月場所まで)。8勝7敗の「ハチナナ大関」と琴櫻についてはハチナナ大関とはにまとめている。

目次

クンロク大関とは|9勝6敗の大関を揶揄した言葉

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クンロク大関とは、9勝6敗の成績しかあげられない大関を指す言葉である。大関は9勝でもいい、という見方が一方にある。しかし、関脇が9勝6敗を何場所続けても大関にはなれない。

なにより9勝6敗の大関がクンロク大関と揶揄されていたこと自体、大関の成績が9勝6敗でいいとは見られていなかった証である。8勝7敗は論外とされた、と田口は書いている。

9勝6敗が続いた豪栄道・高安(2019年五月場所時点)

2019年の五月場所、豪栄道・高安の両大関はそろって9勝6敗に終わった。一月場所も同じ9勝6敗だった。この時点での両大関の大関の成績は次のとおり。

大関大関在位成績勝率2ケタ勝利負け越し
豪栄道29場所242勝172敗21休.5856場所7場所
高安12場所102勝49敗29休.6755場所2場所
2019年五月場所終了時点(田口の集計。日本相撲協会の過去の星取表と一致)
豪栄道
<豪栄道>

高安はまだ勝率がいい。しかし、クンロク大関の傾向になりつつあるのが気になる、と田口は当時書いている。豪栄道の成績は、9勝6敗以下の勝率だった。

大関在位中に一度も10勝できなかった大関|田口の2019年の数え

15日制以降、つまり三根山以降で最高位が大関だった力士のうち、大関在位中に一度も10勝以上をあげられなかった大関は5人いる(2019年6月の記事の時点)。在位場所数とともに並べると次のとおり。

大関大関在位備考
松登15場所10勝以上なし
前の山10場所10勝以上なし
雅山8場所10勝以上なし
大受5場所10勝以上なし
栃ノ心7場所10勝以上なし(2019年の記事の時点では現役)
増位山7場所10勝はただ1度きり
15日制以降に最高位が大関だった力士(三根山〜貴景勝)で、大関在位中の10勝以上が無い5人と、1度きりの増位山(田口 通廣・2019年6月)。栃ノ心の大関在位の場所数は、その後の復帰を含めて協会の記録から当サイトが数えた
松登のブロマイド
<松登のブロマイド>

栃ノ心は、記事を書いた2019年の時点で「今度大関に復帰する」現役として数えられていた。その後の大関在位を含めても、大関の7場所で10勝以上はなかった(協会の記録から当サイトが数えた)。

貴景勝は、当時は大関在位がまだ1場所だったため対象に含めていない。10勝が1度きりだったのが増位山で、大関在位は7場所だった。

2013年以降に大関になった13人|9勝6敗・8勝7敗・10勝以上の回数

2013年以降に大関に上がった13人では、大関での9勝6敗が最も多いのは豪栄道の8場所、8勝7敗が最も多いのは琴櫻の7場所である。大関で一度も10勝以上がなかったのは、この13人では栃ノ心だけだった(2026年七月場所まで)。

大関初めて大関で取った場所大関の場所数10勝以上9勝6敗8勝7敗
豪栄道2014年九月場所33場所7場所8場所5場所
照ノ富士2015年七月場所16場所6場所1場所3場所
高安2017年七月場所15場所5場所4場所0場所
栃ノ心2018年七月場所7場所0場所1場所1場所
貴景勝2019年五月場所30場所11場所2場所4場所
朝乃山2020年七月場所7場所4場所0場所0場所
正代2020年十一月場所13場所2場所3場所2場所
御嶽海2022年三月場所4場所1場所0場所0場所
霧島2023年七月場所8場所4場所1場所0場所
豊昇龍2023年九月場所9場所6場所0場所2場所
琴櫻2024年三月場所15場所5場所0場所7場所
大の里2024年十一月場所4場所3場所1場所0場所
安青錦2026年一月場所3場所1場所0場所0場所
2013年一月場所以降に大関に昇進した13人の、大関の地位で取った場所だけの成績。日本相撲協会の過去の星取表(大帳)より2026年9月20日取得、回数は当サイトが数えた(2026年七月場所まで。2026年九月場所は含めない)。照ノ富士・豊昇龍・大の里はのちに横綱。霧島・琴櫻・安青錦は2026年九月場所も大関

9勝6敗や8勝7敗は勝ち越しなので、大関の地位は守れる。それでも数が重なると、クンロク大関・ハチナナ大関と呼ばれることになる。場所ごとの成績は、琴櫻ならハチナナ大関とはで見られる。

10勝以上が9勝以下を上回った大関は2人|三根山〜貴景勝の38人(2019年)

また、大関は最大33勝をあげられた力士である、という見方がある。だとしたら大関によっては、大関時代は全盛期をすぎて下り坂の相撲ということになる、と田口は書く。

そこで田口は、10勝以上をあげた場所数が9勝以下の場所数を上回った大関を挙げている。三根山から貴景勝まで38人の大関がいるなかで、わずかに2人である。

大関10勝以上9勝以下
琴風13場所9場所
把瑠都8場所7場所
田口 通廣の集計(2019年6月)
優勝した把瑠都
<優勝した把瑠都>

大関に求めたいもの

田口は毎場所、大関に優勝争いを求めているわけではない。白鵬が不在で好機だった場所を逃したことを指摘しているのだ、と書いている。

それでも大関には4場所(甘くても5場所)に1度くらいは優勝争いに加わってもらわないと、存在価値を失ってしまう、というのが田口の見方である。

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クンロク大関についてよくある質問

Q. クンロク大関とは何ですか?
9勝6敗(クンロク)の成績しかあげられない大関を揶揄した言葉です。大関は9勝でいいという見方への皮肉でもあり、8勝7敗は論外とされました。

Q. 大関在位中に一度も10勝できなかった大関は誰ですか?
田口が2019年に数えたのは、15日制以降に最高位が大関だった力士のうち、松登(在位15場所)・前の山(10場所)・雅山(8場所)・大受(5場所)と、大関に復帰する直前だった栃ノ心の5人です。栃ノ心はその後を含めても、大関の7場所で10勝以上がありません(協会の記録から当サイトが数えた)。

Q. 近年、大関で9勝6敗が多かったのは誰ですか?
2013年以降に大関になった13人では、豪栄道の8場所が最多です(2026年七月場所まで・協会の記録から当サイトが数えた)。

Q. ハチナナ大関とは何ですか?
8勝7敗しかあげられない大関を指す言葉で、クンロク大関よりさらに厳しい評価です。2013年以降に大関になった13人では琴櫻の7場所が最多で、ハチナナ大関とはにまとめています。

関連記事:ハチナナ大関とは/現役の元大関は誰?/大関在位場所数ランキング/大関の在位と成績の通信簿

▶ 協会公式の歴代大関をそのまま並べた一覧は歴代大関一覧|53人の在位・優勝・出身地にまとめている。

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この記事を書いた人

少年漫画雑誌、日経関連の編集者を経て独立。現在は大相撲を専門に取材するライター。ほぼ毎場所、自ら土俵際で撮影している。にほんブログ村 相撲・大相撲カテゴリでランキング1位。

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