クンロク大関とは|9勝6敗の意味と一度も10勝できなかった歴代大関

クンロク大関とは、9勝6敗(クンロク)の成績しかあげられない大関を揶揄した言葉である。大関は9勝でもいいという見方もあるが、関脇で9勝6敗を何場所続けても大関にはなれない。8勝7敗(ハチナナ)はさらに論外とされる。15日制以降、つまり三根山から貴景勝までの大関38人のうち、大関在位中に一度も10勝以上をあげられなかったのは松登・前の山・雅山・大受の4人。逆に、10勝以上の場所が9勝以下の場所を上回った大関は、わずかに琴風と把瑠都の2人だけだった。

※この記事は田口が2019年五月場所の時点で書いた論考をもとに再構成した。豪栄道・高安の成績はいずれも当時の数字である。近年「ハチナナ大関」と呼ばれた琴櫻についてはハチナナ大関=琴櫻の現在に分けてまとめた。

目次

クンロク大関とは

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クンロク大関とは、9勝6敗の成績しかあげられない大関を指す言葉である。だからこれは大関を揶揄した言い回しである。大関は9勝でもいい、という見方が一方にある。しかし、関脇が9勝6敗を何場所続けても大関には昇進できない。なにより9勝6敗の大関が「クンロク大関」と揶揄されていたこと自体が、9勝6敗で十分とは見なされていなかった証である。8勝7敗にいたっては論外とされた。

9勝6敗が続いた豪栄道・高安(2019年五月場所時点)

2019年の五月場所、豪栄道・高安の両大関はそろって9勝6敗に終わった。一月場所も同じ9勝6敗だった。この時点での両大関の成績を整理すると、以下のようになる。

大関大関在位成績勝率2ケタ勝利負け越し
豪栄道29場所242勝172敗21休.5856場所7場所
高安12場所102勝49敗29休.6755場所2場所
大関時代の豪栄道
<豪栄道>

高安はまだ勝率がいい。それでもクンロク大関の傾向に近づきつつあるのが気になる、というのが当時の見方だった。豪栄道の成績は9勝6敗以下の勝率にとどまっていた。

大関時代に一度も10勝できなかった大関

15日制以降の大関、すなわち三根山以降で最高位が大関だった力士のうち、大関在位中に一度も10勝以上をあげられなかった大関が4人いる。在位場所数とともに並べると次のとおりである。

大関大関在位備考
松登15場所10勝以上なし
前の山10場所10勝以上なし
雅山8場所10勝以上なし
大受5場所10勝以上なし
増位山7場所10勝はただ1度きり
松登のブロマイド
<松登のブロマイド>

記事を書いた2019年の時点では、大関に復帰する栃ノ心を加えて5人としていた。貴景勝は大関在位がまだ1場所だったため、この対象には含めていない。10勝が1度きりだったのが増位山で、大関在位は7場所だった。

10勝以上が9勝以下を上回った大関は2人だけ

大関は最大で33勝をあげられる地位である、という見方がある。だとすれば、大関によっては全盛期をすぎて下り坂にさしかかった相撲を取っていることになる。そこで、10勝以上をあげた場所数が9勝以下の場所数を上回った大関を挙げておく。

大関10勝以上9勝以下
琴風13場所9場所
把瑠都8場所7場所
優勝した把瑠都
<優勝した把瑠都>

三根山から貴景勝まで38人の大関がいるなかで、これを満たすのはわずかに2人である。大関という地位に10勝以上を期待することが、いかにむずかしいかがわかる。

大関に求めたいもの

大関は受難の中間管理職とみなされたことがある。横綱には頭を押さえられ、下からは突き上げられる。それでも、毎場所の優勝争いまでは求めないにしても、4場所に1度、甘く見ても5場所に1度くらいは優勝争いに加わってもらわないと、大関の存在価値は薄れてしまう。白鵬が不在で好機だった場所を逃したことは、そうした意味で惜しまれる。大関の強い場所は、関脇の強い場所よりもなお面白いのである。

クンロク大関についてよくある質問

クンロク大関とは何ですか?

9勝6敗(クンロク)の成績しかあげられない大関を揶揄した言葉です。9勝でいいという見方への皮肉でもあり、8勝7敗(ハチナナ)はさらに論外とされました。

大関在位中に一度も10勝できなかった大関は誰ですか?

松登(在位15場所)、前の山(10場所)、雅山(8場所)、大受(5場所)の4人です。増位山(7場所)は10勝が1度きりでした。いずれも15日制以降の大関です。

ハチナナ大関とは何ですか?

8勝7敗しかあげられない大関を指す言葉で、クンロク大関(9勝6敗)よりさらに厳しい評価です。近年では3場所続けて8勝7敗だった琴櫻がこう呼ばれました。詳しくはハチナナ大関=琴櫻の現在にまとめています。

関連記事:ハチナナ大関=琴櫻は実力者か弱い大関か大関在位場所数ランキング大関の在位と成績の通信簿

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この記事を書いた人

日本経済新聞で15年間記者を務め、日経HRの編集者を経て独立。現在は大相撲を専門に取材するフリーライター。ほぼ毎場所、自ら土俵際で撮影している。にほんブログ村 相撲・大相撲カテゴリでランキング1位。

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