相撲の若者頭と世話人とは|2つの役目の違いと現職15人の一覧・若者頭6人/世話人9人【2026年9月時点】

若者頭は新弟子の指導・育成、取組の進行補助、負傷力士の補助にあたる裏方。世話人は競技用具の運搬・管理、会場設営、支度部屋の管理を受け持つ。どちらも日本相撲協会の構成員として本場所と巡業を支える裏方で、公式一覧には15人全員に現役時代の最高位が載っている。2026年9月17日時点の協会公式一覧では若者頭が6人、世話人が9人。仕事の向きが違い、若者頭は力士そのものに、世話人は土俵と会場のまわりに付く。

人数と名前の出典: 日本相撲協会「若者頭一覧」「世話人一覧」(2026年9月17日確認)。役目の内訳は田口 通廣の記名記事大相撲の質問と回答(2026年3月29日)による。給料・年収の金額は協会が公表していないので、このページには書かない。

目次

若者頭と世話人の違い|仕事の向きが逆になっている

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同じ「裏方」でひとくくりにされることが多いが、担当するものが重ならない。田口は51374で、若者頭を「新弟子の指導・育成、取組の進行補助、負傷力士の補助など、若い力士の世話や直接的な指導が中心の任務」、世話人を「競技用具の運搬・管理、会場設営、支度部屋の管理など、主に裏方の会場準備業務を担当」と書いている。人に付くのが若者頭、場に付くのが世話人、と読むと取り違えにくい。

若者頭(わかいものがしら)世話人(せわにん)
人数(2026年9月17日時点)6人9人
主な仕事新弟子の指導・育成/取組の進行補助/負傷力士の補助競技用具の運搬・管理/会場設営/支度部屋の管理
誰が就くか協会は採用の要件を公表していない。公式一覧に「最高位」の列があり、15人全員に現役時代の番付が載っている
関取(十両以上)の経験6人中4人9人中1人
協会公式の職務の定義無い。協会の「職務分掌」に載っているのは年寄の職務だけで、若者頭・世話人の職務は書かれていない(2026年9月17日確認)
定年制昭和36年1月に、年寄・呼び出し・床山・事務員とともに実施された記録がある(田口 42289・49550)。現行の規程は協会が公表しておらず未確認
給料協会が公表しているのは「役員及び評議員の報酬等並びに費用に関する規程」で、裏方の給与規程は公式に出ていない
人数・最高位は日本相撲協会「若者頭一覧」「世話人一覧」(2026年9月17日確認)。仕事の内訳は田口 通廣「大相撲の質問と回答」(2026年3月29日)より。関取経験の人数は、公式一覧の最高位の列を当サイトが数えたもの(十両以上を関取として計上)

関取経験の数え方で差が出る。若者頭6人のうち4人が十両以上まで上がっており、前頭五枚目の千代丸、前頭十一枚目の栃乃藤が入る。世話人9人で十両に届いたのは十両七枚目の大日岳ひとりで、残る8人は幕下どまりである。ただしこれは2026年9月17日時点の15人を数えた結果であって、協会が採用の条件として番付を示しているわけではない。

若者頭6人の一覧【2026年9月17日時点】

協会公式の一覧に載っている4列を、並び順も表記もそのまま写した。若者頭には個人のプロフィールページが無く、生年月日や採用年はこの一覧にも載っていない。取れるのはこの4つだけである。

しこ名(かな)本名最高位所属部屋
前進山 良太
ぜんしんやま
秋元 良太十両二枚目高田川
栃乃藤 達之
とちのふじ
草野 達之前頭十一枚目春日野
虎伏山 義幸
とらふすやま
田丸 智幸幕下二枚目春日野
琴裕将 由拡
ことゆうしょう
稲垣 善之十両十三枚目佐渡ヶ嶽
千代丸 一樹
ちよまる
木下 一樹前頭五枚目九重
若隆元 渡
わかたかもと
大波 渡幕下七枚目荒汐
日本相撲協会「若者頭一覧」(2026年9月17日確認・HTTP200)。最高位は協会の表記のまま、年齢や在職年数の再計算はしていない

世話人9人の一覧【2026年9月17日時点】

しこ名(かな)本名最高位所属部屋
栃玄王 泰幸
とちげんおう
茂渡 泰幸幕下二十六枚目春日野
大日岳 栄隆
おおひだけ
井戸川 栄隆十両七枚目玉ノ井
荒ノ浪 二朗
あらのなみ
高橋 二朗幕下三枚目
嵐望 将輔
らんぼー
井上 高雄幕下十三枚目湊川
栃の山 博士
とちのやま
山田 博士幕下二枚目山響
錦風 真悟
にしきかぜ
足達 康之幕下筆頭押尾川
隠岐の富士 和也
おきのふじ
竹谷 和也幕下十一枚目八角
勇輝 瞬臣
ゆうき
山崎 勇大幕下二十枚目音羽山
海龍 元紀
かいりゅう
山田 元紀幕下二枚目出羽海
日本相撲協会「世話人一覧」(2026年9月17日確認・HTTP200)。最高位は協会の表記のまま

15人の所属部屋を並べると13部屋に散っていて、2人以上いるのは春日野だけだった(若者頭の栃乃藤と虎伏山、世話人の栃玄王)。これも公式一覧の所属部屋の列を当サイトが数えたもので、協会が部屋ごとの枠を決めていることを示すものではない。

若者頭になる前は土俵に上がっていた|千代丸

一覧の「最高位」の列は、その人が現役時代にどこまで上がったかを示している。若者頭の千代丸は前頭五枚目。下は現役だった2021年11月28日、十一月場所千秋楽に、緑のまわしで土俵に上がったところを土俵際から撮った1枚。

緑のまわし姿で土俵に立つ現役時代の千代丸(2021年11月28日・十一月場所千秋楽)
千代丸(2021年11月28日・十一月場所千秋楽)。2026年9月17日時点は九重部屋所属の若者頭で、最高位は前頭五枚目。

写真:田口 通廣(撮影)。撮影日はファイル名の日付による。若者頭として働く場面の写真ではなく、現役当時のものである。

協会公式に「若者頭とは何か」の説明が無い

調べにくいのには理由がある。協会の「協会の使命・組織」には構成員の説明があり、行司は「勝負を裁く」、呼出は「土俵の構築や力士の呼び出しや競技の進行をつとめる」、床山は「力士の髪を結う」と、それぞれ一言で仕事が書かれている。ところがその同じ文のなかで、若者頭と世話人だけは役割の説明が付かないまま「協会に所属しています」と並べられている(2026年9月17日確認)。

年寄の職務を定めた「職務分掌」のページにも、若者頭・世話人の職務は出てこない。名前と人数は公式で確かめられるのに、何をする人なのかは公式では確かめられない。このページが田口の記述を根拠にしているのは、そこを埋める一次の文章がほかに無いためである。

出典: 日本相撲協会「協会の使命・組織」(2026年9月17日確認)。

若者頭と世話人の定年|昭和36年1月に実施された記録がある

裏方の定年制は、元双葉山の時津風理事長が月給制に続いて手をつけたものだった。田口は42289で「次に定年制を導入した。行司の定年は昭和35年1月に実施された」「翌年1月、年寄、若者頭、世話人、呼び出し、床山、事務員も実施された」と書いている。この「翌年1月」は昭和36年1月にあたる。

別の記事でも同じ時期が出てくる。49550には「65歳定年は昭和34年9月に決定した。実施は昭和36年1月からであった。当時の木村庄之助・式守伊之助ら行司5人が該当することになった」とある。若者頭と世話人については、2本のどちらから読んでも昭和36年1月に行き着く。

ただし行司の実施年は2本で割れている。42289は昭和35年1月、49550は昭和36年1月。どちらが正しいかは協会の資料で確かめていないので、ここでは両方を並べたままにする。

今も若者頭と世話人が定年の対象かどうかも断定しない。49550が65歳定年の対象として名前を挙げているのは親方・行司・呼び出しで、協会は規程を公表していない。書けるのは昭和36年1月に実施された記録があるところまでである(理事長の任期2・2024年2月20日/大相撲〇〇の始まり・2025年10月19日)。

部屋が閉じたとき、若者頭と世話人はどうなるのか

若者頭も世話人も部屋に所属している。師匠が定年を迎えて部屋が閉じれば、力士と同じように移る先が要る。田口は46391で、元霧島の陸奥が2024年4月2日の定年を前に部屋が閉鎖されたとき、「所属力士・親方・若者頭・世話人・床山は音羽山(元鶴竜)・荒汐(元蒼国来)・追手風(元大翔山)・伊勢ノ海(元北勝鬨)の4部屋に分かれた」と書いている。

だから所属部屋の列は固定ではない。上の一覧は2026年9月17日時点の協会公式の表記で、部屋の異動があれば変わる(相撲部屋への移転 下・2025年2月11日)。

世話人は10人と書かれていることがある|時点の違い

世話人の人数は資料によって食い違う。田口は2026年3月29日の51374で「現在10人で運営されています」と書いており、同じ記事で若者頭は「千代丸が加わって6人で携わっています」としている。一方、協会公式の一覧を2026年9月17日に取ると世話人は9人、若者頭は6人だった。

若者頭6人は両方で一致する。世話人だけが10人と9人に分かれるので、どちらかが誤りだと決めずに、2026年3月時点は10人・2026年9月17日時点は9人として時点を分けて読むのが正しい。半年のあいだに定年や退職で1人減ったのか、別の事情があるのかは、協会が理由を公表していないので書かない。

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若者頭と世話人についてよくある質問

Q. 若者頭と世話人の違いは何ですか?
若者頭は新弟子の指導・育成、取組の進行補助、負傷力士の補助と、力士に付く仕事が中心です。世話人は競技用具の運搬・管理、会場設営、支度部屋の管理と、会場の準備が中心です(田口 通廣「大相撲の質問と回答」2026年3月29日)。

Q. 若者頭とは何ですか?
日本相撲協会の裏方で、若い力士の世話と指導にあたります。2026年9月17日時点の協会公式一覧では6人で、全員に現役時代の最高位が載っています。

Q. 若者頭は何人いますか?
2026年9月17日時点の協会公式「若者頭一覧」で6人、「世話人一覧」で世話人は9人です。

Q. 若者頭の年収はいくらですか?
金額は分かりません。協会が公表しているのは「役員及び評議員の報酬等並びに費用に関する規程」で、若者頭・世話人の給与規程は公式に出ていないため、このページでは金額を書いていません。

Q. 若者頭は親方とは違うのですか?
違います。親方(年寄)は年寄名跡を継いで協会の運営にあたる立場で、2026年9月17日時点の一覧は別のページです。親方の顔ぶれは相撲の親方一覧|全年寄103人にまとめてあります。

Q. 若者頭にも定年はありますか?
昭和36年1月に、年寄・世話人・呼び出し・床山・事務員とともに実施された記録があります(田口「理事長の任期2」「大相撲〇〇の始まり」)。現在も対象かどうかは、協会が規程を公表していないため確認できていません。

あわせて読みたい:土俵まわりの裏方では、勝負を裁く行司を相撲の行司とは|全42人の一覧と階級・軍配・立行司にまとめてあります(呼出・床山も同じ協会員紹介の並びです)。取組を止める物言いや取り直しの用語は相撲の取組進行の用語まとめ、土俵下で勝負を見ている親方衆は相撲の審判員 一覧|審判部の親方24人、年寄名跡を持つ親方の全体像は相撲の親方一覧|全年寄103人の名跡・部屋・一門へ。このページの役目の説明のもとになった田口の回答集は大相撲の質問と回答にあります。

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この記事を書いた人

少年漫画雑誌、日経関連の編集者を経て独立。現在は大相撲を専門に取材するライター。ほぼ毎場所、自ら土俵際で撮影している。にほんブログ村 相撲・大相撲カテゴリでランキング1位。

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