年寄株(年寄名跡)とは、引退後に日本相撲協会へ親方として残るために必要な「株」のことです。名跡の数には限りがあり、昔から「高値の花」と呼ばれてきました。現役のうちに名跡を取得・保有しておく力士もいます。この記事では、現役力士の年寄株保有と、横綱をめぐる名跡事情を整理します。
※この記事は2021年時点の状況をまとめたものです。その後の動きは「2025年はどうなる 年寄株」もあわせてご覧ください。
現役力士で年寄株を持つのは誰か
十両東13枚目の勢が一月場所千秋楽に休場した。この不戦敗によって6勝9敗になり、幕下落ちが濃厚となった。勢は34歳であり、その去就が注目された。勢は春日山の年寄株を持っており、無給の幕下より有給の親方を選んでも不思議はなかった。しかし、勢は現役を選択した。なお、当時春日山は元武州山が借りている。

現役力士で年寄株を所有している力士はほかにもいる。北陣をもつ遠藤、君ヶ浜をもつ隠岐の海、音羽山をもつ阿武咲、佐ノ山をもつ千代鳳である。なお、借株として北陣は元翔天狼が、音羽山は元天鎧鵬が、佐ノ山は元里山が名のっている。君ヶ浜を名のっている親方はいない。

横綱 白鵬・鶴竜の名跡問題
現役の横綱白鵬と鶴竜の名前はない。白鵬の一代年寄の話は当時まだ出てこなかった。実績は文句なしだが、優勝インタビューでいわずもがなのことをいったことや、手拍子をお客さんに強要したことが影響しているのかもしれない。師匠の宮城野(元竹葉山)の65歳定年は2022年8月である。ただ、宮城野は再雇用制度で70歳まで協会に残る可能性があるという。そうなると、白鵬が引退して5年は横綱名で残れても、宮城野の名跡を引き継げないことになる。ただし再雇用は部屋持ちにはなれないので、部屋を誰が引き継ぐのか、という問題にいきつく。

鶴竜の場合はどうか。当時、井筒は元逆鉾の遺族の所有になっていた。元豊ノ島が借株として協会の職務についている。鶴竜と元逆鉾の遺族の話がつけば、かつて自分が所属した井筒部屋の再興も可能だ。ただ、遺族と話がつかないケースがこれまでにもあった。元隆の鶴が一時鳴戸を襲名したが、飛び出して田子ノ浦部屋をおこしている。鳴戸は元琴欧洲が襲名した。

2021年に定年を迎える親方
2021年に再雇用70歳定年を迎える親方は4人いる。千賀ノ浦(元舛田山)、待乳山(元播竜山)、桐山(元黒瀬川)、出来山(元出羽の花)である。65歳定年を迎えるのが峰崎(元三杉磯)、湊川(元大徹)である。理事長の八角(元北勝海)の65歳定年は2028年6月である。次期理事長は元横綱ではなさそうである。

年寄株についてよくある質問
Q. 現役力士でも年寄株を持てますか?
持てます。記事の遠藤や隠岐の海のように、現役のうちに名跡を取得・保有する力士がいます。
Q. 年寄株がないと引退後に親方になれませんか?
協会に親方として残るには年寄名跡が必要です。数に限りがあるため、取得は簡単ではありません。
Q. 「借株」とは何ですか?
名跡の所有者と、それを借りて名のる親方が別である状態をいいます。記事の例では、北陣を元翔天狼が借りて名のっていました。