昨年(2020年)十一月場所大関で優勝した
貴景勝の一月場所の成績はさんざんだった。
2勝しかできず、10日目から休場してしまっ
た。さんざんだったのは成績だけではない。
相撲は押しの威力が通用せず、もたもたして
いるうちに負けるケースが多くなってきた。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/02/210111二日目幕内-903-e1613619906276.jpg)
メデァのなかには一月場所を綱取り場所と
位置づけてきたところがあった。土俵の目撃
者では2場所連続優勝=横綱という風潮を
戒めてきた。横綱昇進基準の第1項の品格
力量抜群が軽視あるいは無視されている。
本来横綱昇進の基準はこれだけで十分のはず
である。大関連続優勝に対して年6場所時代、
2場所だけを切り取っただけの判断で本当に
いいのか。また、優勝にもピンキリがある。
ということを主張してきた。
貴景勝は今後横綱に昇進できるのか。横綱
審議委員会による横綱昇進基準ができた若乃
花以降、正代まで大関は65人いる。横綱に
昇進したのは28人である。これだけでも大変
な確率である。横綱のなかには大関初優勝
だけ(直前でないものも含む)で横綱に昇進
したり、直前3場所優勝がなく横綱に昇進
したりした例がある。これまで大関初優勝が
横綱に直結しなかったが、その後横綱になっ
たケースは以下である。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/02/若.jpg)
1若乃花
柏戸
北の富士
玉乃島
琴櫻
若三杉(2若乃花)
隆の里
旭富士
貴乃花
3若乃花
武蔵丸
白鵬
日馬富士
13例ある。若乃花は初優勝の翌場所前、長男
をちゃんこの熱湯で亡くした。数珠を首から
下げて場所いりした若乃花の相撲は鬼神の
如くであった。しかし、終盤高熱のためダウ
ンして優勝できなかった。柏戸は横綱昇進
直前3場所、優勝がないまま大鵬と抱き合わ
せで横綱になった。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/02/110724名古屋千秋楽表彰-327-e1613619953119.jpg)
琴櫻は大関3回目、4回目の連続優勝で決め
た。当時は32歳という年齢による将来性、
大関時代の実績から不安視された。貴乃花は
2回目の大関優勝(通算4回目)でも横綱に
なれなかった。当時は連続優勝が絶対の時代
であった。日馬富士も大関3回目、4回目の
連続優勝で横綱を決めた。
貴景勝は13例に挑むことになる。絶対的強者
がいない時代では、優勝のハードルがあがり
そうである。貴景勝は幕内上位での最高成績
は13勝である。14勝以上は未知への領域に
なる。そうみてくると貴景勝の横綱への道は
けして容易ではない。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/02/210117八日目幕内-803.jpg)
貴景勝は一月場所でなぜ勝てなかったかを
分析する必要がある。アマチュアは勝って
しまえばそれでおしまいでいい。しかしプロ
はなぜ負けたかを徹底的に解明してこそ次に
つながる。貴景勝は押しの威力が失われた。
太りすぎと指摘したことがあるが、筆者だけ
でなく、相撲ファンから同じ言葉を聞いた。
きたる三月場所、貴景勝がどういう相撲を
取るのか、取れるのか。真価が問われる。
タネがある超能力のトリックを明かした
内容に納得。
興味深いテーマをこれからもお届けします。