横綱同士の対戦成績(優勝決定戦を含む)を勝敗差で順位づけすると、1位は大鵬の40勝21敗(勝敗差+19)。双葉山15勝2敗と千代の富士24勝11敗(ともに+13)が続き、上位は大鵬・双葉山・千代の富士・羽黒山・北の湖と大横綱が並ぶ。逆に最下位は輪島の21勝33敗(-12)だった。
※対象は横綱が実質地位化した常陸山以降の50人。集計は鶴竜の横綱昇進時(2014年5月)時点で、白鵬・日馬富士・鶴竜は当時現役のため以後の対戦は未反映。出典は田口道宏 集計。
横綱同士の対戦成績ランキング(勝敗差順・常陸山以降50人)
力士の対戦成績は幕内通算で語られることが多いが、実力差のある時期も含まれる。そこで「横綱同士」という同じ地位に絞って成績を集計した。本割に加え優勝決定戦も含めている。順位は勝率ではなく勝敗差で並べた(1勝と10勝1敗では、難しさを考えて10勝1敗を上位とするため)。
| 順位 | 横綱 | 横綱戦成績 | 勝敗差 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 大鵬 | 40勝21敗 | +19 | 優勝決定戦2勝1敗を含む/1不戦敗 |
| 2 | 双葉山 | 15勝2敗 | +13 | 1不戦勝 |
| 2 | 千代の富士 | 24勝11敗 | +13 | 優勝決定戦2勝を含む |
| 4 | 羽黒山 | 19勝12敗 | +7 | 1不戦敗 |
| 4 | 北の湖 | 38勝31敗 | +7 | 優勝決定戦1勝を含む/1不戦敗 |
| 6 | 常ノ花 | 8勝2敗 | +6 | 1不戦勝 |
| 6 | 東富士 | 16勝10敗 | +6 | 1不戦勝 |
| 8 | 三重ノ海 | 8勝3敗 | +5 | |
| 8 | 武蔵丸 | 10勝5敗 | +5 | |
| 8 | 白鵬 | 14勝9敗 | +5 | 優勝決定戦2敗を含む |
| 11 | 初代若乃花 | 11勝7敗 | +4 | 優勝決定戦1勝を含む |
| 12 | 栃木山 | 3勝 | +3 | |
| 12 | 隆の里 | 7勝4敗 | +3 | |
| 14 | 大錦 | 2勝 | +2 | |
| 14 | 吉葉山 | 10勝8敗 | +2 | |
| 14 | 琴桜 | 5勝3敗 | +2 | 優勝決定戦1勝を含む |
| 17 | 常陸山 | 2勝1敗5分 | +1 | |
| 17 | 太刀山 | 1勝1分 | +1 | |
| 17 | 北勝海 | 11勝10敗 | +1 | 優勝決定戦2敗を含む/不戦敗 |
| 20 | 鏡里 | 16勝16敗 | ±0 | |
| 20 | 貴乃花 | 16勝16敗 | ±0 | 優勝決定戦2勝1敗を含む |
| 20 | 日馬富士 | 5勝5敗 | ±0 | |
| 23 | 2代目梅ヶ谷 | 1勝2敗4分 | -1 | |
| 23 | 2代目西ノ海 | 1敗 | -1 | |
| 23 | 3代目西ノ海 | 1敗 | -1 | |
| 23 | 武蔵山 | 1勝2敗 | -1 | |
| 23 | 照国 | 14勝15敗 | -1 | |
| 23 | 千代の山 | 13勝14敗 | -1 | |
| 23 | 北の富士 | 11勝12敗 | -1 | 優勝決定戦1敗を含む |
| 23 | 旭富士 | 4勝5敗 | -1 | |
| 23 | 3代目若乃花 | 1勝2敗 | -1 | |
| 32 | 玉錦 | 2勝4敗 | -2 | |
| 32 | 柏戸 | 23勝25敗 | -2 | 優勝決定戦1勝1敗を含む |
| 32 | 双羽黒 | 4勝6敗 | -2 | 優勝決定戦1敗を含む |
| 32 | 鶴竜 | 2敗 | -2 | |
| 36 | 朝潮 | 2勝5敗 | -3 | |
| 36 | 朝青龍 | 5勝8敗 | -3 | 優勝決定戦2勝を含む |
| 38 | 鳳 | 4敗 | -4 | |
| 38 | 前田山 | 4敗 | -4 | |
| 38 | 栃錦 | 12勝16敗 | -4 | 優勝決定戦1敗を含む |
| 38 | 玉の海 | 7勝11敗 | -4 | 優勝決定戦1勝1敗を含む |
| 38 | 曙 | 12勝16敗 | -4 | 優勝決定戦1勝を含む |
| 43 | 宮城山 | 2勝8敗 | -6 | 1不戦敗 |
| 43 | 安芸ノ海 | 1勝7敗 | -6 | |
| 43 | 栃ノ海 | 4勝10敗 | -6 | |
| 46 | 佐田の山 | 11勝18敗 | -7 | 優勝決定戦1敗を含む/不戦勝 |
| 46 | 2代目若乃花 | 18勝25敗 | -7 | |
| 48 | 男女ノ川 | 2勝10敗 | -8 | |
| 48 | 大乃国 | 9勝17敗 | -8 | 優勝決定戦1勝を含む/不戦勝 |
| 50 | 輪島 | 21勝33敗 | -12 | 優勝決定戦1敗を含む |
時代背景と読みどころ
明治37年春場所からの大正期は取組が東西制で、横綱数も多くなく(東京横綱のみ9人)、短命の横綱もいたため、横綱同士の対戦数が少ない。23年間46場所中14取組しかない。太刀山は2代目梅ヶ谷と同じ方屋で対戦がなく、常陸山と1分、2代目西ノ海に1勝と、横綱戦はわずか2戦である。
大錦・栃木山・常ノ花は同じ出羽海部屋のため対戦がなく、横綱戦は大錦2勝、栃木山3勝ときわめて少ない。常ノ花は1927(昭和2)年の東西合併によって大阪横綱の宮城山との対戦が生じ、8勝2敗と圧倒した。宮城山の実力は小結程度といわれたが、横綱なので格下げするわけにいかなかった。

昭和以降は横綱の数の増加、系統別総当り・部屋別総当りの実施、場所数の増加、特に1958(昭和33)年の年6場所制によって横綱同士の対戦数が増加した。横綱同士の対戦好成績者は大鵬・双葉山・千代の富士・羽黒山・北の湖と大横綱が名を連ねている。大横綱は横綱同士の対戦でも強いといえる。
大鵬は柏戸・栃ノ海・佐田の山・北の富士・玉の海と5人の横綱と対戦しているが、負け越した横綱はいない。特に柏戸戦は19勝9敗(優勝決定戦1勝を含む)と圧勝している。

双葉山は玉錦・武蔵山・男女ノ川・安芸ノ海・照国と5人の横綱と対戦している。照国戦の2勝2敗以外は全勝で、特に男女ノ川戦は7勝全勝とワンサイドだった。

千代の富士は北の湖・2代目若乃花・隆の里・双羽黒・北勝海・大乃国・旭富士と7人の横綱と対戦している。同じ九重部屋の北勝海とは優勝決定戦で対戦した。隆の里戦の3勝3敗の五分以外は勝ち越し、大乃国戦が8勝2敗と一番いい成績を残している。
意外な対戦成績が吉葉山対栃錦戦である。吉葉山の6勝で、栃錦は横綱になって1度も吉葉山に勝っていない。ライバルの初代若乃花とは4勝7敗(優勝決定戦の1敗を含む)と勝ちにくくなっていた。

年6場所制で一番対戦数が少ないのが3代目若乃花である。貴乃花と同部屋で対戦がなかったことと横綱として短命だったこともあり、3戦しか対戦していない(曙戦1勝1敗、武蔵丸戦1敗)。
意外な負け組が朝青龍と輪島である。優勝回数は朝青龍が25回(歴代4位)、輪島が14回(歴代7位)と実績十分。朝青龍の横綱戦は白鵬のみで5勝8敗(優勝決定戦の2勝を含む)。輪島は最下位で、勝ち越したのは琴桜戦の2勝1敗のみ。北の富士戦(2敗)、北の湖戦(14勝19敗=優勝決定戦1敗を含む)、2代目若乃花戦(5勝8敗)、三重ノ海戦(0勝3敗)と負け越している。例外はあるが、強い横綱は横綱同士の一番にも強いといえる。
横綱同士の対戦についてよくある質問
横綱同士の対戦成績が最も良い横綱は誰ですか?
大鵬です。40勝21敗、勝敗差+19で歴代1位。5人の横綱と対戦して負け越しがなく、特に柏戸戦は19勝9敗と圧倒しました。
強い横綱は横綱同士でも強いのですか?
上位は大鵬・双葉山・千代の富士・羽黒山・北の湖と大横綱が並びます。例外はありますが、強い横綱は横綱戦にも強い傾向があります。
意外に苦戦した横綱はいますか?
輪島(21勝33敗・最下位)と朝青龍(5勝8敗)です。優勝25回の朝青龍は横綱戦が白鵬戦のみで5勝8敗、優勝14回の輪島は三重ノ海・北の湖らに負け越しました。
双葉山の横綱対戦成績は?
15勝2敗(勝敗差+13)で2位です。玉錦・武蔵山・男女ノ川・安芸ノ海・照国と対戦し、男女ノ川戦は7戦全勝でした。双葉山の個別の対戦成績は関連記事にまとめています。
個別の対戦成績シリーズ:双葉山の対戦成績 | 白鵬の対戦成績 | 鶴竜の対戦成績 | 武蔵丸の対戦成績 | 魁皇の対戦成績