義ノ富士とは何者か|熊本発・新入幕から1年で新三役に駆け上がった伊勢ヶ濱の出世頭

義ノ富士とは。名古屋場所2026で東小結に座る、伊勢ヶ濱部屋の新三役。

6月29日に発表された名古屋場所の確定番付で、熊本県宇土市出身の義ノ富士が東の小結に昇進した。新入幕からの所要はわずか六場所、ちょうど一年での新三役入りである。前の四股名は「草野」。日本大学で学生横綱に立った大型力士が、土俵の中央へ駆け上がってきた。

「義ノ富士って、誰だ」。番付表で初めてこの名を見つけた人も多いはずだ。十両に上がったと思えば連続優勝、入幕すれば賞を重ね、横綱の大の里を押し出す。気づけば三役。スピードに解説が追いつかない、いま最も勢いのある一人だ。ここでは確定番付の事実と、毎場所ほぼ全場所に立ち会う田口道宏の記録をもとに、義ノ富士という力士の現在地を一枚にまとめる。

目次

プロフィール|熊本・宇土の大型力士、伊勢ヶ濱部屋

スポンサーリンク

義ノ富士は熊本県宇土市の出身で、伊勢ヶ濱部屋に所属する。前の四股名は本名でもある「草野」。相撲を始めたのは五歳。地元の相撲クラブで土俵を覚え、そのまま角界の道を歩んできた。

体つきは押し相撲の力士というより、組んで力を出すタイプ。田口の記録では身長183センチ、体重151キロ、得意は右四つ寄り。右を差して相手を引きつけ、前へ運ぶ。学生時代の経歴も派手だ。日本大学に進み、四年生で学生横綱に立っている。アマチュアの頂点を踏んでからプロに入った。

四股名義ノ富士(旧・草野)
出身熊本県宇土市
部屋伊勢ヶ濱
体格・得意183cm・151kg/右四つ寄り
名古屋場所2026の番付東小結(新三役)
出典:確定番付(2026年6月29日発表)、田口道宏の記録

「草野」から「義ノ富士」へ|白鵬部屋の予定が閉鎖で消えた

角界入りの入り口は、平坦ではなかった。当初の入門先は元横綱・白鵬の宮城野部屋。ところが部屋の閉鎖により予定は白紙になり、移った先が伊勢ヶ濱部屋だった。デビューは令和6年(2024年)五月場所、幕下付け出しから。アマチュア実績のある力士が下から積み上げず途中から始める、あの位置だ。

四股名はしばらく本名の「草野」で取り続けた。「義ノ富士」を名乗り始めたのは2025年十一月場所から。「義」は義理人情の義。改名と同時に番付も駆け上がっていく。名前が変わった場所で、彼は横綱を倒す。

所要六場所の出世スピード|十両連続優勝、入幕で二度の三賞

昇進の足取りを並べると、その速さが際立つ。幕下は五場所かけて全て勝ち越したが優勝はなし。下積みらしい下積みはここまでだ。令和7年(2025年)三月場所、新十両でいきなり14勝1敗の優勝をさらう。新十両での優勝は史上41例目、令和では栃武蔵・尊富士に続く快挙だった。続く場所も13勝で連続優勝。十両を二場所で駆け抜けた。

2025年七月場所で入幕すると、初の幕内で11勝。敢闘賞と技能賞を同時に受け取った。十一月場所では横綱・大の里を押し出して破り、ふたたび技能賞。下位から一度も止まらず、新入幕からの所要六場所、約一年で新三役までたどり着いた。田口は番付の読み解きで「新入幕から所要六場所、ちょうど一年での昇進」と、この速さを確定の事実として記している。

強さの質|横綱には強く、大関の壁は未踏

義ノ富士の取り口には、はっきりした傾向がある。横綱戦は3勝1敗で、大の里には連勝中。番付の頂点に物おじしない。一方で、大関戦はまだ白星がない。上には強いが、大関の壁だけが越えられていない。これが2026年三月場所までの現在地だ。前頭上位で二場所連続の勝ち越しを決めながら、一月場所は西の筆頭で8勝しても番付が据え置かれた経緯もある。実力が地位を追い越しかけていた、とみられる。

面白い相性もある。関脇に上がった安青錦だ。田口によれば、安青錦は幕下時代から義ノ富士に一度も勝てていない。義ノ富士は幕下で、3敗しかしていなかったその安青錦を破っている。上位で当たるようになっても、この相性はまだ義ノ富士に傾いている。新小結の義ノ富士が上位陣にどこまで食らいつくか。田口はそこに名古屋場所2026の色を決める鍵を見ている。

義ノ富士 よくある質問

Q. 義ノ富士の前の四股名は?

本名と同じ「草野(くさの)」です。2025年十一月場所から「義ノ富士」に改名しました。「義」は義理人情の義に由来します。

Q. どこの出身で、どの部屋?

熊本県宇土市の出身。所属は伊勢ヶ濱部屋です。当初は宮城野(元白鵬)部屋に入門する予定でしたが、部屋の閉鎖により伊勢ヶ濱部屋へ移りました。

Q. なぜこんなに出世が速いの?

日本大学で学生横綱に立ったアマチュア実績を持ち、令和6年五月に幕下付け出しでデビュー。新十両で14勝1敗の優勝、十両連続優勝、2025年七月の入幕では11勝で敢闘賞・技能賞を受賞しました。新入幕から所要六場所、約一年で新三役に昇進しています。

Q. 横綱や大関には勝てるの?

横綱戦は3勝1敗で、大の里には連勝中です(2026年三月場所時点)。一方で大関戦はまだ勝ち星がありません。「上位には強いが、大関の壁が残る」のが現在地です。

名古屋場所2026の番付全体は名古屋場所2026 番付(確定)読み解きに、初の名古屋・IGアリーナ開催を含む観戦情報は名古屋場所2026 完全ガイドにまとめている。あわせて読んでほしい。

スポンサーリンク

ブログランキング

当サイトはブログランキングに参加しております。記事をよんでいただいたら、以下バナーをクリックいただくと、ランキングに反映されます、1日1クリックよろしくおねがいします
にほんブログ村 格闘技ブログ 相撲・大相撲へ
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

相撲専属フリーライター・写真家。ペンネーム電光力。日本経済新聞社の記者を15年務め、日経HRの編集者を経て独立。2014年から大相撲ブログ「土俵の目撃者」を運営し、毎場所ほぼ全ての本場所を取材、土俵際から自ら撮影。撮影したリングサイド写真は9万枚を超える。にほんブログ村「相撲・大相撲」カテゴリ ランキング1位。

目次