2018年5月– date –
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栃ノ心15日間の戦い
五月場所、大関を目指して15日間戦った栃ノ心は堅くなることはなく、予想以上の13勝2敗の成績をあげ、見事大関を射止めた。相撲はますます強さと安定性を増し、危ない相撲が少なくなった。12勝で大関を決めても千秋楽も勝って有終の美を飾った。取口は右... -
新大関栃ノ心論
平成30年5月30日曇天の朝、春日野部屋には30人以上の報道陣が早くから集まっていた。そんななか栃ノ心の大関昇進が正式に決定した。9時27分協会から使者が赴き、伝達式が厳粛におこなわれた。「謹んでお受けいたします。親方の教えを守り、力士の手本と... -
平成30年七月場所チケット事情
七月場所のチケットが五月場所の12日目に発売された。通常チケットの発売日は場所後の土曜である。大阪場所だけ日曜である。七月場所が変則なのは相撲協会と中日新聞が主催による事情からである。以前は5日目発売だった時期がある。木曜発売がいいのか悪... -
平成30年五月場所総評
★大相撲五月場所は15日間満員札止めで終了した発売日に数時間で完売だから人気は続いている。不祥事や横綱の休場が予測されていても少しも影響が出ていない。ただ、その裏にネットダフ屋が暗躍している節があり、ゆゆしき問題である。土日は倍の値段で販売... -
■夏千秋楽 鶴竜対栃ノ心もう一つの戦い
14日目の横綱鶴竜対関脇栃ノ心戦が事実上の優勝決定の一番だった。千秋楽は1敗鶴竜を2敗栃ノ心が追いかける形だが、相撲ファンの間では優勝決定戦はない、という冷めた見方が支配していた。栃ノ心は千秋楽平幕の勢との対戦になったが、危なげなく向こう... -
■夏14日目 日はまた昇る栃ノ心
鶴竜、栃ノ心当たり合うも鶴竜が低く両前褌をねらう。だが、栃ノ心右差しで強引に右四つにいく。遅れて左上手を取る。引きつけ寄るが、鶴竜こらえてがっぷりの状態が続く。栃ノ心再度引きつけ寄って出る。この連続攻撃に鶴竜ついに正面土俵を割った。これ... -
■夏13日目 落とし穴にはまった栃ノ心
前日最大の実力者であり、天敵であった白鵬を力相撲の末勝利した栃ノ心。そんな栃ノ心にとって白鵬を超える強敵はいないと思われた。13日目、比較的注目の取組が少ないなか、栃ノ心の対戦相手は正代であった。実は先場所栃ノ心の突きをかいくぐってふとこ... -
■夏12日目 1敗白鵬対全勝栃ノ心戦を斬る
3強、横綱鶴竜・白鵬(ともに1敗)・関脇栃ノ心(全勝)の決戦のなかで最大のヤマ場となる白鵬対栃ノ心戦は12日目結びの一番で実現する。優勝の行方を大きく左右する大一番である。これまでの対戦成績は白鵬の25連勝ということは何度も触れてきた。この... -
■夏11日目 3強一歩も譲らず決戦へ
栃ノ心の対戦相手は琴奨菊である。対戦成績は7勝24敗だが、これは過去の数字である。地力はすでに逆転している、と以前書いた。土俵はその通りの展開となった。琴奨菊当たって上手を与えなかったが、出足がとまった。栃ノ心上手を取るやあざやかな上手投... -
■夏10日目 栃ノ心のこれから
栃ノ心は千代大龍に馬力負けしないどころか、圧倒して寄せつけなかった。栃ノ心はここまで10勝と予想をはるかに上回る長足の進歩をみせている。得意は右四つで左上手を取ると力強い。200キロ超えの逸ノ城さえ問題にしない。そしてときには突き押しで対抗す... -
■夏9日目 いつの場所も看板に偽りあり
優勝候補の対戦相手は下記である。栃ノ心対大栄翔白鵬対琴奨菊鶴竜対正代相撲は一方的でいずれも優勝候補を脅かすまではいかなかった。ここへきて9日目から負けが込んだ豪栄道と十両蒼国来が休場した。1日に不戦勝を2番も見せられる観客はたまったもの... -
■夏8日目 平成30年五月場所の行方
栃ノ心対逸ノ城栃ノ心は逸ノ城を苦にしない、ということは以前書いた。右四つがっぷりでは逸ノ城に攻め手がない。栃ノ心は力技で引きつけ寄り立てる。今日もそうした展開になった。栃ノ心はただ一人全勝かつ自身初のストレートでの勝ち越しを決めた。9日... -
■夏7日目 注目度高まる阿炎
7日目、土曜日だけあって国技館内には知った顔が見える。N氏、Y氏、IK氏、A氏とチケット獲得困難をのり越えての観戦だから大変な熱意である。<不戦勝で7勝となった栃ノ心>栃ノ心(肩すかし)遠藤本日の最大の注目の取組は遠藤の休場とともに消滅し... -
■夏6日目 優勝を狙える実力者に暗雲
15日間あれば気合がはいらない日、あるいは調子を落とす日もあるさ、と戦う力士は言う。6日目は優勝を狙える実力者にその兆候がみられた。初めて上位に番付を上げた豊山(前名小柳)はここまで5連敗。しかも横綱戦がまだない。対戦相手の栃ノ心は最も相... -
■夏5日目 相撲巧者遠藤恐るべし
重戦車逸ノ城か相撲巧者遠藤か。五月場所5日目、関脇と小結の両雄、なおかつともに成長株が激突した。立ち合い遠藤は当たり負けすることなく、右四つ食い下がった。そのまま寄り立てる。逸ノ城左上手を取って西土俵詰まるも、回り込んでこらえる。逸ノ城... -
■夏4日目 差が開いてきた栃ノ心と御嶽海
本日のメインイベントは関脇栃ノ心対小結御嶽海戦である。勝負に絶対はないが、地力は開いてきている。相撲は予想に反して栃ノ心の一気の出足に、御嶽海は何もできずに土俵を割った。栃ノ心が出足で相手を土俵際へもっていく相撲は珍しい。栃ノ心が優勝し... -
■夏3日目 心身ともに充実の栃ノ心
この日の栃ノ心の対戦相手は、先場所負けている玉鷲である。先場所の相撲は両者立ち上がるや激しい突き合いとなった。玉鷲は徹底した突きで応戦し、スキをみてはたくと、栃ノ心は両手をバッタリついてしまった。ただ、対戦成績は12勝4敗と栃ノ心が差をつ... -
■夏2日目 白鵬の成績は立ち合い次第
2日目の注目は引き続き、白鵬の立ち合いである。特にパワー相撲は一つ間違えると持っていかれる。2日目の対戦相手はまさにパワー相撲の実力者御嶽海である。白鵬は当たって左上手を取りにいく立ち合いをした。しかし、上手は取れずたちまち後退して防戦... -
■夏初日 稀勢の里と注目の2番を斬る
稀勢の里、高安がそろって休場という寂しい場所がスタートした。稀勢の里のケガは医学的に直るものなのだろうか。直ったとしても横綱の力である「力量抜群」にまで到達できるのだろうか。稀勢の里は今場所休場しても来場所展望が開けるとは限らない。いわ... -
栃ノ心の15日間を推測する
栃ノ心はここ2場所急速に力をつけてきた。稽古総見では最も強さを発揮した。今、心身ともに最も充実しているように映る。五月場所は大関への挑戦場所になる。対戦相手は横綱の鶴竜から5枚目の琴奨菊までである。栃ノ心の15日間の戦いを推測してみた。<... -
H30年夏 横綱・大関に挑む12人のサムライ
横綱稀勢の里は本日11日8時前に五月場所の休場が決まった。7場所連続休場となった。稀勢の里のみならず、高安まで休場とは、一転して寂しい場所になりそうである。横綱白鵬は土俵に戻ってくる。2横綱1大関の上位にフルに挑む力士は、5枚目琴奨菊まで... -
白鵬、迷いのない立ち合いへの脱却
<白鵬の稽古>2勤1休できた白鵬が初の連続休場あとに迎えるのが五月場所である。稽古総見では小結遠藤、小結御嶽海相手に稽古したが、横綱同士の稽古はなかった。ただ、調子は上向いているように見えた。大鵬は休場明けよく優勝したので、不死鳥といわ... -
栃ノ心実力評価の変遷
五月場所栃ノ心は大関に挑むことになる。実は横綱・大関と対戦する地位で2ケタ勝ったのは3回しかない、と聞いたら意外に思うだろうか。そこで栃ノ心がこれまで上位であげた成績を表にしてみた。それが以下である。初めて横綱・大関に挑んだのは入幕4場... -
鶴竜に残された課題
先場所は久々に鶴竜が復活し、優勝した。白鵬、稀勢の里が初日から休場するなか、一人横綱の責任を果たしたといえる。優勝は4回目、大阪では2回目である。ある熱狂的鶴竜ファンは言う。「あと1回優勝して5回にしてほしい」それも必要だが、鶴竜にはま... -
稀勢の里に忍び寄る影
稀勢の里は本調子ではない。稀勢の里は五月場所を休んだほうがいい。いまや稀勢の里の出場に誰もが不安を口にする。もはや6場所連続優勝の稀勢の里には後はない。今度出場すれば進退をかけることになる。ここへきて風邪で体調が悪いまで加わった。それだ... -
大相撲優勝・次点力士9 平成後期
平成後期に入り、現在に近づいてきた。優勝・次点をみていこう。次点は当然優勝者に次ぐ成績の力士だが、横綱・大関と対戦のない力士及び部分対戦力士ははずした。複数いるときは上位力士とした。大相撲は白鵬時代に入った。この時期の白鵬は19場所中13場... -
幕内0勝力士の降下枚数
五月場所の番付で大方の予想に反したことがあった。西5枚目全休の阿武咲は幕内残留かと思われたが、実際は十両落ちしてしまったことである。この予想は専門誌も、相撲ファンの方の予想も同様であったから、意外な結果と受け取られた。そして幕内に留まっ... -
大相撲優勝・次点力士8 平成中期
平成中期の優勝・次点をみていこう。次点は当然優勝者に次ぐ成績の力士だが、横綱・大関と対戦のない力士及び部分対戦力士ははずした。複数いるときは上位力士とした。貴乃花は平成10年の九月場所以来13場所優勝から遠ざかっていた。休場5場所、1ケタ勝... -
平成30年稽古総見見聞記
5月3日は公開稽古総見の日である。昨夜から降り出した雨は、日をまたぎ激しくなってきた。いつもは10キロ先の駅まで自転車で行って始発に乗り、両国に5時半ごろ着くのが常だった。ところが激しい雨、場合によっては風も吹き荒れるとの予報では、自転車... -
旭大星の出世街道
北海道出身の幕内力士が久々に誕生した。かつて北海道といえば青森をしのぐ相撲王国だった。なにしろ横綱を戦後だけで8人誕生している。その中には大横綱大鵬、北の湖、千代の富士が含まれている。近年、北海道出身の幕内力士はいなく、旭大星は貴重な存...
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