五月場所の番付で大方の予想に反したことが
あった。西5枚目全休の阿武咲は幕内残留
かと思われたが、実際は十両落ちしてしまっ
たことである。この予想は専門誌も、相撲
ファンの方の予想も同様であったから、意外
な結果と受け取られた。そして幕内に留まっ
たのは西14枚目で5勝10敗の錦木であった。

<阿武咲>
昨年の十一月場所の幕内0勝力士、照ノ富士・
貴ノ岩・宇良は11枚目しか下がらなかった
ので、阿武咲の13枚降下は思いもよらない
扱いであった。それでは幕内0勝力士は翌場
所どのくらい下がっているのか調べてみた。
対象は公傷制度が廃止され、幕内の定員が
42人になった平成16年以降とした。横綱・
大関は0勝でも翌場所下がることがないので、
対象外とした。また関脇以下の0勝でも、
その場所限りで引退した力士もはずした。
そうして調査したのが次の表である。
と全休だけである。最も負けたのが平成19年
五月場所の垣添である。12敗3休の成績で
ある。もっとも15戦全敗の幕内力士は、平成
3年七月場所の板井、昭和63年三月場所の
佐田の海(父)、昭和38年十一月場所の清勢
川(後の清の盛)、昭和17年春場所の桂川と
片手で数えるほどしかいない。

<若の里>
最も降下させられたのは、平成21年五月場所
西前頭7枚目の若の里である。全休した翌場
所は15枚下げられ、十両西6枚目まで落ちて
しまった。逆に最も下げ幅が小さかったのは、
平成16年十一月場所東前頭筆頭の出島である。
3敗12休の翌場所は9枚下がっただけの東前
頭10枚目に位置した。

<出島>
幕内に残留できた最も低い地位は、平成17年
七月場所西前頭6枚目の栃乃洋である。2敗
13休の成績で翌場所は東前頭17枚目と幕尻
ながら、ラッキーにも留まっている。
67例の降下枚数の平均は12枚であった。阿武
咲は今回平均をオーバーしてしまった。最も
登場した力士が豊真将で5回である。続く
力士が若の里と把瑠都の3回である。連続
幕内0勝は照ノ富士ただ一人である。関脇
及び前頭10枚目で実現してしまった。その
後十両落ちして、負け越している。

<豊真将>
なお、平成22年七月場所の謹慎休場は野球
賭博によるものである。琴光喜はこの件で
解雇させられている。
0勝力士はケガによることが多いうえに、
大幅に降下させられるだけに、弱り目に祟り
目である。
食欲が落ちました。
興味深いテーマをこれからもお届けします。
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