大相撲独特の文化に四股名がある。ほかのプロスポーツ、メジャー
リーグ、プロ野球・サッカーには見られない特徴である。将棋、囲
碁にもない。プロレス・ボクシングに名前の変形がある。ジャイア
ント馬場、ファイテング原田などである。落語は本名ではなく、独
特のつけ方がある。けれど四股名とはまた違う。歌舞伎は伝統名が
ベースになっている。

力士に改名はつきものである。近年改名して印象に残っているもの
に霧馬山改め霧島がある。ずっと霧馬山できて、大関になったとた
ん昔の名前霧島では白ける。しかも大関霧島はそんなに強い大関で
はなかったのでなおさらである。
若碇改め藤ノ川も残念だった。先代、先々代の藤ノ川をみているだ
けにいまさらという思いであった。先代藤ノ川は期待されたが、大
成しなかった。入門は年寄株を約束されていたが、出世できなかっ
たので辞退して相撲界を去った。先々代藤ノ川は関脇までいき、大
関清國と優勝決定戦で戦った。だが、ケガのため26歳という異例の
若さで引退した。
古くはどうだったか。安念山が2代目羽黒山に改名した。羽黒山は
横津何の名前であり、大きすぎた。安念山はなかなか大関になれま
せんね、というアナウンサーに解説の玉の海梅吉さんは「これじゃ
あ安念山じゃなく残念山ですなあ」と答えた。

若三杉が大豪に改名したときは力が抜けた。若三杉は響きがよかっ
た。だが、なかなか大関になれないため改名した。残念ながら効果
はなかった。のちに3代目若乃花の前名が若三杉であり、花籠(元
大ノ海)部屋の板倉が大豪に改名したことがあった。つまり、若三
杉と大豪が同時に存在したことがあった。
ほかに麒麟児改め大麒麟、玉乃島改め3代目玉の海があげられる。
前名で名をあげ、浸透していたのになぜいまさらという思いが強か
った。この2力士は特に好きな力士だっただけに驚きを隠せなかっ
た。