番付発表の日、朝乃山は「勝ち越し目指して
がんばる」と語っていた。勝ち越しを目指す
のはどの力士も同じだが、朝乃山は特に先場
所の優勝者として恥ずかしくない成績を残し
たい思いはあるだろう。実は、朝乃山は入幕
12場所目で初めて上位に上がってきた。果た
して朝乃山の勝ち越しはあるのだろうか、
検証してみた。
横綱・大関のうち、鶴竜、白鵬、高安とは
初顔合わせになる。四つ身のうまさの鶴竜、
反応の速さの白鵬、パワー相撲の高安といず
れも容易な相手ではない。勝利の可能性は
低いが、先手をとれれば相撲は面白くなる。
＜五月場所、大関豪栄道に勝った朝乃山＞
豪栄道・栃ノ心には１勝１敗の対戦成績を
残している。この２人の大関のほうが
朝乃山にとっては取り易いかもしれない。
貴景勝には１勝２敗である。問題は貴景勝が
どこまで回復して自分の相撲を取れるかに
かかっている。６人の横綱大関に２勝４敗で
いきたいところである。
関脇・小結はどうか。御嶽海に１敗、玉鷲に
２敗の対戦成績で、優勝した先場所は両力士に
完敗している。実力者の突き押し相撲に対応
できていなかった。工夫をみせなければ苦戦は
必死である。小結阿炎には十両以降４勝２敗、
竜電には同じく十両以降３勝５敗である。関脇・
小結には２勝２敗でのり切りたいところである。
＜五月場所、玉鷲に完敗した朝乃山＞
平幕上位の対戦成績は以下である。
北勝冨士１勝１敗
碧山 ３勝２敗
遠藤 １勝３敗
正代 １勝１敗
大栄翔 １勝５敗
パワー相撲の北勝冨士・碧山戦は油断できない。
一歩間違えると後手にまわり、苦戦する。遠藤・
大栄翔には対戦成績で負け越している。ここを
４勝１敗でのり切れば勝ち越しの可能性がでて
くる。
＜大栄翔には５連敗中の朝乃山＞
こうみてくると、勝ち越しはすべてが予定通り
進んだ場合に限定される。それだけにどこかが
くずれれば、負け越しにつながるといえる。
やはり初上位での勝ち越しは難しいと考える
のが自然である。
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