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白鵬の壁に挑む稀勢の里

先場所(三月場所)のメインエベントは、横綱白鵬対大関
稀勢の里戦だった。結局この一番、白鵬が速攻で稀勢の
里を圧倒した。その後の展開の結果、勝者白鵬が14勝1
敗で優勝し、敗れた稀勢の里は1差で及ばなかった。これ
まで、稀勢の里は4度13勝2敗をあげてきたが、いずれも
優勝に結びついていない。その内訳は以下である。
 白きせ1A
すべて次点である。特に白鵬が4度中3度も稀勢の里を
上まわる成績をあげている。要するに稀勢の里は、白鵬が
壁になっていて優勝に届かなかったわけである。
160323十一日目幕内゙ 781
<三月場所、白鵬の速攻に完敗した稀勢の里>
 
白鵬対稀勢の里戦の初対戦は、白鵬が新大関で優勝した
平成18年五月場所だった。今から10年前のことである。こ
のとき稀勢の里は前頭筆頭であった。この初対戦は、白鵬
が当然勝利した。ただし、白鵬の大関在位7場所のうち、
全休した場所を除くと、稀勢の里は3勝3敗と意外にも五分
の星を残している。稀勢の里と白鵬の地位別成績は以下で
ある。
白きせ2A
幕内 336
<平成18年九月場所 3戦目で大関白鵬から
初勝利をあげた稀勢の里>

稀勢の里が関脇以下のとき、横綱白鵬には4勝20敗と、ほ

とんど勝てなかった。単に実力差だけでなく、白鵬の全盛期
に当たっているせいもある。白鵬は平成21年、22年とも年間
86勝4敗と無敵であった。平成22年から23年にかけては7連
覇を達成している。しかし、稀勢の里は数少ない勝利のなか
で、価値ある1勝をあげている。白鵬の連勝を63でストップし
ているのである。平成22年十一月場所2日目のことである。
対稀勢の里戦、白鵬が数字的には圧倒している。しかし、白
鵬にとって、妥協なきがちんこ稀勢の里はきわめて危険な
対戦相手である。連勝が43でストップした相手も稀勢の里で
あった。昨年の一月場所はもつれて、取り直しになっている。
白鵬が場所後「子供でもわかる」と発言して、取り直しをさせ
た審判を批判して問題に発展した相撲である。
11019十一日目幕内 1351
<平成23年一月場所 白鵬戦で初めて連勝した稀勢の里>
 
稀勢の里と白鵬はこれまで55回という長期に渡って対戦
している。稀勢の里が優勝するためには、白鵬戦の勝利は
不可欠である。そのためには、白鵬の速攻に対して負けず
に踏み込み、もつれた相撲を取りたいところである。組まず
に突き押しで攻め立てる相撲である。

白鵬はかつての白鵬ではない。稀勢の里はこれまで、期待
をしても結果を残せなかった。しかし、考えすぎず、稽古で
培った力を土俵で発揮すればいい。今こそ白鵬を倒して優
勝するチャンスである。

明日から五月場所
興味深いテーマをこれからも届けます。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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