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貴乃花を退職に追い込んだカタチ・手法

無事に終了した九月場所のわずか2日後、
驚きをもって発表されたのが貴乃花の協会
退職(本人の表現は引退)であった。記者
会見での退職理由と協会の反論が以下である。
1.今年の3月内閣府に提出した告発上を
事実無根と認めること。そうでないと親方
廃業に追い込まれると迫られた。
※協会 そのような事実は一切ない
2.どこかの一門必ずはいること。さもなけ
れば部屋もちの親方はできないと言い寄ら
れた。さらに告発上を事実無根と認めない
限り一門にはいれない。
※協会 そのような事実も一切ない。一門
加入は運営助成金を無所属に個別に渡すと
使途不明金となる恐れがあるためで、公益
財団法人としてふさわしくないからである。
7月下旬に決め、期限は九月場所後理事会
までである。加入していないときはその場で
審議することになっていた。
ことの顛末は公式発表の文書がなく、尾ひれ
がついて貴乃花に伝わったことである。1は
認めなければ廃業の一文はないが、協会は
全否定である。全否定されては自分の立場は
ないと考えても不思議はない。
フジ
<夕刊フジの記事>

2は特にマスコミにも発表されなかった。
決定されたのは七月場所後の理事会である。
冷静に見るとこれは旧貴乃花一門のみを対象
とする規定である。これは協会のいうコンプ
ライアンスやガバナンスという意味があった
のか、疑問である。逆にいまさら他の一門に
入れない貴乃花を追い込む結果となったこと
は十分考えられる。
事実旧貴乃花一門の通称阿武松グループは
古巣の二所一門入りしたが、すんなり決まっ
たわけではなかった。頭を下げても、二所
一門のなかには反対派もかなりいた。自ら
理事に立候補するために二所一門を飛び出し
ただけに貴乃花に戻るところはなかった。
報知
<スポーツ報知の記事>

元琴錦は佐渡ヶ嶽部屋出身の力士である。
琴錦は年寄株に苦労していた。準年寄-若松
-竹縄-浅香山-荒磯-秀ノ山-中村とここ
まですべて借株でしのいできた。なお、尾車
部屋で部屋付きの親方をしていたのは中村の
ときである。
元琴錦が正式に年寄株を取得したのは平成
28年1月のことである。元大受の定年によっ
て、朝日山を取得し、部屋を復興した。元
琴錦が二所一門の力士でありながら、伊勢ヶ
濱一門に身をおいているのはこうした事情に
よる。平成12年九月場所後の引退から15年
4ヶ月たっていた。
その朝日山が貴乃花の身を案じ、伊勢ヶ濱
一門へ入るよう勧誘した。だが、反対派の
親方が「それなら自分が一門を出る」とまで
いわれ、断念せざるを得なかった。5つの
一門に入れといわれても貴乃花には行き場が
なかった。結局9月27日の理事会までに5つ
の一門のいずれかにはいるようにという未
発表で文書のない規定が一人歩きし、貴乃花
を追い込んだことになる。
若貴フィーバーで満員御礼連続666日、真剣
勝負で勝ち取った優勝22回、現在唯一の一代
年寄。そんな功績のある人物を追い出すよう
なカタチで協会を去らせて本当にいいのだ
ろうか。

台風が心配です。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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