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稀勢の里の変遷 8

平成23年九月場所、稀勢の里は関脇で初めて
12勝をあげ、大関の足固めをした。稀勢の里
は意外な相手に負けることが多かった。九月
場所はそれがなかった。以前から稀勢の里は
優勝を目指すつもりで取り組んでほしいと思っ
ていたが、兆しが見えたかなというところであ
る。
kisenosatoA
<九月場所 白鵬を倒した稀勢の里>
 
九月場所のメモから
10勝、12勝と2ケタ勝ち星をあげたが、大関
の可能性は大いにあると思う。稀勢の里は早
くから期待されていた。思わぬ相手に負けて
いたのが、遅れていた原因だった。今の大関
は優勝を争えないだけに今後九月場所のよう
な相撲をとって決めてほしい。
ところが、十一月場所開始直前に予想もでき
ない訃報が待っていた。稀勢の里の師匠であ
る元隆の里の鳴戸親方が急死したのである。
あまりにも突然のことで誰もが驚いた。何の
予兆もなく、まさかのできごとだった。週刊誌
に力士殴打事件、太らせるため薬物を使用
したと報じられ、協会も事情聴取し、結論を
だそうとしていた矢先だった。
naruto
<故鳴戸親方(元隆の里)>
 
師匠亡きなかで、大関を狙う稀勢の里の十一
月場所が始まった。14日目まで稀勢の里は10
勝4敗の微妙な成績であった。千秋楽勝てば
大関昇進かと思われた。ところが思いもよらな
い情報が舞い込んだ。14日目までの成績で
大関昇進が決定したのである。これは、千秋
楽勝って大関となった場合、対戦相手の琴奨
菊の心理に影響をあたえてしまうという配慮
らしい。しかし、それでいいのだろうか。
きせ対琴欧州A
<十一月場所 琴欧洲に辛勝の稀勢の里>
 
結果は苦手琴奨菊に一方的に敗れ、稀勢の里
は10勝止まりで終わった。3場所通算32勝で
ある。七月場所、琴奨菊が32勝で見送られた
ことと比べると優遇されたといえる。しかし、過
去には当人さえ上がると思っていなかったもっ
と甘い昇進がかなりある。大関昇進基準33勝
はあくまで目安といえば聞こえはいいが、よう
するにいい加減なのである。稀勢の里はこう
して大関に昇進し、年6場所15日制における
最強の大関として現在にいたっている。
千秋楽新聞A
<十一月場所の千秋楽を伝えるスポーツニッポン>
 
最後に稀勢の里語録を紹介する。「天才は生
まれつきです。僕は天才にはなれません。だ
から、努力するしかないのです」
長い間「稀勢の里の変遷」をお読みいただき
まことにありがとうございました。
7月 大相撲企画番組の録画を整理。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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