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照ノ富士 今が分岐点

1年前の五月場所、照ノ富士は関脇で優勝して大関昇
進を決めた。そんな話題も今は遠い昔になりつつある。
照ノ富士はここのところ9勝、3勝、8勝と低空飛行を通
り越して飛行すらしていない状態である。こうした照ノ
富士を見ていると、ある大関を思い出す。それは、前の
山である。
160318六日目幕内 1009
<琴勇輝に力負けした照ノ富士>

前の山は張り手をまじえた突っ張りで、闘志あふれる相
撲を取った。大関直前の場所は、横綱北の富士と優勝
決定戦までしている。このとき前の山は25歳であった。
北の富士も「おれみたいに大関に長くいるなよ」と前の山
の大関昇進の日に声をかけている。前の山は横綱を期待
できる逸材だったのである。
前の山の大関での1年間の成績は、全休、9勝、9勝、8
勝、8勝、8勝である。最後は大関から陥落した。優勝争い
どころか2ケタ勝利もままならない照ノ富士は、弱い大関
(それはけして大関とはいえないが)の道を歩むのか。
前
<前の山を報道した記事>
 
もう一人、思い出す大関がいる。玉乃島(後の横綱玉の海)
である。玉乃島も大関昇進後1年間1ケタ勝利に苦しんだ。
これは、そもそも甘い成績で大関に昇進したせいもある。
まだ大関の力はなかったのである。
地力をつけた玉乃島は成績が安定し、優勝もし、横綱昇進
のチャンスもあった。横綱に昇進してからの玉の海の相撲
はますます安定し、二枚腰さえみせた。
横綱玉の海土俵入り大写真
<安定した相撲を取った玉の海>
 
照ノ富士は成績だけでなく、相撲内容も弱くなっている。こう
見てくると照ノ富士が前の山の二の舞になるか、玉の海に
続くか分岐点に立っている。五月場所の成績・取り口が今後
の照ノ富士を決める。

大型連休でもどこにもいかず
興味深いテーマをこれからも届けます。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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