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十一月場所総評

●優勝争いについて
今年最後の場所、千秋楽結びの一番で優勝をかけた一番が
ようやく実現した。白鵬1敗、鶴竜2敗で白鵬が1差で
リードしていては実質白鵬の優勝が決定的ではあった。
内容も白鵬の一方的な相撲であった。鶴竜はせめて相星に
しておきたかった。鶴竜はよくやったが、優勝はまだ遠い。
141123千秋楽幕内B 099
<白鵬対鶴竜>
 
●白鵬の32回目の優勝 大鵬の最高優勝回数に並ぶ
日本プロ野球では長い間王選手のシーズンホームラン
55本が最高数だった。ローズ、カブレラと並んだ選手は
いても追い越した選手はいなかった。つい最近2013年
バレンティンが60本打って初めて抜いた。大鵬が32回の
優勝を達成して以来約43年10カ月ぶりに白鵬が並んだ。
白鵬の積み重ねた優勝がまさかここまでくるとは誰が
想像できたろうか。新大関で初優勝してすぐにも横綱か
と言われながら、足踏みしたときもあった。一人横綱
として相撲界を支えたときもあった。これから先は誰も
見たことのない景色になる。
●日馬富士について
日馬富士は2連敗して負けが込むのではと心配したが
最後までよく取りきった。しかし、日馬富士は今年ついに
優勝できなかった。今後は再び優勝にたどり着くよう
人の何倍も稽古をしなければならない。
141122十四日目I幕内 182
<日馬富士>
 
●逸ノ城をどうみるか
先場所の活躍からすると8勝は意外な感がするかもしれ
ない。内訳は横綱・大関戦1勝5敗、関脇以下7勝2敗
である。逸ノ城はまだデビュー6場所目である。過剰な
期待は禁物である。年2場所時代なら番付より実力が
上回ることはあっても年6場所では急速に成長することは
ない。8勝7敗はよくやったと言える。
141123千秋楽I幕内A 075
<逸ノ城>
 
●三賞について
殊勲=高安、敢闘=栃ノ心・旭天鵬
高安は優勝白鵬を倒し、栃ノ心は幕下に落ちながら4場所
連続優勝して幕内に復帰した。ゲガしてからのほうが強く
なった印象である。旭天鵬は40歳で10勝した。どれも
妥当な人選である。ただ、大相撲が太りすぎの集団では
技能賞は今後もめったに出ないかもしれない。
●そのほか気がついた点
休場力士が豊真将、出羽疾風、英乃海、大砂嵐、嘉風、
千代皇と多数出たが、途中出場で結局は豊真将と千代皇
のみが最後まで休場となった。途中出場後の成績は出羽
疾風5勝5敗、英乃海5勝3敗、大砂嵐4勝2敗、嘉風
4勝4敗となんとか持ち直した。やはり休場者が多過ぎる
と取組が少なくなるので結果的によかった。
★今場所を採点すると
白鵬が32回優勝を達成した点はよかったが、周囲の抵抗が
弱かった。大関陣は稀勢の里はまずまずだが、6勝の
琴奨菊・5勝の豪栄道に大関の実力はない。相撲内容は
熱戦もあったが、大味な相撲も目立った。総合点は65点。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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