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2021年七月場所総評

★誰もが予想できなかった千秋楽の全勝決戦
で45回目の優勝を達成した白鵬に関して

白鵬は1年間休場続き。15日間は戦えない。
ひざの回復状態が思わしくない。36歳。と
場所中引退する可能性は大きかった。それが
全勝優勝だから驚愕した。どんな小説家も、
シナリオライターも、漫画家もこんな筋書き
はリアリティーがなくてとても書けない。
危なかったのは後ろにつかれた隆の勝戦だけ
である。逆にいえばそういう相撲をモノに
できたので、動ける、いけると思ったのかも
しれない。七月場所フル出場したからといっ
て、また休場はなしにしていただきたい。

<白鵬45回目の優勝>

★照ノ富士の横綱昇進について

照ノ富士は優勝こそ逃したが、よくやった。
先場所も強かったが、最後にきて、ほころび
が出た。だが、今場所はつけいるスキがなか
った。5場所62勝13敗は安定した強さの証明
である。これは千代の山以降では貴乃花の
66勝9敗、輪島・千代の富士の63勝12敗に
次ぐ成績である。土俵入りは師匠(元旭富士)
ゆずりの太刀山型になるか。

<照ノ富士、苦手高安に快勝>

★正代・貴景勝・朝乃山の3大関に関して

貴景勝は本当に成績にムラがある。今場所は
早々と休場した。来場所はカド番である。
大関在位12場所になるが、5場所負け越し
である。横綱は期待できない。正代は8勝に
終わった。からくもカド番は逃れたが、期待
しにくい存在になった。クンロク・ハチナナ
大関に終始しそうである。

<8勝に終わった正代>

朝乃山がいないと取組的に物足りない。まだ
まだ出場停止が続くのだからこの状態が続く
ことになる。出場停止に陥った理由を考える
と朝乃山は罪つくりなことをしてしまった。
元初代若乃花の二子山親方のCMに「人間辛抱
だ」という言葉があったが、今の力士はこれ
がないのだろうか。

★上位関脇以下勝ち越し力士について

上位で勝ち越した関脇以下の力士は御嶽海、
明生、隆の勝、逸ノ城、北勝富士と5人でた。
逸ノ城が10勝したが、白鵬・照ノ富士戦は
見せ場がほしかった。あとは8勝だが、明生
は必死で小結を守った。北勝富士は上位で
勝ち越し負け越しをずっと繰り返している。

★三賞について
敢闘賞琴ノ若、技能賞豊昇龍に決定した。
上位力士に三賞が出なかったのは物足りなか
った。豊昇龍は大関正代に勝ったが、横綱・
大関戦は部分対戦で終わった。かつて軽量に
泣いた時期があったが、たくましさを備えて
きた。琴ノ若はこれをきっかけに大バケして、
上位で通用する力士に育ってほしい。

<琴ノ若(手前)と豊昇龍>

★名古屋の大相撲人気に関して

平日はガラガラだった。13日目が比較的入っ
た感じ。土日はけっこう入ったが、掛け値
なしに入ったのは14日目、千秋楽だけである。
チケットの売り方が、なじみがなく、お年寄
り、外国人はわかりにくい。大相撲サイドは
新しいスターがほしいところだが、直ぐには
難しい。

★ほかに気がついた点は

2日目物言いがついた末、取り直しになった
炎鵬。だが脳震盪のため棄権した。星取表に
■だけでは誤解される。注釈をつけたほうが
いい。

★最後に場所の採点を
よくも悪くも68点。

ようやく名古屋から帰ってきました。
興味深いテーマをこれからもお届けします。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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