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豊ノ島の相撲人生3

2010年七月場所の出場停止で、豊ノ島は一気
に十両に落ちた。十両落ちは3度目になった。
だが、十両では実力が違った。豊ノ島は14勝
1敗で優勝した。1場所で幕内に復帰した。
迎えた十一月場所、注目は白鵬の連勝記録で
あった。先場所まで62連勝と双葉山の69連勝
に迫っていた。

白鵬の連勝は2日目、稀勢の里にストップ
された。この場所豊ノ島は前頭9枚目に番付
を戻していた。謹慎の落ち込みは家族の激励、
支えによって立ち直ろうとしていた。3日目
に旭天鵬に負けた以外は、快進撃が続いた。
終盤1敗同士で大関把瑠都、2敗の大関魁皇
と対戦したが、これをのりこえ、白鵬と並ん
で1敗を併走した。

<2010年11月 稀勢の里に勝って14勝>

筆者は福岡国際センターで観戦していたが、
千秋楽は白鵬対豊ノ島が直接組まれるのでは、
と思った。実際は、惜しくも(?)白鵬対
大関で8勝の琴欧洲戦、豊ノ島対10勝稀勢の
里戦となった。豊ノ島が稀勢の里を退け、
白鵬が琴欧洲に圧勝し、優勝の行方は決定戦
となった。優勝決定戦では白鵬に一日の長が
あって、豊ノ島を問題にしなかった。敗れは
したものの、敢闘賞、技能賞を受賞した。
豊ノ島にとって一番思い出深い最高の場所と
なった。

<2010年11月 白鵬との優勝決定戦で敗北>

2011年一月場所、豊ノ島は前頭筆頭と再び
横綱・大関と対戦する地位まで戻してきた。
この場所豊ノ島は1勝7敗から7連勝という
ねばりをみせ、勝ち越した。2011年は八百長
発覚で三月場所が中止になり、五月は技量
審査場所として無料開催となった。そんな
なかで豊ノ島は39勝35敗と勝ち越している。
ただし、大関戦は以前ほど勝てなくなって
いた。

2012年は45勝45敗の五分とした。だが、2013
年から2015年の3年間は年間負け越しが続い
た。のみならず、三役・三賞なしがこの間
続いた。ただ、横綱日馬富士に3勝していた。

<2015年3月 日馬富士から金星>

豊ノ島最後の三賞は2016年の一月場所、意外
なカタチでとびこんできた。この場所豊ノ島
は横綱・大関戦は大関琴奨菊戦だけであった。
その琴奨菊に13日目に勝っている。ところが
琴奨菊が10年ぶり日本出身の優勝を成し遂げ
たのである。この一番だけで殊勲賞となった。
この場所12勝3敗で翌場所関脇に昇進した。
そしてこれが最後の三役となった。

<2016年1月 優勝琴奨菊から勝利>

2016年7月、33歳になった豊ノ島を悪夢が
襲った。稽古中におきたアキレス腱断裂で
あった。力士生命に関る大アクシデントだっ
た。奈落の底につき落とされたような暗澹
たる気持ちに陥った。

(この項目続く)

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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