4月10日、幕下以下の力士一人がPCR検査
の結果、新型コロナウイルスで陽性反応が
でた。当初は一人だけか、という意識があっ
たことは否めない。ところがそれから約半月
後、仰天するようなニュースがとびこんで
きた。高田川(元安芸乃島)部屋で親方、
十両白鷹山、幕下以下4人の感染が判明した。
野球界、芸能界などで感染や死亡報告が伝わ
るなかで、相撲界だけが例外というわけには
いかなかった。それどころか、相撲部屋は
師匠と弟子が稽古、生活をともにする場で
ある。幕下以下は共同部屋である。無傷と
いうわけにはいかない環境で成り立っている。
センバツ高校野球は結局中止になった。プロ
野球はいまだ開幕できない状況である。感染
者は拡大中、非常事態宣言が全国に出され、
8割、人との接触を避けることが強調されて
いる。非常事態宣言は5月6日までの予定
だが、とても解除される雰囲気はない。延期
の声が出始めている。人が密集する店が休業
を余儀なくされている。3月より、状況は
とてつもなく悪化している。
さらに陽性でも症状が出ないケースがあると
なると、検温だけでは対応できない。共同
生活、稽古、支度部屋、土俵下土俵上を問わ
ず密着、密閉、密接は避けられない。つぶさ
に検討すると5月は通常開催はありえない。
少数観客だって同様である。それでは無観客
開催はどうか。三月場所中でさえ力士に感染
者が出たら、即中止と決めていた。東京では
連日100人超えの感染者を出している。予断
を許さない今の状況は常識的には無観客だっ
て無理がある。
中止となると2011年の三月場所以来である。
このときは八百長発覚で、場所後のトーナ
メント、福祉大相撲さえ中止になった。引退
相撲は延期になった。無観客でも見たいと
いうのはファン心理かもしれないが、命に
優るモノはない。症状が軽いと判断され、
自宅待機していた方が亡くなる時勢である。
大相撲は800人以上の大所帯である。力士、
親方、行司、呼出、床山を危険にさらすこと
だけは、なんとしても避けたい。
27日は番付発表。
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