横綱が優勝から遠ざかった理由|北の湖・輪島ら7人に何が起きたか

横綱でも、優勝から長く遠ざかる時期は避けられない。この記事は、北の富士・玉の海・琴櫻・輪島・北の湖・2代目若乃花・三重ノ海の7人について、連続優勝なしがいつ、どういう事情で起きたのかを田口がたどったものである。最長は2代目若乃花の14場所で頚椎の疾患が影響し、北の湖の13場所は晩年でうち8場所が休場だった。
▶▶ 記録そのものを順位で見るなら横綱で優勝なしの記録|一度も優勝がない9人とワースト51人の一覧へ。こちらは常陸山以降の横綱51人を場所数の多い順に並べている。

場所数と事情は、いずれも田口が本文で記した内容による。対象は本記事で取り上げた7人で、横綱全員の記録ではない。

目次

この記事で扱う7人|連続優勝なしと、その事情

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下の表は、本文で田口が語った7人をまとめたものである。同じ「連続優勝なし」でも、休場が続いた者、故障を抱えた者、引退までそのまま終わった者と中身はそれぞれ違う。

横綱連続優勝なし何が起きていたか
北の富士5場所引退した場所を含む5場所連続。横綱優勝は7回
玉の海3場所新横綱からの3場所。横綱4場所目からの1年間は84勝6敗
琴櫻5場所横綱優勝は1回。その翌場所から引退まで
輪島9場所腰の故障で3場所連続休場した時期に8場所、その約2年後に9場所
北の湖13場所晩年に13場所連続。うち8場所が休場
2代目若乃花14場所頚椎の疾患もあり、引退までの14場所連続
三重ノ海5場所大関陥落後から横綱になった。引退までの5場所連続
本記事で扱う7人の連続優勝なしと事情(田口の本文より)

北の富士|連続優勝なし5場所

燃える要素があると強いのが北の富士であっ
た。初優勝は元千代の山の九重が出羽海部屋
から破門独立した直後という劇的な優勝で
あった。2度目は清國の新大関優勝に刺激
されて、一気に横綱を決めたときであった。
大関在位は21場所と長かった。大鵬は晩年
であった。その大鵬に勝っての優勝はついに
なかった。横綱優勝は7回。連続優勝なしは、
引退した場所を含む5場所連続である。

北の富士の絵葉書
<北の富士の絵葉書>

玉の海|連続優勝なし3場所

玉の海は大関時代、横綱のチャンスはあった。
だが、決定打に欠けていた。13優勝勝-10勝
-13勝とやや甘い成績で昇進した。横綱連続
優勝なしは、新横綱からの3場所である。
玉の海の相撲が抜群の安定感をみせたのは、
横綱4場所目からであった。ここからの1年
間は84勝6敗というほど負けなかった。大鵬、
北の富士には勝っている貴ノ花には、1度も
負けなかった。現役で亡くなるという悲劇
さえなければ、どこまで到達したか。その
可能性が大きかっただけに本当に惜しまれる。

玉の海
<玉の海>

琴櫻|連続優勝なし5場所

琴櫻は大関32場所在位。誰も横綱になるとは
思っていなかった。32歳で連続優勝できそう
という途中経過のなかでさえ、否定的な見方
をされていた。
・無気力相撲を指摘された過去がある
・32歳で成長性がない
・なっても短命に終わりそう
だが、厳しい評論でなる方々が琴櫻にだけ
厳しいのは、不公平であると口にした。こう
した背景のなかで横綱琴櫻は誕生した。横綱
優勝は1回である。その翌場所から引退まで
5場所優勝していない。

輪島|連続優勝なし9場所

学生出身で唯一横綱になったのが輪島である。
輪島は型破りな横綱だった。地方場所はホテ
ル住まい。交友関係は一流の方ばかりであっ
た。稽古にランニングを取り入れたが、当時
は珍しかった。横綱で12回優勝している。
そのなかでピンチだった時期は腰の故障から
3場所連続休場した。昭和50年三月場所から
である。この時期8場所連続優勝なしを記録
した。だが、輪島の横綱連続優勝なしはその
約2年後で9場所連続を記録している。

輪島
<輪島>

北の湖|連続優勝なし13場所

史上最年少で横綱になった力士が北の湖で
ある。大関3場所で横綱に昇進したが、まだ
抜群の強さはなかった。大関3場所目、輪島
に本割、優勝決定戦で負けてから、輪島に
6連敗をきっしている。横綱優勝23回でにく
らしいほど強いといわれた時期があった。
その反面優勝決定戦は3勝5敗と負け越して
いる。5敗のうち4敗は下位相手であった。
横綱の連続優勝なしは晩年に13場所連続を
記録している。そのうち8場所が休場であっ
た。

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北の湖
<北の湖>

2代目若乃花|連続優勝なし14場所

2代目若乃花は下半身がやわらかく、ふと
ころが深いなど素質のある逸材であった。
甘いマスクで女性ファンが多かった。元安芸
ノ海は若乃花を北の富士級の横綱になれると
見ていた。しかし、大器は花開くことはなか
った。横綱優勝はわずか3回であった。頚椎
に疾患があったこともあり、引退までの
14場所連続優勝なしがある。プライベート
では師匠元初代若乃花の娘と結婚したが、
別離し、年上のホステスと再婚するなど週刊
誌ネタとなった。

2代目若乃花
<2代目若乃花>

三重ノ海|連続優勝なし5場所

三重ノ海は大関陥落後から横綱になった珍し
い例である。横綱になるとは思わなかったが、
連続6場所10勝以上の成績をあげるなかで
13勝、14勝をあげて横綱に昇進した。横綱
2場所目、3場所目に全勝を含む連続優勝
した。この当時が最高にいい時期であった。
横綱の連続優勝なしはその後引退するまでの
5場所連続がある。

横綱が優勝から遠ざかった連続場所数をワースト番付でまとめたのが横綱で優勝なしの記録(連続優勝なしワースト番付)である。大乃国の20場所連続を筆頭に、優勝が一度もない横綱9人まで一覧でみられる。横綱の連敗記録は横綱の連敗記録もあわせてどうぞ。

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この記事を書いた人

少年漫画雑誌、日経関連の編集者を経て独立。現在は大相撲を専門に取材するライター。ほぼ毎場所、自ら土俵際で撮影している。にほんブログ村 相撲・大相撲カテゴリでランキング1位。

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