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日々すべて相撲

残暑厳しい中、寝苦しい日があるが、力士は
どのように寝ているだろうか。元栃木山の
春日野は「寝るときは海老のようになって
寝ろ。大の字になって寝たら承知しないぞ」
と弟子に戒めていた。夏は暑いからといって
窓をあけ、裸で寝ることも禁じた。体のバネ
が失われないための寝方であった。
栃木山
<栃木山のブロマイド>

ほかに歩くときはすり足で、という教えも
あった。栃錦は大塚少年時代から、親方の
付け人であった。師匠の酒のお酌をしながら
様々な話を日々聞かされていた。栃木山と
いう人は常に相撲の二字を心にしまっておい
た方であり、常在土俵の方であった。
その弟子栃錦が親方になったとき、若羽黒の
将来を予言した。若羽黒はねちねちした押し
相撲で大関になった力士である。伝統、規則
を嫌った自然児であった。アロハを着て場所
入りしたこともあった。「おれは柏鵬時代の
反逆児だ」と嘯いていた。
栃
<栃錦のブロマイド>

その若羽黒が夏の暑さに耐えかねて、物干し
場で大の字で寝たということがニュースに
なった。これを知った春日野(元栃錦)は
「若羽黒は横綱になれない」と予言した。
これでは体がゆるんでしまい、力がはいら
ないとみたのだ。春日野(元栃錦)の予言は
あたった。それどころか若羽黒は大関を陥落
したのである。最後は前頭18枚目全休で相撲
人生を終えてしまった。
若羽
<若羽黒のブロマイド>

こうした教えが今もあるかは定かではない。
暑さの度合いが違ってきている面もある。
だが、昔のことと片付けられない何かを感じ
させるエピソードではある。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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