大相撲

稽古は直前の本場所を目指すモノではない

2018年8月23日

夏の巡業で稀勢の里がどういう稽古をして
いるかの情報が入ってくる。現在8場所連続
休場という不名誉な記録をしているだけに、
注目がいくのはしかたがない。しかし、いか
にも夏の巡業は九月場所を目指した稽古で
あるかのような印象を与える。映像となると
番付発表後の稽古のようすが流される。これ
もいかにも直前の本場所を目指した稽古の
ように映る原因になっている。
180503幕内稽古 1802
<稀勢の里>

稽古というものは日々の鍛錬であり、積み
重ねなのである。だから本場所前の稽古だけ
をとらえて判断するのは本来ならきわめて
おかしなことなのである。もっとも不調なら
ば話しは別だが。突貫小僧(後に突貫オヤジ)
と呼ばれた富士桜はこう言っている。

「(前略)私は夏の一ヵ月の巡業と二十日
以上ある十月の巡業を大事にしています。
夏にミッチリ汗をかいても九月にすぐ効果が
現われるとはいえないが、十一月場所(九州)
には間違いなく、けい古の成果が出ます。
私の場合、この夏と秋場所後の十月の巡業の
二つを充分にやると、一年間の貯金が出来る
のです。」(話のふれ太鼓 北出清五郎著 
廣済堂刊より)
冨士桜
<富士桜>

3年先の稽古をしろとはよく言われる言葉
だが、稽古は直前の場所を目指して効果が
すぐ現われるものでないことは、富士桜の
言葉からわかる。

大鵬は佐田の山、栃ノ海、栃光、豊山(前名
内田)、北葉山の5大関を向こうにまわして
稽古した。大鵬は天才と呼ばれることをきら
った。一番強い大鵬が一番稽古をしたので
ある。最強者となっても大鵬は天竜にアドバ
イスを求めていた。
大 鵬!
<大鵬>

近年の巡業は大合併のため、全員が三十番
稽古するのは無理がある。また、巡業自体
が稽古目的とは言いがたい面がある。稀勢の
里は横綱だから、やろうと思えばいくらでも
できるだろうが、猛稽古とまではいかない
ようである。

近年は巡業よりも番付発表後の稽古に重きを
おく傾向になっている。十二分な稽古の
裏づけがない限り、土俵の充実はない。
九月場所は台風はきてほしくありません。

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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