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■春3日目 一人横綱を苦としないモンゴル勢

出場唯一の横綱鶴竜の対戦相手は難敵の玉鷲
である。昨年の一月場所、三月場所、先場所
と負けていて目下3連敗中。3日目にして
試練の一番になった。だが、相撲は突き合い
から突き起こしておいて、瞬時にはたきこん
だ。落ち着いた取り口であり、危なげなかっ
た。
鶴竜は今場所稀勢の里、白鵬の2横綱休場の
あおりを受けて、万全でないながらも出場に
踏み切った。先場所も白鵬、稀勢の里が途中
休場して、一人になった横綱として健闘した。
終盤にくずれなければ優勝争いは面白くなる
ところだった。今場所も悲壮感に包まれた
雰囲気はない。
130602木村庄之助 174
<36代庄之助と鶴竜>

昨年の九月場所3横綱が全休したときも、
残った日馬富士が優勝している。さらに遡れ
ば、一人になった横綱ではなく、正真正銘の
一人横綱が朝青龍のとき21場所あった。だが
朝青龍は一人横綱の重みにつぶされることは
なく、のびのび相撲を取っていた。スピード
と集中力は日馬富士を凌駕していた。白鵬は
15場所あるが、無敵であった。
柏戸の引退で一人横綱になった大鵬は、めっ
きり弱った。大関清国戦では自滅的敗戦が
あったほどである。大鵬が息をふきかえした
のは、北の富士、玉の海が横綱に昇進して
からだった。玉の海の急死によって、一人
横綱になった北の富士は2場所目以降、乱調
が止まらず戦国場所に陥った。
こうした先人を見てきているだけに、モン
ゴル勢は一人横綱あるいは2横綱以上が休場
して一人になった横綱を苦にしない精神構造
を持っているといえる。孤軍奮闘の鶴竜だが、
千秋楽まで場所を支えてくれることを願う
ばかりである。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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