横綱審議委員会が白鵬の張り差し、エルボー
気味のかち上げを横綱相撲にふさわしくない
美しくない技として昨年12月苦言を呈した。
エルボー気味のかち上げは通常のかち上げに
することで解決できるので、ここでは張り手
のみにしぼって検証してみる。
稽古総見では白鵬の相撲で一番だけ張り差し
があったという。これに対し「横綱だけが
使えない技があるのはおかしい」とか「横綱
だけが使ったら美しくない技って何だ。ほか
の者なら、例えば大関ならそうではないと
いうのか」という異論が出ている。横綱だけ
が使うと美しくない技、これにどんな合理的
な説明があるのか。
横綱に無用な技ならある。一か八かのけたぐ
りなどである。横綱北の富士は高見山に立ち
合いから腕捻りにいってつぶされたことが
ある。これも横綱に無用な技といえる。負け
を呼ぶ確率がある技は、無用な技といえる。
効果が薄い猫だましも無用な技といえる。
昭和16年春場所大関前田山が張り手旋風で、
横綱双葉山、大関羽黒山を撃破したことが
ある。その場所の双葉山、羽黒山はともに
14勝1敗の成績であった。前田山に英雄双葉
山をぶったたく悪いやつという見方をする
ファンもいたようである。板井が張り手一発
で大乃国をKOしたことがある。
美しい、美しくない技といったところで、
しょせん主観の問題になってしまう。どこで
線引きするのか。誰がどのような見識で決め
るのか。その技を使用したら反則負けにする
のか。また、横綱といえども、その力量は
同一ではない。時代を築いた横綱、物足り
ない横綱、弱い横綱と様々である。
アマチュア相撲では張り差し、さば折りも
含め張り手は禁じ手になっている。対戦相手
をたたくという行為が、相撲にふさわしく
ない技というのであれば、いっそうのこと
禁じ手したほうがよほどすっきりすると思う
のだが、いかがだろうか。
成人の日、珍しく本場所中でなかった。
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よしなに
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