明治の大横綱「角聖」常陸山谷右エ門と、無敵双葉山定次の対戦は、
時代を超えた相撲ファンの夢の対決であり、相撲の技術論から見る
と「真っ向からの組み合いの末、双葉山の寄り切りか上手投げ」で
双葉山が勝利する可能性が高いと考えられます。両者が全盛期で激
突した場合の展開を、体格や戦術からシミュレートします。

◆両雄のプロフィール比較
項目 常陸山谷右エ門(明治期) 双葉山定次(昭和期)
全盛期の体格175cm / 146kg 179cm / 135kg
主な実績 優勝相当成績7回、 優勝12回
20連勝 69連勝(史上1位)
相撲スタイル万全の「受けて立つ」 後出しの立ち合い。
相撲。 「後の先」。右四つ。
必殺技 泉川(相手の腕を抱え 上手投げ、寄り切り
込んで封じる)
◆相撲展開のシミュレーション
立ち合い:究極の「受けて立つ」同士の対峙
常陸山は相手にわざと十分な型を許してからねじ伏せる「受けて立
つ」相撲。対する双葉山も、相手が立つのを見てから呼吸を合わせ
る「後の先(ごのせん)」の立ち合いです。互いに激しくぶつかり
合うのではなく、静かにがっぷりと右四つに組み合う極めて重厚な
立ち合いになります。
中盤の攻防:常陸山の「泉川」vs 双葉山の「盤石の腰」
がっぷり四つに組んだ後、常陸山は得意の「泉川」で双葉山の左腕
を極め(抱え込み)、自由を奪おうとします。しかし、双葉山は史
上最高と評される柔らかい足腰と、左からの強烈な上手を持ってい
ました。常陸山に腕を極められても、双葉山は下半身の安定感でこ
れをしのぎ切ると予想されます。

決着:近代相撲の技術とスピードが勝る
常陸山の時代に比べ、双葉山の昭和初期はスピードや強度が近代化
していました。常陸山の重戦車のような圧力をしのいだ双葉山が、
じわじわと左を差し、得意の右上手投げ、またはそのまま胸を合わ
せての寄り切りで常陸山を破る展開が有力です。
◆結論
常陸山の怪力と「泉川」は双葉山を大いに苦しめるはずです。しか
し、右四つの完成度、柔軟な身体能力、そして近代相撲に近い環境
で鍛え上げられた双葉山が、最終的には常陸山の攻めを受け止めて
勝利する可能性が極めて高いと言えます。