座席を探す方が必ずいるものである。大阪府立体育
館の座席は協会が独自で指定している。土俵に向か
かって右ら左に数字が増えていく。外国人だと正・
東・西・向の漢字がわからず、混乱することがある。
4日目も当然満員御礼である。
●関脇若元春対小結阿炎
まだ、3日間終了した段階だが、横綱・大関に全勝
はいない。三役で全勝は関脇若元春と小結阿炎であ
る。この両者が4日目に対戦した。阿炎の突きがさ
え、一方的な相撲になった。阿炎が三役で一人全勝
となった。阿炎は優勝経験者である。嫌な存在にな
る可能性はある。
●大関豊昇龍対王鵬
王鵬と豊昇龍は同期である。最高位に差はついた。
だが、相撲内容は立ち合いの攻防から王鵬が攻め立
てた。豊昇龍が向こう正面土俵に詰まったが、引き
落としでかろうじて残した。王鵬は相撲に勝って勝
負に負けた。
前日は「調子を上げてきた照、気になる貴」を記し
たが、この日はまったく逆になった。
●大関貴景勝対宇良
うるさい宇良に貴景勝は果敢に前へ攻めた。まわり
込む宇良を追撃。向こう正面土俵で最後二本入って
寄り切った。貴景勝らしい攻め相撲がようやく出た
一番だった。
●横綱照ノ富士対明生
明生はこれまで2度、照ノ富士が横綱優勝した場所
に土をつけている。それだけに要注意な相手である。
ところが相撲はあっさり決まった。明生がもろ差し
を果たすとそのまま向こう正面土俵に寄り切ってし
まった。照ノ富士はもろくも土俵を割った。
照ノ富士倒すにはもろ差しが効果的と広まっている
かのような雰囲気である。だとしてもこうもやすや
すともろ差しになられる照ノ富士は無策である。無
策はもろさにつながる。これで2勝2敗である。序
盤で2敗すると優勝は難しくなる。照ノ富士は最後
まで取り続ける気力があるのだろうか。気になる照
ノ富士に逆戻りした 4日目であった。