チケットをもぎられ、館内に入ると3点セットが渡
される。取組表、地方場所特有のカラー読物、そし
て特別号外のパノラマ大相撲三月場所である。さら
に進んで左に曲がると千代の国、石浦の引退大相撲
のチケット売り場がある。午後に本人が発売する見
込みであるが、絶対ではない。石浦の引退大相撲の
案内のデザインが大幅に変更されていた。宮城野部
屋をめぐる一時閉鎖の話と関係があるのだろうか。
5日目の序盤を終えて横綱・大関は13勝12敗である。
横綱・大関陣は瓦解している。5日目は2勝3敗で
あった。
●大関琴ノ若対宇良
もともと人気がある宇良だが、出身の大阪では爆発
的である。取り組む前から「宇良―、信じているぞ」
という声援がとんだ。相撲は、宇良が低くはいって
食い下がる体勢をつくった。気をみて電光石火の肩
すかしを見事に決めた。勝利の瞬間、館内に大歓声
が響いた。
琴ノ若3勝2敗
●大関貴景勝対熱海富士
貴景勝の法則の一つに攻め切れないときの貴景勝は
危ういがある。熱海富士との一番はまさにこれだっ
た。突き落としもはたき込みも残された。最後は熱
海富士が正面土俵に貴景勝を押し出した。
貴景勝3勝2敗
●大関豊昇龍対朝乃山
立ち合いから攻勢に出た朝乃山。豊昇龍は左上手が
取れず苦戦。土俵際、思い切った豊昇龍の下手投げ
に朝乃山弧を描いて落ちた。投げは中途半端に打つ
な、が鉄則であるが、それにしてもあざやかだった。
豊昇龍4勝1敗
どこまで続くかわからないのが豊昇龍でもある。
●大関霧島対明生
4敗霧島はようやく技ありのはたき込みで1勝した。
このあと霧島は勝ち越せるのか。見通しのないなか
で中盤戦を迎える。
●横綱照ノ富士対王鵬
照ノ富士と王鵬の突き押しの応酬。照ノ富士が後退
するとこらえられない。向こう正面土俵を割って連
敗。それもともに金星である。気力・闘志が乏しく
感じた。
これで照ノ富士は2勝3敗である。負けが込むと休
場という駆け込み寺へ逃げ込むのか。もう一度奮起
して立ち上がるのか。結果は6日目に出る。