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■秋11日目 実質二賞だった三賞に技能賞がでる予感

三賞は昭和22年の秋場所から始まった。戦後の混乱期を
経て、相撲人気はどん底だった。何とか相撲人気を回復
し、盛り上げていくために、協会と相撲記者クラブが考
えて殊勲賞・敢闘賞・技能賞が誕生した。これは、ファ
ンにも力士にも好評であった。これまで優勝制度はあっ
たものの、優勝できるのはほんの一握りの力士に過ぎな
かった。これなら誰にでもチャンスがあるから、励みに
なった。
150923十一日目幕内 545
<嘉風、隠岐の海を倒して7勝>
 
ただ、三賞には優勝と違い、該当者なしというケースが
ある。最初に該当者なしが生まれたのは昭和32年の十一
月場所の技能賞である。候補として琴ヶ浜がいたが、ず
るいほどうまい立ち合いというよりはうまいほどずるい
立ち合いのため、結局技能賞は初の該当者なしとなった。
150923十一日目幕内 620
<大砂嵐と妙義龍の仕切り>
 
これはこれでいい。そうした判断が力士を育むことにつ
ながるからである。ところが近年この該当者なしが当然
化してきた。今年にはいって4場所、技能賞は該当者な
しである。昨年1年間は安美錦の受賞が1回あるのみで
5場所も該当者なしがある。これは力士の技能の低下に
よるものなのか、あるいは技能賞に対して固定観念が強
すぎるのか、とにかく三賞は実質二賞という言い方まで
されてきた。
150923十一日目幕内 240
<勢、蒼国来から10勝目の白星>
 
しかし、今後の展開次第という条件つきだが、今場所は
技能賞力士が出現してもおかしくはないのでは。この日
小結の隠岐の海を一蹴した嘉風。1敗の守った人気が全
国区の勢。さらに関脇の妙義龍に残り4日間、ベストを
尽くして技能賞獲得を目指していただきたい。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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