高安に不可思議な現実がある。15日制が定着
した三根山以降の大関36人のなかで、勝率
6割8分1厘はトップなのである。晩年の
成績が入ってないとはいえ、立派な成績で
あることは間違いない。これまでは琴風と
把瑠都の6割5分8厘が最高であった。

<高安>
ところが、大関休場率(不戦敗を含む)は
一転して26%とトップなのである。これまで
は琴ヶ濱の21%がワーストであった。ほかに
20%台の休場率大関はいない。いかに高安の
休場が目立つかわかる。実は高安は大関と
して3場所連続皆勤がないのである。十一月
場所で15日間出場すれば、初めて3場所連続
皆勤になるのである。ちなみに三根山以降の
大関での連続皆勤記録は以下である。
1貴ノ浪 33場所
2朝潮 26場所
3豊山 25場所
高安には遠い記録である。
高安にはまだ優勝がない。大関だけでなく、
関脇以下でもない。最近の大関の傾向として
は優勝経験1回が多い。照ノ富士、豪栄道、
琴奨菊、把瑠都、琴光喜等。栃東が3回、
魁皇が5回である。昭和30年代、40年代の
一昔前には優勝なし大関は珍しくなかった
が、近年は何とか優勝している傾向である。

<H30年3月 取り直しの末鶴竜に勝利>
高安に優勝のチャンスはあるのか。12勝を
あげた今年の一月場所と三月場所、優勝は
14日目で決定している。最大のチャンスは
3横綱が休場した七月場所だが9勝6敗に
終わっている。つまり、高安はまだ千秋楽
を前にして、優勝争いをしたことがない
のである。
高安の優勝条件は何か。まず取りこぼしを
しないことである。優勝パターンとしては
先行逃げ切りである。横綱に勝つことである。
稀勢の里とは同部屋で対戦はない。大関以降
白鵬には0勝2敗である。しかし、白鵬は
万全ではないし、休場も考えられる状態で
ある。鶴竜には3勝で負けなしである。十一
月場所は高安にとって再びチャンスなので
ある。
大相撲の集計は時間がかかります。
興味深いテーマをこれからもお届けします。
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