思わぬ右足親指の負傷で、いきなり新大関の
場所を休場した栃ノ心。カド番となった九月
場所は9勝6敗の成績で、強い栃ノ心復活
とはいかなかった。まだケガが十分癒えた
とはいえない状態だった。今年の栃ノ心は
一月場所優勝。五月場所は13勝と強い栃ノ心
を十分見せつけられているだけに期待しない
ではいられない。
かつて、前の山(当時は前乃山)は12勝、
13勝をあげて文句なしに大関に昇進した。
北の富士は「おれみたいに大関に長くいる
なよ」と激励した。前の山は25歳であり、
横綱を期待できる逸材だった。ところが新
大関の場所をケガで全休した。これが前の山
の大関を一変させた。その後一度も10勝以上
することなく、大関在位10場所で降格した。
新大関の躓きが栃ノ新とダブルことが気に
なるが、二の舞は避けたいところである。
今年5場所経過したが、2場所強さを発揮
した力士は鶴竜と栃ノ心の2人しかいない
のである。それだけに栃ノ心が復活しない
限り、優勝争いが盛り上がらないのである。
「弱いやつは稽古しないと勝てない」とばか
りに秋巡業の稽古は意欲的だったという。
御嶽海と激しい三番稽古や1日28番取ったと
いうニュースが飛び込んできている。豊富な
稽古量は復活への好材料につながる。
いうニュースが飛び込んできている。豊富な
稽古量は復活への好材料につながる。
栃ノ心の初優勝はあれよあれよという間に
決まった。優勝争いはなかった。大関となっ
た今、横綱・大関戦は終盤に組まれる。十一
月場所が盛り上がるカギは、栃ノ心が優勝
争いをできるか否かにかかってくる。熱狂的
栃ノ心ファンは言う。「もう一度優勝の雄姿
を見たい」と。
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