人によっては今場所は日馬富士が優勝するのではと言われ
ていたが、この日は比較的取りやすい常幸龍に思いがけ
ない不覚を取った。明らかに日馬富士が詰めを誤った
ための敗北だった。日馬富士はこれまで白鵬を追いかけ、
逆転して優勝したことはない。後半持ち直して、去年は
なかった横綱決戦にもちこめるか真価が問われる。
5日目、「白鵬の相撲に乱れ」を書いた。今後は引き
締めていくだろうと思ったが、6日目遠藤に脇が甘い
取り口で白鵬らしからぬ相撲だった。この日は先場所
負けている高安に5日目同様寄り立てるとき上体だけで
足が伴わず、前のめりに落ちた。物言いがついたが、
高安の足が先に出ており、何とか勝利することはできた。
白鵬の相撲の乱れは続いている。
<高安の足が先に出て白鵬が薄氷の勝利>
カド番大関豪栄道の苦難は続いている。豪栄道は一生懸命
なのだが、勝っている相撲にも苦戦が見られる。7日目は
ここ2場所上位で勝ち越している宝富士戦。攻めあぐね、
最後は首投げで決めるといういまひとつぴりっとしない
相撲が続いている。後半の横綱:大関戦を乗り越えられる
のか、一抹の不安は残る。
稀勢の里優勝待望論が出ているが、どういう根拠に基づく
ものだろうか。稀勢の里は去年は白鵬に1勝5敗と勝って
いるわけではなく、まして優勝争いさえできていない。
何より、ここ一番に弱い精神面は克服できたのだろうか。
今日は2連敗していた逸ノ城には完勝した。しかし、今の
逸ノ城は体はでかいがこれという攻め手ががなく、怖さが
ない。稀勢の里の優勝はいまだ見えてこない。
満員札止めの7日目、人気は高いが土俵展開は必ずしも
好転していない。連日来られるお客さんのためにも期待に
応える土俵展開を見たい。