九月場所の新番付が発表された。1年前の九月場所は遠藤が新入幕と
して颯爽と登場した場所だった。1年間で番付はどう変ったかみてみる
ことにした。
ことにした。
鶴竜が横綱になっている。1年前の鶴竜は大関として8勝7敗の
成績で横綱を予感させるものはまるでなかった。鶴竜は今回初めて
正横綱になった。千秋楽結びの一番で白鵬と優勝をかけて横綱決戦が
できるか。ちなみに今年はまだ1度もない。
豪栄道が大関として登場。1年前は関脇で白鵬を倒して11勝4敗の
成績をあげている。豪栄道は14場所連続関脇にいたが、連続して
2ケタ勝利をあげたことは1度もない。新大関として1ケタ勝利に
終われば、関脇・大関15場所で連続2ケタ勝利なしが続くことに
なる。
新しい力の進出も目立つ。大砂嵐、貴ノ岩、鏡桜は十両だった。
照ノ富士、千代丸は新十両だった。荒鷲、佐田の海は幕下だった。
逸ノ城にいたっては入門もしていない。遠藤を含めてこのなかで
一番早く三役入りするのは誰か、出世争いが見ものである。前頭筆頭
の照ノ富士は初の横綱・大関戦(日馬富士とは同部屋で対戦なし)で
どんな相撲を取るか興味深い。
![番付](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/02/b887c807.jpg)
引退したのは大関琴欧洲。1年前大関で負け越してカド番になり、
2場所後の一月場所関脇に陥落した。関脇を2場所務めて引退した。
琴欧洲は引退相撲のPRを相撲塾、国技館、テレビ出演の場で自ら
行うほど熱心だった。阿覧は突然引退した。所属する三保ヶ関部屋
閉鎖を前にしてという印象が強い。
1年前幕内にいて、今場所十両なのは、徳勝龍、翔天狼、臥牙丸、
琴勇輝、若の里、玉飛鳥、富士東、舛ノ山、旭日松である。天鎧鵬
は幕下に陥落した。復帰できる第1候補は筆頭の徳勝龍である。
近年、新横綱・新大関はその地位の一番下の位置にすえる傾向が
ある。豪栄道は先場所12勝の成績だが、9勝の稀勢の里より下位で
ある。かつて、大関北の富士、玉の海が横綱に昇進したときは全休の
大鵬より上にすえ、東西の正横綱にした。千代の富士が関脇で14勝で
優勝したときも10勝した大関増位山より上位にした。現在の方式に
方向転換する合理的な理由はあるのだろうか。