相撲の取組進行の用語まとめ|物言い・取り直し・水入り・不戦勝をやさしく解説

取組進行の用語とは、仕切りから勝負がつくまでの一番を動かす決まりごとの呼び名です。物言い・取り直し・水入り・不戦勝などを指します。

テレビ中継を見ていると、行司が軍配を上げたのに勝負が決まらない場面に出くわします。土俵下から審判が手を挙げ、力士が中央に呼び戻され、もう一番。あるいは長い相撲の途中で取組が止まり、力士が呼吸を整える。こうした一つひとつに名前があります。言葉を知ると、土俵で何が起きているのかが見えてきます。

この記事は、取組まわりの進行用語をまとめた入口です。仕切りと制限時間、物言いと協議、取り直しと水入り、不戦勝と待った。順番に整理しました。一覧表もつけたので、わからない言葉が出てきたら戻ってきてください。

目次

仕切りと制限時間

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取組は、いきなり立ち合うわけではありません。両力士が土俵に上がり、塩をまき、腰を落として呼吸を合わせる。この準備の動作を仕切りと呼びます。仕切り線という二本の白い線に手をつき、相手と気持ちをぶつけ合いながら、立つ間合いをさぐります。

ただし、いつまでも仕切り続けるわけにはいきません。制限時間が決まっています。番付の上の力士ほど長く、幕内は4分、十両は3分、幕下以下はおおむね2分が目安とされます。この時間内なら、一度立ち合いの構えに入ってから仕切り直すこともできます。これが仕切り直しです。場内アナウンスで「時間いっぱい」と告げられると、次の仕切りで立つのが基本です。

立ち合いがそろわず、片方だけ飛び出してしまうと待ったがかかります。手のつき方が合わなかったり、相手の呼吸とずれたりしたときに起きます。待ったがかかると仕切り直しになり、もう一度間合いを取り直します。立ち合いは両者の呼吸が合って初めて成立する。だから、ここがそろわないと相撲は始まりません。

物言いと協議

勝負がきわどいとき、土俵を裁くのは行司だけではありません。土俵の四方と正面下には勝負審判が控えています。行司の軍配に疑問があれば、審判が手を挙げて物言いをつけます。観客から物言いがつくことはなく、判定に関わるのは審判です。

物言いがつくと、審判が土俵の中央に集まって協議します。どちらの体が先に落ちたか、足が先に土俵の外へ出たか。近年はビデオ映像も参考にしながら、肉眼で見えなかった一瞬を確かめます。協議がまとまると、審判長がマイクを取り、結論を場内に説明します。

協議の結末は三つに分かれます。行司の軍配どおりなら軍配通り。判定がひっくり返れば軍配差し違え。そして、どちらが勝ったか決めきれないときは、次に説明する取り直しになります。行司の裁きそのものについては、別記事「相撲の行司とは」でくわしく扱っています。

取り直しと水入り

取り直しは、協議でも勝敗を決めきれなかったときに、同じ顔合わせでもう一番取ることです。両者ほぼ同体で土俵に落ちた、足が出たかどうか判別できない。そんなときに「同体」と判断され、力士はいったん土俵を下りて呼吸を整え、改めて立ち合います。決着がつくまでの一番ではなく、判定不能のときの再戦だと考えると整理しやすいです。

水入りは、取組が長引いて勝負がつかないとき、いったん相撲を止めることです。両力士ががっぷり四つに組み、動きが止まったまま時間が過ぎる。このまま続けても消耗するだけと審判が判断すると、組んだ体勢を覚えておいたうえで力士を分け、水で口をすすがせて休ませます。再開のときは、止めた体勢に戻してから続きを取ります。組み手や足の位置を行司と審判がしっかり確認して戻すのが見どころです。

取り直しは「同じ相手ともう一度ゼロから」、水入りは「同じ一番の途中から再開」。似ているようで、止まる理由も再開のしかたも違います。

不戦勝と取組編成

けがや病気で力士が休場すると、その日に当たるはずだった相手は土俵に上がらずに白星がつきます。これが不戦勝です。休んだ側には不戦敗がつきます。取組が組まれていたのに、片方が出られなくなったときの処理だと考えてください。

そもそも、誰と誰が当たるかは事前に決まっています。これを決めるのが取組編成です。番付や成績、過去の対戦をふまえ、審判部が翌日以降の組み合わせを作ります。本場所では基本的に同じ部屋の力士同士は当てません。終盤になると、優勝争いがおもしろくなるように上位どうしをぶつけることもあります。ここに編成側の工夫が出ます。

取組進行の用語一覧

用語読み意味
仕切りしきり立ち合い前に腰を落として呼吸を合わせる準備の動作
制限時間せいげんじかん仕切りに使える時間。幕内4分、十両3分、幕下以下はおおむね2分が目安
仕切り直ししきりなおし立ち合いがそろわず、もう一度仕切ること
待ったまった立ち合いの呼吸が合わず、立ち合いをやり直すこと
物言いものいい勝負審判が行司の判定に異議を唱えること
協議きょうぎ物言いを受けて審判が土俵中央で話し合うこと
軍配差し違えぐんばいさしちがえ協議の結果、行司の軍配が覆って勝敗が逆になること
取り直しとりなおし同体などで決着がつかず、同じ相手ともう一番取ること
水入りみずいり長い相撲をいったん止め、再開時に元の体勢に戻して続けること
不戦勝ふせんしょう相手の休場で取組が成立せず、土俵に上がらずに白星がつくこと
不戦敗ふせんぱい自分が休場し、相手に白星を与えて黒星がつくこと
取組編成とりくみへんせい審判部が翌日以降の対戦相手を決めること

よくある質問

物言いは観客でもつけられますか

つけられません。判定に異議を唱えられるのは、土俵の周りに控える勝負審判だけです。観客がどよめいても、それが物言いになることはありません。手を挙げて協議を求めるのは審判の役割です。

取り直しと水入りはどう違いますか

取り直しは、決着がつかなかった一番をゼロからもう一度取ることです。水入りは、長引いた一番をいったん止めて、再開のときに止めた体勢に戻して続きを取ることです。片方は仕切り直してやり直し、もう片方は途中から続ける。ここが大きく違います。

仕切りの制限時間は何分ですか

番付によって変わります。幕内は4分、十両は3分、幕下以下はおおむね2分が目安とされています。上の番付ほど長く取れます。場内で「時間いっぱい」と告げられたら、次の仕切りで立つのが基本です。

不戦勝になると記録はどう扱われますか

相手が休場した側に白星がつき、休んだ側に黒星がつきます。土俵で取らずに決まる勝敗なので、決まり手はつきません。勝ち越し・負け越しの計算には、この白星・黒星がそのまま反映されます。

あわせて読みたい

土俵を裁く行司の役割と階級は「相撲の行司とは|役割・階級・軍配までわかりやすく解説」で。勝負がついたあとの技の名前を知りたいなら「相撲の決まり手とは|全82手を一覧でやさしく解説」へ。仕切り線そのものの攻防を深掘りした「仕切り線の攻防」も読みごたえがあります。会場で生の取組を見たい方は「大相撲 九州場所の観戦ガイド」が役に立ちます。

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