ちゃんこは、相撲部屋で食べる鍋料理を中心とした、力士の食事の総称です。部屋の台所で若い力士が作り、稽古を終えた一門が同じ鍋を囲む。肉や魚、野菜をたっぷり入れた鍋がその代表で、鍋以外の料理も含めて「ちゃんこ」と呼ばれます。あの大きな体は、稽古で鍛えた筋肉に、こうした部屋の食事を重ねて作られていきます。
※ちゃんこの語源や、いつ始まったかには諸説あります。本記事では出典をたどれる範囲で書き、由来は「〜とされる」という形で紹介しています。
テレビで力士の取組を見ていると、まず体の大きさに目が留まります。あの体は、どんな食事から生まれているのか。「ちゃんこ」という言葉は耳にしても、中身まで知る人は多くありません。この記事では、力士の食事とちゃんこを、相撲部屋という暮らしの場とあわせて見ていきます。当サイトがこれまで撮り、記録してきた力士の体重や部屋の話とも結びつけながら、できるだけ確かなところだけをたどります。
力士の食事とは
力士の食事は、家庭の食卓とは前提が違います。土台にあるのは「相撲部屋でみんなで食べる」という形です。力士は親方のもとに弟子入りし、同じ屋根の下で稽古と寝起きをともにします。その暮らしの単位が相撲部屋で、複数の部屋がゆるやかに連なった集団を一門と呼びます。食事もまた、この部屋という場で営まれます。
朝は早くから稽古が始まり、その稽古を終えてから、まとまった食事をとります。空腹のまま激しく体を動かし、そのあとに一気に食べる。この流れが、体を大きくする一因とされてきました。ただし、何食をどれだけ食べるかは部屋や力士によって幅があり、一律の数字で語れるものではありません。出典のはっきりしない「1日◯食」「1食◯キロカロリー」といった数値は、ここではあえて書きません。
献立の中心に座るのが、次に見る「ちゃんこ」です。
ちゃんことは
ちゃんこは、相撲部屋で食べる料理の総称です。多くの人が思い浮かべる鍋料理が代表格ですが、厳密には鍋に限りません。部屋の台所で作られ、力士が食べるものは、揚げ物でも炒め物でもまとめて「ちゃんこ」と呼ばれます。それでも鍋がちゃんこの顔になったのは、大きな鍋ひとつで大人数を一度に賄え、肉も魚も野菜も一緒にとれるからだと言われます。
「ちゃんこ」という言葉そのものの由来には、いくつかの説があります。親方を意味する「ちゃん」と弟子を指す「こ」を合わせたものとする説や、中国や長崎にまつわる説など、語源をめぐる話は一つに定まっていません。どれが正しいと断定できる確かな記録は乏しく、ここでは「諸説ある」とだけ記しておきます。起源を一つに決めつけて語ることは、この場ではしません。
味付けは部屋ごとに受け継がれ、同じ「ちゃんこ」でも一門の数だけ顔があります。引退した親方が店を開き、その部屋の味を外に伝える例も少なくありません。鍋を囲むという形を保ちながら、中身は部屋ごとに少しずつ違う。これがちゃんこのおもしろさです。
なぜ大きな体になるのか
力士の体の大きさは、食事だけで説明できるものではありません。早朝からの激しい稽古で筋肉を鍛え、そこへ十分な食事を重ねる。この稽古と食事の組み合わせが、相撲に必要な体を作っていきます。脂肪に見える厚みの下には、ぶつかり合いに耐える筋肉があります。
では、力士は実際どのくらいの体重なのか。当サイトが歴代横綱の体重を調べたところ、200キロを超えたのは武蔵丸(237キロ)・曙(235キロ)・大乃国(203キロ)の3人で、最重量は武蔵丸でした。一方で、栃木山103キロ、初代若乃花108キロのように、100キロ台前半の横綱もいます。現代の横綱は150〜180キロ台が多く、時代とともに重量級へと傾いてきました。現役の幕内に絞ると、2024年11月場所の時点では湘南乃海が192キロでトップに立っています。
こうして並べてみると、力士の体は一様ではないとわかります。軽量でも強い力士はいて、体重がそのまま強さを決めるわけではありません。それでも、稽古で鍛え、部屋の食事で支えるという土台は共通しています。歴代の体重を一覧で確かめたい方は、関連記事も合わせてどうぞ。
部屋の食事の習慣
ちゃんこは、ただの料理ではなく、部屋の暮らしそのものと結びついています。台所に立つのは、多くの場合まだ番付の若い力士です。買い出しから下ごしらえ、味付けまでを担い、その手間を通して部屋の味と段取りを覚えていきます。料理の腕を上げた者が、後に名の知れたちゃんこ店を構えることもあります。
食卓には序列もあります。番付の上の関取から先に箸をつけ、若い衆はそのあとに回る。同じ鍋を囲みながら、相撲界の縦のつながりがそこに表れます。親方や関取を中心に弟子が集う部屋の暮らしの中で、食事は稽古と同じく、力士を育てる場のひとつとして続いてきました。一門ごとに受け継がれる味は、その部屋の歴史でもあります。
よくある質問
ちゃんこの意味は?
ちゃんこは、相撲部屋で力士が食べる料理の総称です。鍋料理が代表として知られますが、鍋以外の部屋の料理もまとめてちゃんこと呼びます。語源には親方と弟子を合わせたとする説など諸説あり、一つに定まってはいません。
なぜ太れる?
早朝からの激しい稽古で体を鍛え、そのあとに十分な食事をとる。この稽古と食事の繰り返しが、相撲に必要な体を作るとされます。脂肪のように見える厚みの下には、ぶつかり合いに耐える筋肉があります。体重は力士によって幅があり、太ることが目的ではなく、強い体を作る結果として体が大きくなります。
1日何食?
食事の回数や量は、部屋や力士によって違います。一般に、朝の稽古を終えてからまとまった食事をとる流れが知られていますが、「1日◯食」「1食◯キロカロリー」といった具体的な数値は、確かな出典をたどれる範囲でしか語れません。出典のはっきりしない数字は、この記事ではあえて載せていません。
誰が作る?
多くの部屋では、番付の若い力士が台所を担います。買い出しから味付けまでを引き受け、その中で部屋の味と段取りを覚えていきます。食事は関取から先に箸をつけ、若い衆はそのあとに回るのがならわしです。腕を上げた力士が、引退後にちゃんこ店を開く例もあります。
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