十一月場所、結びの一番は貴景勝か正代であった。
横綱が結びでないともうひとつ締まらない。今年
(2022年)は照ノ富士にとってさんざんな1年であ
った。休場が3場所で優勝は1回きりであった。三
場所横綱初休場があったが、このあと2場所休場
することになるとは想像できなかった。その結果今
年1年は42勝19敗29休という成績に終わった。
両膝を手術したため、十一月場所は休場した。この
あとリハビリして稽古十分、万全の体調までもって
いかないと出場しにくい。中途半端に出場して途中
休場しては力士生命にかかわってくる。照ノ富士は
11月末に31歳になった。さらに飛躍が望める年齢で
はない。といって一月場所は1横綱1大関である。
これで横綱を欠いては一大事である。
年6場所制以降の先輩横綱の31歳からの1年間はど
うであったか。それが以下である。
大鵬 引退
柏戸 引退
栃ノ海引退
佐田の山引退
北の富士44勝21敗25休
玉の海 死亡
琴櫻 32歳で横綱 短命で終わった
輪島 68勝22敗
北の湖29勝14敗20休 31歳5場所目で引退
2若乃花引退
三重ノ海31歳4場所目から横綱 40勝5敗 短命
千代の富士74勝16敗
隆の里68勝22敗
双羽黒廃業
北勝海引退
大乃国引退
旭富士10勝15敗24休 4場所目に引退
曙 53勝7敗15休 5場所目に引退
貴乃花引退
3若乃花引退
武蔵丸40勝11敗19休
朝青龍引退
白鵬 64勝11敗15休
日馬富士46勝26敗28休
鶴竜 42勝23敗25休
稀勢の里7勝15敗68休
大鵬から稀勢の里まで横綱は26人。横綱の31歳は引
退が9人。引退が近いかそう遠くない者が10人。そ
のほかが3人である。健在だったのは千代の富士の
みである。白鵬、日馬富士、鶴竜は、引退は先だが
休場がらみであった。
こうしてみると照ノ富士の31歳はけして明るくない
ことがわかる。休場を含みながら万全のときに出場
もやむをえない。ただ、次の横綱が誕生するまで、
もつかはなんともいえない。この点が最大の不安で
ある。混迷の時代は横綱・大関陣の手薄という危機
をもたらした。照ノ富士は最後の(?)奮闘をして
いただきたい。