今年の年間最多勝が確定した。それが以下である。
単なる数字の比較ではなく、横綱・大関との対戦率
によってクラス分けした。また、幕内在位6場所の
力士を対象とした。
6場所幕内に在位した力士は32名である。幕内の定
員は42名だから、76%が幕内を1年間維持したこと
になる。その中で年間を通して勝ち越した力士は、
コロナ部屋ごと休場をカウントしない場合14人とな
った。
なお、参考として以下の力士をあげておく。
・幕内5場所
錦木 39勝34敗2休 横綱大関との対戦率7%
王鵬 38勝37敗 横綱大関との対戦率1%
琴勝峰34勝37敗4休
・幕内4場所
翠富士34勝26敗 横綱大関との対戦率8%
年間最多勝は若隆景に輝いた。成績は57勝33敗だっ
た。九月場所まで琴ノ若に3勝差をつけていたが、
逃げ切った。琴ノ若は七月場所のコロナによる部屋
ごと休場1不戦敗4休が影響した。若隆景はすべて
関脇以下の地位での年間最多勝であった。数字は混
迷の時代を象徴する結果となった。
次点は琴ノ若と豊昇龍で、55勝であった。この数字
が63勝以上になったら大関もありえる。1横綱1大
関の今は大チャンスでもある。それを生かせるか否
かで両力士の運命が決まる。横綱照ノ富士が休場が
ちで大関の弱体化がもたらした結果となった。
大関としての1年間、正代は40勝50敗と負け越しで
終わった。大関降格は必然であった。御嵩海はコロ
ナ部屋ごと休場を除くと42勝39敗である。一月場所
の優勝と三月場所の11勝の貯金の結果である。その
後3場所負け越している。コロナ部屋ごと休場とな
った七月場所もそのまま相撲を取っていたら負け越
しの可能性が高かった。
この1年6番以上取って、大関に勝ち越した力士が
琴ノ若をはじめ10人でた。大関の弱体化が数字を押
しあげた。なおかつ横綱に勝ち越した力士が玉鷲、
大栄翔、阿炎の3人である。照ノ富士にとっていや
な相手である。若隆景・琴ノ若・豊昇龍はいまだ横
綱照ノ富士に勝っていない。だれが突破口を開くの
か。来年の新たな見所である。
十一月場所で全敗した照強が32勝58敗とこの1年幕
内で最も負ける結果となった。
2023年はどのような年間最多勝レースになるのか。
新大関誕生はあるのか。今年の延長ではない展開を
期待したい。