思いがけず2敗同士の対戦となった高安対王鵬戦。
王鵬が前日1敗の豊昇龍に勝ったことで浮上してき
た緊張の対戦になった。相撲は離れての攻防から高
安が組み止めた。圧力をかけて上手投げで投げ捨て
た。この辺は豊昇龍が終始離れて弾みで負けた教訓
が生きた。四つに組めば地力が違いすぎる。
高安14日目は輝戦である。あまりピンとこない対戦
である。輝は近年、上位とは無縁の力士だからであ
る。高安、千秋楽は琴ノ若戦か。王鵬は14日目、大
関貴景勝戦である。仮にも優勝で大関戦がないと話
にならない、という配慮と思える。しかし、これで
貴景勝対若隆景か正代戦はなくなることになる。十
一月場所でも幻の取組は懲りずに出ることになる。
結びの一番、3敗貴景勝対2敗豊昇龍戦は終始貴景
勝の距離での戦いだった。貴景勝の押しになすすべ
なく豊昇龍は敗退した。そもそも前日下位から勝ち
上がった王鵬に敗れた時点で貴景勝戦の敗戦は決ま
っていたかもしれない。下位からの勝ち上がり王鵬
に勝てない力士が優勝というのもピンと来ない話で
ある。豊昇龍、14日目は同じく3敗の阿炎である。
2度幕内中位以下の力士に負けるようでは豊昇龍の
限界を見た思いになる。
土壇場の正代は玉鷲に屈し、8敗となり大関降格が
決定した。そもそも正代は弱体化した大関の象徴的
力士であった。だから、大関降格には少しも驚くこ
とはない。むしろ、来場所1横綱1大関の体制にな
ることの層の薄さが気になってくる。
13日目を終了して2敗高安が単独トップ。3敗が貴
景勝、豊昇竜、阿炎、王鵬となった。14日目は貴景
勝対王鵬、豊昇龍対阿炎のサバイバルバルマッチと
なる。十一月場所はいよいよ大詰めに来た。