12日目、上位同士の取組は3番と少なく、上位対中
位あるいは上位対下位が目白押しの日となった。そ
の中で注目度が高かった一番は1敗豊昇龍対2敗王
鵬戦であろう。といっても王鵬は幕内下位の経験し
かない。しかも、何度か負け越している。人生には
上り坂、下り坂に加え、もう一つまさかというさか
がある。幕内下位経験しかない王鵬が勇んで出てく
る豊昇龍をはたき込んで勝つなんて、まさにまさか
の番狂わせであった。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2022/11/昇1A-e1669291466519.png)
豊昇龍の敗因は勇んで出過ぎた。スピード相撲は時
には破綻につながる。正代戦も危なかった。大事な
相撲だけに王鵬相手にがっちり組んでしとめたほう
が確実だった。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2022/11/昇2B-e1669291486272.png)
スピードで相撲を取った先駆者に柏戸がおり、北の
富士がいた。彼らにも破綻があった。元佐賀ノ花の
二所ノ関は大鵬に負けない相撲を取らせた。攻撃相
撲は自分や師匠だった玉錦が破綻負けがあったため
の方針だった。朝青龍もスピード相撲だったが、そ
れだけではなかった。集中力もすごかった。
これで豊昇龍、高安、王鵬と2敗で並んだ。13日目
は高安と王鵬が対戦する。豊昇龍は3敗貴景勝と激
突する。13日目の結果次第で優勝戦線は大きく変化
することになる。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2022/11/昇3C-e1669291506672.jpg)
御嶽海は12日目、気迫ある相撲で佐田ノ海をくだし
た。大関復帰、今場所はないが、御嶽海のパワー相
撲を最後までみせていただきたい。正代は霧馬山に
敗れ、5勝7敗とあとがなくなった。13日目は玉鷲
戦。残りは御嶽海、貴景勝戦になりそうである。最
後はどんな結末になるのか。「まさよ」の苦しい戦
いは続く。
なお、幕尻で照強が12連敗となった。こちらはどこ
まで続くのか。かつて豊真将が初日から14連敗して
千秋楽に1勝したことがあった。このとき国技館は
異様に盛り上がった。照強の1勝はどうなるのか、
違った意味で注目される。